孤独な青年ハリーは、モニカという少女と出会い恋に落ちる。やがて二人の間には子供が出来るが、モニカはハリーと子供を捨てて立ち去ってしまう……。
温かい家庭を築きたかったハリー
何にも縛られずに自由に生きたかったモニカ
前半の二人でモーターボートに乗って
自由気ままに旅をするシーンと
モニカが妊娠がわかり、食料も尽き
後半の街に戻ってからの二人の価値観の違いや
すれ違いによる破滅への道のりへの対比が凄い。
理想と現実の差?
実際に生きるために生活していくといことは
お互いの思うようにはなかなかならないものなのか。
ベルイマンはそういった二人の人間模様を
冷静に見つめていると思った。
モニカには家庭は必要なかった?
モニカは昔から兄弟も多く、大勢の中で
生活することにうんざりしていた。
ハリーと結婚することで、そのような息の詰まるような
生活から解放されようとしていたのに
結局貧しく平凡な生活に耐えられなくなった。
彼女は、これじゃ昔と変わらないじゃないかと思った。
昔の男とよりを戻し、服を買い、遊び回るモニカ。
ショックを受けるハリー。
結局、子どもはハリーが引き取り
モニカは家庭を捨てた。
最後にハリーが楽しかった水の旅を
思い出すシーンで終わる。
原題は「モニカと過ごした夏」
日本じゃこういうの不良少女なんやな。
理想的な旅では上手くいっていた二人。
現実に生活しようと街に帰ると上手くいかなくなる二人。
お互いが求めるものが違った。
☆★★☆
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『不良少女モニカ』 1953年 スウェーデン
原題:Sommaren Med Monika
監督:イングマール・ベルイマン
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