元々、この記事ネタは私の友人が教えてくれたことなのです。その際、友人の「プレミアリーグの印象ってアグレッシブなサッカーをしていると思っているでしょ?でもね、Jリーグの方が得点多いんだよ!」という言葉からです。
1.各リーグとも全38節です。但し、ブンデスリーガとJリーグだけ異なり34節です。
2.セリエAは、不正問題があったのでデータとしても信憑性がかなり怪しいです(笑)
みなさん、どんな印象を持ちましたか?!
「守備的で面白くない」などと揶揄されるセリエAですが、1シーズンで1000点に近づきそうなくらいのリーグ総得点数です。逆に、攻撃的でファンを魅了するリーガエスパニョーラなんかは、6リーグ中5位となっています。
こうやって数字上では、Jリーグは、非常に攻撃的なリーグだと言えませんか?!しかし、裏を返せば、それだけディフェンス力がないという見方も出来ます。どっちと捉えるかは、自由なのですが・・・(苦笑)
そこで、各リーグの上位クラブのより現実的なデータを見てみましょう。
昨シーズン、チェルシーがどれだけ圧倒的な攻撃力で勝利したかが、よく分かると思います。「カウンターから速攻で面白くない」と言われていたようですが、単純に得点数を比較すれば、下3チームよりゴールを挙げていると言えます。さらに、「平均失点」が5大リーグ中最も少ないのが顕著です。
また、2、3位のチームと比較すると、「引き分けを勝ちにした」という面も想像出来ます。例えば、2位のマンチェスターUは、1試合当りの平均得点数がチェルシー同じにも関わらず勝ち点で大きく水を分けています。
◆セリエA◆
改めて、データでセリエAを見ると、きな臭い匂いがします(苦笑)まず、ユベントスの1敗ってのが異常だと思いませんか?さらに、「平均失点」は、チェルシーに続いて5大リーグで2番目です。また、ACミランの得点力は、バルセロナ(スペイン)以上の数字です。フィオレンティーナのデータからも何か怪しい雰囲気はあります。
◆リーガ・エスパニョーラ◆
バルセロナの得点力の凄さがよく分かります。単純にチェルシーとの比較をすれば、一目瞭然です。「得点もするが失点もする」という事です。ちなみに、バルセロナの「平均失点:0.92」はプレミアリーグだと5位のトッテナムの1.00より上となります。また、昨シーズンは、バルサの強さが突出していました。セリエAを飛ばして、プレミアリーグとリーガエスパニョーラの各チームのデータを比較すると結構面白いですよ。
◆リーグ・アン◆
リーグ・アンの上位4チームの「平均得点」と「平均失点」をご覧下さい。これは、TVで見たら、セリエAより“守備的な印象”を持つかもしません。また、前述した「各国リーグ総得点」を見れば一目瞭然です。1位のリヨンが別格の感じもしますが、実は2~4位のチームの「得点」を見れば、点が入らないリーグナンバーワンかもしれません。また、“引き分け数”の多さという面を見れば、リーグ・アン、フランスのシャンパンサッカーがそれほど得点力に優れていると言えないかもしれない・・・と拡大解釈も可能です(笑)
◆ブンデスリーガ◆(全34節)
◆Jリーグ◆(全34節)
最後に全34節という同じリーグ形態のドイツと日本の単純な比較をしてみます。
まず、昨シーズンのJリーグ上位4チームは、ブンデスリーガだと上位4チーム内に入れない!って事が分かります。しかし、5~8位には入れますよ。昨シーズンのブンデスリーガの5位がレバークーゼンで「勝ち点58」となっています。
ちなみに、前述のリーグ・アンの場合だと試合数に違いがあるのですが・・・
5位:マルセイユ「勝ち点60」、6位:オセール「勝ち点59」、7位レンヌ「勝ち点59」。つまり、欧州リーグにJリーグのクラブが参戦したら、中堅から下位の順位は、行けるかもしれません。「平均得点」で比較してもそれほど遜色ありません。
◆失点が多いJリーグ
しかし、Jリーグのクラブは、「平均失点」が多過ぎます。(勿論、失点と得点は、裏と表なので、一概に言えませんが)
例えば、G大阪の「平均失点:1.71」という数字は、ブンデスリーガ下から3番目の数字になります。そこで、各国リーグ上位4チームの「平均失点」を計算して比較してみました。
◆各国リーグ上位4チームの平均失点数(注:ブンデスリーガとJリーグは、全34節)
どうですか?Jリーグは、守備に対する意識が低いと言えませんか?
