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勝手にしやがれ

2010-02-28 21:26:05 | Nouvelle Vague


ジャン・リュック・ゴダール監督の長編デビュー作にして映画史上に輝く革命的傑作。警官殺しの小悪党(ジャン・ポール・ベルモンド)が、パリにやってきた米国娘(ジーン・セバーグ)に惚れるが裏切られ、路上で警察に射殺される。要約すればこれだけの話を、イタリアン・ネオレアリズモにならって撮影所ではなく、部屋や街路で昼夜かまわずルポルタージュのごとく、手持ちカメラで2人の軌跡を活写。その即興的演出、ジャンプ・カット中心の編集は追随者を次々と生んだ。
実話系週刊紙から原案を提供したのはフランソワ・トリュフォー、監修に名を連ねたのはクロード・シャブロル。批評家仲間で、先に監督進出していた彼らの友情のもと、ゴダールはB級犯罪映画へのオマージュをこめて製作。ヌーヴェルヴァーグの永遠のシンボルといえる1本。(轟夕起夫)





海が嫌いなら

山が嫌いなら

都会が嫌いなら


勝手にしやがれ!


★★☆★★
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『勝手にしやがれ』 1960年 フランス
原題:À bout de souffle
監督ジャン=リュック・ゴダール

サイコ

2009-11-04 00:15:20 | horror

地方都市に住むマリオンはサムと昼間から情事を重ねている。マリオンは結婚をねだるが、サムは経済的な理由をつけて結婚に応じない。昼休み明けに出勤したマリオンは仕事で大金を預かるが、出来心から横領してしまう。逃避行の末、とあるモーテルにたどり着いたマリオンは若い経営者ノーマンと会話を重ねるうち、自首を決意する。独りになり、シャワーを浴びるマリオン。突然、シャワー室に入ってきた影が、手にした包丁をマリオンに振り下ろした……。



やっとこの名作に辿り着いた。

60年代~70年代の作品て
ほんとに名作が多いと思う。


キャー!!
ってわかってるねんけど
怖い。

これが魁で
超える作品は
未だに現れないって
言われてるの
わかる気がした。

この当時にしたら
凄く斬新。

この手法、この後に出てくる
他の映画が色々取り入れてるもんな。

母親が取り憑いた…?
二重人格…?

最後のアンソニー・パーキンスの
表情。

人間の方が
怖い。




☆☆★★
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『サイコ』 1960年 アメリカ
原題:PSYCHO
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ロバート・ブロック

ゴーストワールド

2009-10-21 19:20:27 | Cult


ロサンゼルス郊外の退屈な町に住むイーニドとレベッカは幼馴染み。高校を卒業したら一緒に住む約束をしていた。卒業後、たまたま出会い系広告に名前を載せていた男をいたずらでダイナーに呼び出し、イーニドはブルース・レコードのコレクター、シーモアと出会う。イーニドと同じく世間に馴染めずにいた彼とイーニドは少しずつ親しくなっていく。一方レベッカはコーヒーショップで働き始めるが、働きながら一人暮らしをしようとする彼女と、資本主義システムに馴染めないイーニドの、2人の間は段々とすれ違ってゆく。


とにかくよかった。
面白かった。
イーニドが可愛い。
断然イーニド。
黒縁似合ってる。
服のセンスから部屋からオサレ。
大衆に溶け込めないところに共感。
曖昧な浮遊感。
バスに乗るという選択は妥当。

こういうもの凄く気に入って
好きなやつに限って上手く表現できない。

大好き。





★★★★★
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『ゴーストワールド』 2001年 アメリカ
原題:Ghost World
監督:テリー・ツワイゴフ
原作:ダニエル・クロウズ

