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劉兆玄・行政院長の「遺産」、使用期限が迫る

2009年09月19日 21時23分34秒 | 経済

馬英九・政権発足以来、馬・総統を支えてきた劉兆玄・行政院長は今月10日、台風8号で死者・行方不明者が700人以上出た責任を取って辞任した。行政院長と言えば日本の首相。中華民国台湾は総統と行政院長の「二首長制」のため、日本の首相と同じ重さとはいえないかもしれないが、とにかく行政のトップが就任からわずか16ヶ月足らずで辞任したわけだ。劉兆玄氏はもともと教育界の人(国立清華大学と私立東呉大学で校長を務めた)で、再び政府に戻るかは不明。このため時が経てば国民の記憶からは忘れ去られるかもしれない。(上の写真は消費券の500元“札”)

しかし、劉兆玄氏が行政院長として行ったことで皆が忘れないことがある。それが「消費券(正式名称:振興経済消費券)」。昨年からの世界的な金融ショックで景気が落ち込むのを受け、政府は個人消費を刺激するため今年の旧正月前、118日から中華民国台湾の国民すべてに台湾元3600元(現在のレートで日本円約1万200円)の価値を持つクーポン券を配ったのだ。

(「恭賀新禧」(新年おめでとう)と書かれた、おめでたい真っ赤な封筒で配られた!)

日本の定額給付金が現金だったのと異なり、消費券は使用期限付きのクーポン券だったことで消費を刺激する一定の効果はあっただろうし、実際、台湾の人たちが新年を幾分明るく迎えられたように感じる。劉兆玄氏は「消費券を出した行政院長」として記憶されるかも。

(こちらは200元“札”。真っ赤な封筒には500元“札”6枚と200元“札”3枚が入っていた。左下に「使用期限至98年9月30日止」と記されている。98年は2009年のことで、使用期限は2009年9月30日までの意味。横13センチたて5センチで、おもちゃ銀行のお札のよう

そしてその消費券、使用期限が今月末に迫ってきた。行政院経済建設委員会の統計によると、消費券は台湾元8326500万元分を発給、910日の時点で使用されたのは8015200万元で、まだ311300万元が国民のタンスに眠っているという。
このタンス貯金ならぬタンス消費券を狙わない手はないと、台北市政府では26日と27日の今月最後の週末に市内の伝統的な商店街四箇所で特売活動を企画した。文昌家具街では額面3600元の消費券を現金5000元とみなして家具を買ってもらうプランを打ち出した。カメラ街の北門商店街ではインターネット上で人気の女性タレントを招いて消費者をひきつける。また、靴屋の並ぶ沅凌商店街では「美少女の美脚コンテスト」なるイベントで皆の目を楽しませると同時に靴を売り込む狙い。新中華オーディオ商店街では32インチの液晶テレビを台湾元1元からのオークションで販売する。

(裏は受け取った商店の換金用手続き欄)

景気は底を打ったとの見方が広がっているが、「良くなっている」という実感はまだまだ。加えて、台風災害によって馬英九・総統と政府の評判は大きく落ち込んだ。劉兆玄氏の後を引き継いだ呉敦義・行政院長はというと、行政院長に内定してから香港を訪れ、中共香港特別行政区の次期行政長官と目される人物と会っていたことが発覚、「土石流対策について意見交換しただけ」としているが、野党は「(間接的な)中共へのご機嫌うかがいだ」と批判している。
国民すべてが諸手を挙げて歓迎した「消費券政策」、呉敦義・行政院長もここらで二度目の消費券を考えてみてはいかが?(U



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