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盲獣

2009-08-10 23:26:18 | Cult


目くらの世界に残されているたった一つの楽しみ、それは触覚です。
なかでも女の身体の手触りが一番です。
温かくて、柔らかくて…



江戸川乱歩原作、増村保造監督の作品。



結論:乱歩は変態

や、乱歩のそういうとこが好きです。
数ある乱歩作品でもこういう変態ものばっか好きで読んでる気がする。
盲獣も期待を裏切らない作品でした。
乱歩の原作を読んでいないので原作も気になる。

登場人物は盲目の道夫、道夫の母、道夫に拉致られるアキ(緑魔子)の3人。
触覚をたよりに彫刻を作りたい云々で道夫に捕えられたアキ。
アトリエと称した鼻や耳や目や口が壁一面に作りつけられた倉庫。
真ん中には巨大な女の裸体のオブジェ?のようなものが置いてある。

道夫はアキに触覚の芸術を完成させるために彫刻のモデルになって欲しいと懇願する。
アキは最初は逃げ回り「あなたはキチガイだわ!」とか
言ってたんですが・・・・・・

密室生活を続けていくうちにアキの心境に変化が…
心境どころか暗闇で生活するうちにアキの目も見えなくなっていく。
そして、二人は触覚だけの快楽に溺れるようになる。

こっから普通じゃ満足できなくなった二人のプレイがエスカレートしていく。
最後はドMの極み。

“触覚の世界、昆虫の世界、ヒトデやクラゲの下等動物の世界、
その世界の果てにあるものは、やっぱり暗い暗い死だった。”

ってアキが最後に言うんやけど
感覚を研ぎ澄ました先に残るものは「死」なんか?
そこがちょっと疑問やった。
極めるっていうことは生の限界でそれはイコール死に繋がるのか?

でもだんだん強い刺激を求めてしまうっていうのはわかる気がする。
あと、僕も指のや手のひらの感覚が敏感なんで道夫の気持ちもわかる笑
目が見えへん分、触覚が鋭くなるっていうのもわかる。
見えへんほうが興奮するとかそういう類ですよね?笑
共感しすぎ乙

緑魔子の小悪魔的魅力。

・目あきの方が不自由、だって触覚の楽しさを知らないから
・いいか?切って
・かまわないわ
・もう触覚だけでしか感じない
・痛み=楽しい
・死んでもいい、思いきりやって
・普通の人間にはわからない楽しみを思う存分味わった
・死んでもいいわ
・どうせ死ぬなら最後もっと楽しませて

このエスカレートっぷりやばい。
増村監督作品にも手を出そうと思います。

★★★★★
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『盲獣』 1969年 日本
監督:増村保造
原作:江戸川乱歩