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民進党の総統候補予備選挙はじまる

2011年03月29日 19時20分36秒 | 台湾日記

 次期総統選挙が、あと一年ほどに迫っています。日程はまだ未定ですが、2012年1月~3月ごろで検討が進んでいます。(本来は3月だが、立法委員選挙と合同実施になれば前倒しの可能性あり)
 与党・国民党では、現職の馬英九・総統が二期目を目指すことが確実です。そのため、対抗馬となる野党・民進党の公認候補が誰になるのかが、目下の関心事。
 党内の届出は3月25日に締め切られ、届出順に、蘇貞昌・元行政院長(上の写真右)、蔡英文・主席(同左)、許信良・元主席の三人が名乗りを上げました。
 ただ、許信良氏は事実上引退に近い状態で、実質的には「蘇貞昌VS.蔡英文」となります。

 かなり単純化した言い方にはなりますが、今回の民進党の党内予備選挙は、ある意味では「旧・民進党」と「新・民進党」という構図で見ることが可能です。
 それは、蘇・蔡両名の届出にあたってのパフォーマンスにも表れています。


夫人(前列右)と、これまでの政治生活を支えた「戦友」を伴い届出を済ませた蘇・元行政院長

 蘇・元行政院長は、民進党の結党に携わった党重鎮の一人。民進党の源流を代表する人物の一人に数えられます。
 上の写真では少し分かりにくいのですが、届出に同行した戦友は、長年の政治生活を支えた部下たちから、昨年11月の台北市長選挙に携わった若いスタッフまで、年齢や顔ぶれは実に様々。
 蘇氏の、政治経験の豊富さをアピールするものでした。経験豊富な蘇氏には安定感があり、また人気も根強いのですが、一部には、同世代はみな第一線を退く方向に向かっており、世代交代すべきとの声もあります。

 一方、2008年の下野後に主席となった蔡英文・女史は、学者出身で党歴は浅く、民主化運動の闘士として街頭デモ活動などを率いてきたこれまでの主席や重鎮たちとはかなり異なるタイプ。
 主席就任当初は「ピンチヒッター」と見られていましたが、これまでの民進党とは一味違う、蔡・主席の静かで理性的な政策論争スタイルは支持を広げ、今回総統候補を目指すまでになりました。
 ただ、蔡・主席は選挙経験は一度だけ、閣僚経験はあるものの、地方自治体での行政経験などがなく、政治力などを不安視する声もあります。


前回2008年の総統選挙時には選挙権のなかった若い有権者と届出に向かった蔡・女史
「新しさ」が蔡・主席のカラー

 民進党では、4回の政見発表会を行った上で世論調査を実施し、5月4日に公認候補者を発表する予定です。
 いずれも、それぞれの意味で民進党を代表している蘇貞昌・元行政院長と蔡英文・主席、どちらが馬英九・総統の対立候補となるのか、台湾政治の今後の方向性を占う上で非常に興味深い戦いです。(華)


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