ある結婚の風景

2009-10-20 19:38:59 | Ingmar Bergman


弁護士である妻マリアンヌと、大学教授の夫ヨハン。結婚10年目の満ち足りた生活を送っていた彼らに、あるとき模範的な結婚生活についての取材が行われる。数日後、活字になった記事を読んだ2人は、そのあまりのつまらなさにがく然となる。やがて夫婦の間に、次第に亀裂が生じていく。夫婦ディスカッションドラマともとれる本作は、もともとは5時間に及ぶTVシリーズだったが、好評につき再編集され劇場公開された。


夫婦生活のドキュメンタリーみたいな作品。
何の問題もないような夫婦が
実は今までお互いがお互いに言えない
もやもやを抱えていた。

結婚したらこういう問題には直面するものなのか
それはどうかはわかりませんが
誰かと一緒に共同生活を続けていくのは
もの凄く大変なことというのが
この映画を通して伝わってくる。

お互いが相手に対して持っていた不満を
ぶつけ合う。
それを聞いてお互い愕然とする。
今までこんなに解り合えてると
思っていたのに…

ビデオテープ2本にわたって延々と
この夫婦の会話のやりとりです。

会話だけなのに
最初の取材を受ける二人の空気
思いをぶつけ合う二人の空気
離れて再び会った時の二人の空気

それぞれがじわじわ伝わってくる。


近すぎても見えなくなるものなのか。

愛がなくなった夫婦はどうすべきか。


★★☆☆
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『ある結婚の風景』 1974年 スウェーデン
原題:Scenes from a Marriage
監督:イングマール・ベルイマン

第七の封印

2009-10-03 22:37:42 | Ingmar Bergman


小羊が第七の封印を
解いてから

約半ときの間にわたり
天国は静かになった


私は見た
神の前に7人の天使が立ち


7本の角笛を与えられるのを




土着信仰とキリスト教信仰が混在する中世の北欧を舞台に、十字軍の遠征から帰途についた騎士と死神の対決を通して神の存在を問い掛けた作品。



神は存在について

私を苦しめながら
神が心に残るのはなぜか

私が神を呪うのに
なぜ神は私にとって
振り切られぬ存在なのか



恐怖の中にあって
描くものを私たちは神と呼ぶ




死神⇔神

黒⇔白

神⇔悪魔

生⇔死

天国⇔地獄

白い服⇔黒い服


死神とチェスをして勝てば命を助けてもらえる。
神は存在するのか。
僕たちは死神とはいつも一緒にいる。

死神とチェスをしているシーンが凄く好き。





★☆★☆★
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『第七の封印』 1957年 スウェーデン
原題:Det sjunde inseglet
監督:イングマール・ベルイマン

不良少女モニカ

2009-09-21 22:35:50 | Ingmar Bergman


孤独な青年ハリーは、モニカという少女と出会い恋に落ちる。やがて二人の間には子供が出来るが、モニカはハリーと子供を捨てて立ち去ってしまう……。


温かい家庭を築きたかったハリー
何にも縛られずに自由に生きたかったモニカ

前半の二人でモーターボートに乗って
自由気ままに旅をするシーンと
モニカが妊娠がわかり、食料も尽き
後半の街に戻ってからの二人の価値観の違いや
すれ違いによる破滅への道のりへの対比が凄い。

理想と現実の差?
実際に生きるために生活していくといことは
お互いの思うようにはなかなかならないものなのか。

ベルイマンはそういった二人の人間模様を
冷静に見つめていると思った。

モニカには家庭は必要なかった?
モニカは昔から兄弟も多く、大勢の中で
生活することにうんざりしていた。

ハリーと結婚することで、そのような息の詰まるような
生活から解放されようとしていたのに
結局貧しく平凡な生活に耐えられなくなった。
彼女は、これじゃ昔と変わらないじゃないかと思った。