さらに、以前のエントリー『データで見るJリーグ - 昨シーズンと今シーズンの第23節までの比較』をご覧になれば分かるのですが、今シーズンその傾向がさらに強くなっています。つまり、Jリーグは、「勝ちか負け」の戦い方をする傾向があり「引き分け狙い」という戦い方をしないリーグという事が顕著です。
では、現実的には、ブンデスリーガでやれるクラブは?ってことになると、数字上では、浦和だけかもしれません。「平均失点:1.09」は、昨シーズンのブレーメンと同じですし、「平均得点:1.91」も上位クラブと遜色ありません。
≪追伸≫
一概にデータでは言えない部分が多いのがサッカーです。しかし、改めてデータにすることによって、欧州の各国クラブ、各国リーグの比較としては、面白いと思いませんか?!今回は、上位4チーム(CL出場圏内)をピックアップしましたが、実は、全データを作成してありまして、逆に下位のクラブの比較をするとより一層面白いデータとなっています。ご意見、感想などコメントにてお待ちしてます。
面白かったという方は、
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1.各リーグとも全38節です。但し、ブンデスリーガとJリーグだけ異なり34節です。
2.セリエAは、不正問題があったのでデータとしても信憑性がかなり怪しいです(笑)
■ 05-06シーズンの各国リーグ - 総得点 |
プレミアリーグ:944点 ④ セリエA:991点 ① リーガエスパニョーラ:936点 ⑤ リーグ・アン:881点 ⑥ ブンデスリーガ:861点/(38節換算:962点)③ Jリーグ:873点/(38節換算:976点) ② |
「守備的で面白くない」などと揶揄されるセリエAですが、1シーズンで1000点に近づきそうなくらいのリーグ総得点数です。逆に、攻撃的でファンを魅了するリーガエスパニョーラなんかは、6リーグ中5位となっています。
■ 05-06シーズンの各国リーグ - 1節当りの各チーム平均得点 |
プレミアリーグ:1.24点 ④ セリエA:1.30点 ③ リーガエスパニョーラ:1.23点 ⑤ リーグ・アン:1.07点 ⑥ ブンデスリーガ:1.41点/(38節換算:1.57点) ② Jリーグ:1.43点/(38節換算:1.76点) ① |
そこで、各リーグの上位クラブのより現実的なデータを見てみましょう。
■ 05-06シーズン各国リーグ上位4チームのデータ |
※「平均得点」、「平均失点」は、各チーム1試合当りの平均値です
◆プレミアリーグ◆順位 | クラブ名 | 勝ち点 | 勝ち | 引分 | 負け | 得点 | 失点 | 得失点差 | 平均得点 | 平均失点 |
1 | チェルシー | 91 | 29(76.3%) | 4(10.5%) | 5(13.2%) | 72 | 22 | 50 | 1.89 | 0.58 |
2 | マンチェスター・U | 83 | 25(65.8%) | 8(21.1%) | 5(13.2%) | 72 | 34 | 38 | 1.89 | 0.89 |
3 | リバプール | 82 | 25(65.8%) | 7(18.4%) | 6(15.8%) | 57 | 25 | 32 | 1.50 | 0.66 |
4 | アーセナル | 67 | 20(52.6%) | 7(18.4%) | 11(28.9%) | 68 | 31 | 37 | 1.79 | 0.82 |
また、2、3位のチームと比較すると、「引き分けを勝ちにした」という面も想像出来ます。例えば、2位のマンチェスターUは、1試合当りの平均得点数がチェルシー同じにも関わらず勝ち点で大きく水を分けています。
◆セリエA◆
順位 | クラブ名 | 勝ち点 | 勝ち | 引分 | 負け | 得点 | 失点 | 得失点差 | 平均得点 | 平均失点 |
1 | ユベントス | 91 | 27(71.1%) | 10(26.3%) | 1(2.6%) | 71 | 24 | 47 | 1.87 | 0.63 |
2 | ACミラン | 88 | 28(73.7%) | 4(10.5%) | 6(15.8%) | 85 | 31 | 54 | 2.24 | 0.82 |
3 | インテル | 76 | 23(60.5%) | 7(18.4%) | 8(21.1%) | 68 | 30 | 38 | 1.79 | 0.79 |
4 | フィオレンティーナ | 74 | 22(57.9%) | 8(21.1%) | 8(21.1%) | 66 | 41 | 25 | 1.74 | 1.08 |
◆リーガ・エスパニョーラ◆
順位 | クラブ名 | 勝ち点 | 勝ち | 引分 | 負け | 得点 | 失点 | 得失点差 | 平均得点 | 平均失点 |
