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田園に死す

2009-08-04 07:36:55 | Cult


寺山修司が自身の同名歌集をもとに映画化した、自らの少年時代を描いた自伝的色彩の強い作品。青森県の北端、下北半島・恐山のふもとの寒村。父に早く死なれた少年は、母と二人で暮している。母と二人だけの生活に嫌気のさしている少年の唯一の楽しみは恐山のイタコに父の口寄せをしてもらうこと。ある日、村にやってきたサーカス団の団員に遠い町の話を聞いた少年は隣家の憧れの娘に一緒に村を出ようと持ちかけられるが……。少年時代の回想シーンが象徴的な映像で綴られていく。

シュールすぎて衝撃でした。
丸尾的世界観。ダリオ・アルジェントみたいに「色」を強く感じさせる作品。
寺山修司に最近嵌ってる。すごい。

本の畸形のシンボリズムにも出てきたような一寸法師など、見世物小屋も印象的。
日本的怖さ。耽美、エログロ、白塗り!

昭和の退廃的美しさを描きつつも
寺山修司の頭の中というか
彼の思い描く過去とは…

観終った今、なんかすごくゾクゾクする。
じっとりくる。
今まで観た映画の中で1番衝撃的かも…
視覚からの衝撃だけじゃなくて脳と聴覚にもくるというか…

寺山修司小説家やからかわからんけど
これは後に残る。
もっと色々言葉にしたいのに私の表現力ではそれを言葉にできない。
身体と脳に纏わりつくようなじっとりした映画。

シュルレアリスム





「もし、君がタイムマシーンに乗って数百年をさかのぼり、
君の三代前のおばあさんを殺したとしたら、現在の君はいなくなると思うか」



★★★★★
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『田園に死す』 1974年 日本
監督:寺山修司