昔の男とよりを戻し、服を買い、遊び回るモニカ。
ショックを受けるハリー。

結局、子どもはハリーが引き取り
モニカは家庭を捨てた。

最後にハリーが楽しかった水の旅を
思い出すシーンで終わる。

原題は「モニカと過ごした夏」
日本じゃこういうの不良少女なんやな。

理想的な旅では上手くいっていた二人。
現実に生活しようと街に帰ると上手くいかなくなる二人。

お互いが求めるものが違った。



☆★★☆
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『不良少女モニカ』 1953年 スウェーデン
原題:Sommaren Med Monika
監督:イングマール・ベルイマン

鏡の中にある如く

2009-09-20 13:15:53 | Ingmar Bergman


医者から精神分裂症と宣告された姉、彼女に童貞を奪われる17歳の弟、彼らの運命を冷静に見つめようとする作家である父の3人を主人公とし、近親相姦というショッキングな題材のうちに人間の存在や神について鋭く考察したベルイマンの代表作。「神の沈黙」三部作の第1作(第2作は「冬の光」、第3作は「沈黙」)



パパ
恐いよ

カリンにしがみついたら
現実になった

意味がわかる?


もちろん


現実になって僕は飛び出したんだ

夢心地だったよ

だけど何も起こりはしない


分ってる


もういやだよ


大丈夫だ
耐えなけりゃいかん


それは何だろう 神かい?

神を証明できる?


できるさ

よく聞いておくれ


聞く必要がありますね


僕の希望のヒントだが
それは愛が真実として存在することだ


特殊な愛ですか


すべてのだ

最高から最低
美醜を問わない

あらゆる愛だ


愛への願望だね


願望も否定もだ
信頼も不信もだ


それでは愛が神の証明?


愛が神の存在の証明なのか
神自身かは分らん


神も愛も同一なのですか


その思想は
僕の空しさを救うよ


もっと話して


死刑執行が
猶予になったみたいに

空虚さが豊かさに
変っていく


パパの言う通りなら
カリンは神に取り巻かれているんだ


そうだ


彼女救われる?


そう思う


パパ
ひと走りしてくる


僕は昼食にする あとで


パパの言うとおりだ







★☆★★
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『鏡の中にある如く』 1961年 スウェーデン
原題:SASOMI I EM SPEGEL
監督:イングマール・ベルイマン

女囚さそり 701号怨み節

2009-08-26 21:37:43 | 女囚


刑務所を脱走したさそり(松島ナミ)は、児玉刑事の執拗な追跡に遭い逮捕された。だが、護送中にパトカーを電信柱に激突させ、ケガを負いながらもヌード劇場に逃げ込む。そして、児玉に恨みを持つ元学生運動家で照明係をしていた工藤(田村正和)に助けられた。その後、ナミと工藤は児玉宅を襲撃するが、誤って児玉の妻を死なせてしまう。怒り狂った児玉は工藤をリンチにかけてナミの隠れ家を聞きだし、遂にナミを死刑囚独居房に送り込む。ナミは再び脱走するが、すべては児玉が自分の手で処刑するために仕組んだ罠だった…。

さそりシリーズ4作目。
つか、毎度のことながらジャケット
かっこよすぎるくないですか?
伊藤俊也監督から長谷部安春監督に代わり、
アクション要素強めな感じになった。

なんかもう1作目で復讐果たしてるから
復讐するのに無理やり理由こじつけてる感が
少しあるのだけれども…
でもこのさそりシリーズ大好きです。
アウトローっぷり半端ない。

看守の女の人の制服が可愛かった。

最後またやはり逃亡を続けるナミの姿の
かっこよさといったら…!!!!


