和田京平レフェリーが全日本プロレスを離れ、完全なるフリーとなった。今の全日本はかつて馬場さんがいた頃の全日本ではなく、武藤体制の全日本。それは新日本プロレスも同じこと。仮に1997年時点で全女の経営が悪化していなく、現在でも団体として機能していたとしても、私の居場所は無かっただろう。いくら過去に実績があっても押し出されていくしかないのです。それが会社組織というもので、新陳代謝していかなくては企業として劣化していくだけだと思います。欧米社会ではより良い条件を求めて、会社を移り変わることは常識。有能な人たちはそれこそ1年ごとにヘッドハンティングされていくとか。日本も終身雇用なんてのはとっくに破たんしてしまったから、自分の身は自分で守るしかない。一つの会社や仕事を辞めても、セカンド・キャリアやサード・キャリアをどう生き抜くか…だから頑張って必要とされる仕事をしたり、会社の意向に従って生き抜くしかないのですよ。
その点、私は恵まれていると思いますね。小さくなったとはいえ女子プロレスというジャンルのまっただ中に生きているのだから。スターダムをスタートする前の5年ほどは、フリー稼業をゆったり謳歌していました。でも、それでは何の影響力も無いし面白くもない、とずっともがいていたのです。だから今は大きなリスクはありませんが、団体を大きくすことが生き甲斐であり、緊張感に包まれた毎日を余儀なく送っています。本来は面倒臭がり屋で、呑気に生活していきたいのですが、動けるうちは陣頭指揮していくしかありません。
