■ キリンチャレンジカップ2012 |
U-23日本代表(1-1)U-23ニュージーランド代表 ・前半26分 杉本健勇(日本) ・後半49分 ルーカス(ニュージーランド) |
■ ダブルヘッダー壮行試合 |
◆ 明と暗
ロンドン五輪への壮行試合。
なでしこJAPANとのダブルヘッダーという過去の日本のサッカー界でも稀なケース。
なでしこJAPANは、3-0とオーストラリア相手に圧巻の勝利。
ところが、U-23関塚JAPANは、
何度か決定的なチャンスがあったもののゴールが生まれず。
やっと奪ったゴールもロスタイムでの稚拙なプレーでニュージーランドに同点にされてしまい1-1で試合終了。
ある意味、なでしこJAPANの勝利へ水を差す結果となってしまった。
結果だけの話をすれば、本大会のロンドン五輪で結果を残せば良いわけで、
この試合での勝利はメダルには関係ない。
◆ オーバーエイジ枠について(今さら)
ちょっと今さらだが、オーバーエイジ枠(OA枠)
3人の選考についてかなりの疑問が…。
まず、CBとしての吉田は、選手としては問題はない。
五輪メンバーとも年齢的にも近いので問題ないと思うが、
先月のA代表の試合で怪我をしたわけで、
そういう意味では、他の選手という選択肢でも良かったと思う。
残り1か月を切った時期に怪我人をOA枠として招集するのはいかがなものかと。
同じA代表の栗原や今野であったり、他のJリーグのCBの選手でも良かったと思う。
なぜに怪我をした吉田なのか?
次に、この試合でゴールへのきっかけとなったミドルシュートを放った徳永。
落ち着いたプレーと存在感。
熱くなり過ぎない冷静なプレー。
一歩引いた大人の余裕。
こういう選手こそがOA枠としてふさわしい。
次に、多くの人がなんでやねん!とツッコんだであろう、GKの林。
林自体に問題はないが、バックアップメンバーとしての登録。
つまり、18人のメンバーではない予備メンバーとして入れたことに
かなりの疑問が…。これでは実質OA枠を2人しか採用してないということになる。
GKなんて短期決戦において、怪我をする可能性も低いわけで、
この試合や過去の試合を見れば、関塚JAPANの問題は、守備面にあるわけで、
そういう意味では、ボランチかセンターバックにOA枠をもう一人入れて
中盤以降の守備を安定させれば良かったと思う。
あるいは、ちょっと視点を変えて、
FWのポジションにA代表レベルの選手を入れるとか。
(この場合、ジョーカー的なカードという使い方でも良い)
ロンドン五輪に向けて関塚監督及びスタッフも熟考を重ねた上でのメンバー選考だったのであろう。しかし、それが余計にシンプルさを失いチームの主軸を見えなくしてしまった感は否めない。
W杯と異なり、16チームが出場する大会が五輪。
23歳以下という制限プラスOA枠3人という条件の中、
どのようなチームを作り本大会へ臨むかは大きな要素である。
その点で迷走した感は否めない。
今回も酒井高徳、宇佐美と国内合宿に集めることが出来なかったし、
それまでチームの軸となっていたFWの大迫をメンバーに選ばなかったりと、
いささか、関塚監督の決定には疑問点が多過ぎる。
◆ ボランチが一つのカギ
ロンドン五輪のメンバーについては決まってしまったので最後は試合の印象について。
この試合、一番プレーに覇気があったのは、永井。
左サイドで起用され、前に自分のプレースペースがあることにより、
プレーの選択肢が増え生き生きとプレーしていた。
次に、トップに入った大津と右サイドの清武だが、
ちょっと気持ちが前に行き過ぎていた。
清武はA代表に招集されている選手なので、
もう少しチームの攻撃面でのバランスであったり
チームを落ち着かせるくらいの余裕が欲しい所である。
このチームの問題点は、ボランチにある。
まず、ボールを上手く捌いてゲームをコントロール出来ない。
[4-2-3-1]の前[3-1]との間でのミッション的な働きをしなければならないボランチだが、攻守に上手く機能していなかった。
宇佐美や酒井高徳が加わったらどうなるか分からないが、
徳永をボランチに入れてみるのが一番センターラインの安定度という意味では、上手く機能しそうな気がする。なにせあと約2週間後には、初戦のスペイン戦を控えているからである。
関塚JAPANを見ていて、なんとなく南アフリカW杯直前の岡田JAPANを思い出してしまった。
あの時に、岡田監督のように関塚監督も現実的にわりきった采配(ある意味、ギャンブル)を出来るかどうかが注目である。
まずは、来週に2試合親善試合が行われるようなので、この中盤の底のバランスとスタメンに注目してみたいと思う。
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