★★★★
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『女囚さそり 701号 怨み節』 1973年 日本
監督:長谷部安春

女囚さそり けもの部屋

2009-08-14 02:03:06 | 女囚


伊藤俊也監督、梶芽衣子主演によるバイオレンスアクションシリーズ第3弾。“さそり”こと松島ナミは刑務所を脱獄し、精神に異常をきたした兄と2人で暮らす売春婦・ユキと出会う。彼女の悲惨な状況に同情し、悪辣なヤクザ・鮫島に憎悪を燃え上がらせる。

これこれ倉庫にあったやつ。
今回は女囚と言えども刑務所でのシーンはちょこっとだけしか出てきません。

色々な人のレビューなどを読ませていただいていると
三作目のこのけもの部屋がかなり高くされていました。

陸的には、1、2作目よりかは怨み(復讐)度は落ちた気がするが
冒頭からの自分の手と繋がれた刑事の腕を電車のドアに挟んだ上で
包丁でぶった切ってそれを自分の腕にぶら下げたまま街中を
疾走するナミの姿がショッキングすぎた…!

まじB級スプラッタ映画もびっくりである。

近親相姦・むちゃくちゃな堕胎・下水道・鴉・レイプ…
な内容盛り沢山。

ナミはほんと何しても美しいね。
下水道でずぶ濡れになって逃げていても綺麗やもん。

結局ナミは最後放火の初犯で三か月の刑期で刑務所に入って
わざわざ復讐を果たす。
しかし、あれ入る時によくさそりってばれんかったな。

ナミの指名手配の張り紙がとてつもなくかっこいいです。
1枚欲しい。

★★★★
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『女囚さそり けもの部屋』 1973年 日本
監督:伊藤俊也

盲獣

2009-08-10 23:26:18 | Cult


目くらの世界に残されているたった一つの楽しみ、それは触覚です。
なかでも女の身体の手触りが一番です。
温かくて、柔らかくて…



江戸川乱歩原作、増村保造監督の作品。



結論:乱歩は変態

や、乱歩のそういうとこが好きです。
数ある乱歩作品でもこういう変態ものばっか好きで読んでる気がする。
盲獣も期待を裏切らない作品でした。
乱歩の原作を読んでいないので原作も気になる。

登場人物は盲目の道夫、道夫の母、道夫に拉致られるアキ(緑魔子)の3人。
触覚をたよりに彫刻を作りたい云々で道夫に捕えられたアキ。
アトリエと称した鼻や耳や目や口が壁一面に作りつけられた倉庫。
真ん中には巨大な女の裸体のオブジェ?のようなものが置いてある。

道夫はアキに触覚の芸術を完成させるために彫刻のモデルになって欲しいと懇願する。
アキは最初は逃げ回り「あなたはキチガイだわ!」とか
言ってたんですが・・・・・・

密室生活を続けていくうちにアキの心境に変化が…
心境どころか暗闇で生活するうちにアキの目も見えなくなっていく。
そして、二人は触覚だけの快楽に溺れるようになる。

こっから普通じゃ満足できなくなった二人のプレイがエスカレートしていく。
最後はドMの極み。

“触覚の世界、昆虫の世界、ヒトデやクラゲの下等動物の世界、
その世界の果てにあるものは、やっぱり暗い暗い死だった。”

ってアキが最後に言うんやけど
感覚を研ぎ澄ました先に残るものは「死」なんか?
そこがちょっと疑問やった。
極めるっていうことは生の限界でそれはイコール死に繋がるのか?

でもだんだん強い刺激を求めてしまうっていうのはわかる気がする。
あと、僕も指のや手のひらの感覚が敏感なんで道夫の気持ちもわかる笑
目が見えへん分、触覚が鋭くなるっていうのもわかる。
見えへんほうが興奮するとかそういう類ですよね?笑
共感しすぎ乙

緑魔子の小悪魔的魅力。

・目あきの方が不自由、だって触覚の楽しさを知らないから
・いいか?切って
・かまわないわ
・もう触覚だけでしか感じない
・痛み=楽しい
・死んでもいい、思いきりやって
・普通の人間にはわからない楽しみを思う存分味わった
・死んでもいいわ
・どうせ死ぬなら最後もっと楽しませて

このエスカレートっぷりやばい。
増村監督作品にも手を出そうと思います。

★★★★★
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『盲獣』 1969年 日本
監督:増村保造
原作:江戸川乱歩