1 | バルセロナ | 82 | 25(65.8%) | 7(18.4%) | 6(15.8%) | 80 | 35 | 45 | 2.11 | 0.92 |
2 | レアル・マドリー | 70 | 20(52.6%) | 10(26.3%) | 8(21.1%) | 70 | 40 | 30 | 1.84 | 1.05 |
3 | バレンシア | 69 | 19(50.0%) | 12(31.6%) | 7(18.4%) | 58 | 33 | 25 | 1.57 | 0.87 |
4 | オサスナ | 68 | 21(55.3%) | 5(13.2%) | 12(31.6%) | 49 | 43 | 6 | 1.29 | 1.13 |
◆リーグ・アン◆
順位 | クラブ名 | 勝ち点 | 勝ち | 引分 | 負け | 得点 | 失点 | 得失点差 | 平均得点 | 平均失点 |
1 | リヨン | 84 | 25(65.8%) | 9(23.7%) | 4(10.5%) | 73 | 31 | 42 | 1.91 | 0.82 |
2 | ボルドー | 69 | 18(47.4%) | 15(39.5%) | 5(13.2%) | 43 | 25 | 18 | 1.13 | 0.66 |
3 | リール | 62 | 16(42.1%) | 14(36.9%) | 8(21.1%) | 56 | 31 | 25 | 1.47 | 0.82 |
4 | ランス | 60 | 14(36.8%) | 18(47.4%) | 6(15.8%) | 48 | 34 | 14 | 1.26 | 0.89 |
◆ブンデスリーガ◆(全34節)
順位 | クラブ名 | 勝ち点 | 勝ち | 引分 | 負け | 得点 | 失点 | 得失点差 | 平均得点 | 平均失点 |
1 | バイエルン | 75 | 22(64.7%) | 9(26.5%) | 3(8.8%) | 67 | 31 | 32 | 1.97 | 0.94 |
2 | ブレーメン | 70 | 21(61.8%) | 7(20.6%) | 6(17.6%) | 79 | 37 | 42 | 2.32 | 1.09 |
3 | ハンブルガーSV | 68 | 21(61.8%) | 5(14.7%) | 8(23.5%) | 53 | 30 | 23 | 1.56 | 0.88 |
4 | シャルケ04 | 61 | 16(47.1%) | 13(38.2%) | 5(14.7%) | 47 | 31 | 16 | 1.38 | 0.91 |
◆Jリーグ◆(全34節)
順位 | クラブ名 | 勝ち点 | 勝ち | 引分 | 負け | 得点 | 失点 | 得失点差 | 平均得点 | 平均失点 |
1 | G大阪 | 60 | 18(52.9%) | 6(17.6%) | 10(29.4%) | 82 | 58 | 24 | 2.41 | 1.71 |
2 | 浦和レッズ | 59 | 17(50.0%) | 8(23.5%) | 9(26.5%) | 65 | 37 | 28 | 1.91 | 1.09 |
3 | 鹿島アントラーズ | 59 | 16(47.1%) | 11(32.4%) | 7(20.6%) | 61 | 39 | 22 | 1.79 | 1.15 |
4 | ジェフ千葉 | 59 | 16(47.1%) | 11(32.4%) | 7(20.6%) | 56 | 42 | 14 | 1.65 | 1.24 |
■ Jリーグと各国リーグの比較・・・ブンデス・リーガに参戦出来るクラブは? |
最後に全34節という同じリーグ形態のドイツと日本の単純な比較をしてみます。
まず、昨シーズンのJリーグ上位4チームは、ブンデスリーガだと上位4チーム内に入れない!って事が分かります。しかし、5~8位には入れますよ。昨シーズンのブンデスリーガの5位がレバークーゼンで「勝ち点58」となっています。
ちなみに、前述のリーグ・アンの場合だと試合数に違いがあるのですが・・・
5位:マルセイユ「勝ち点60」、6位:オセール「勝ち点59」、7位レンヌ「勝ち点59」。つまり、欧州リーグにJリーグのクラブが参戦したら、中堅から下位の順位は、行けるかもしれません。「平均得点」で比較してもそれほど遜色ありません。
◆失点が多いJリーグ
しかし、Jリーグのクラブは、「平均失点」が多過ぎます。(勿論、失点と得点は、裏と表なので、一概に言えませんが)
例えば、G大阪の「平均失点:1.71」という数字は、ブンデスリーガ下から3番目の数字になります。そこで、各国リーグ上位4チームの「平均失点」を計算して比較してみました。
◆各国リーグ上位4チームの平均失点数(注:ブンデスリーガとJリーグは、全34節)
「プレミアリーグ:28」 「セリエA :31.5」 「リーガエスパニョーラ:37.8」 「リーグ・アン:30.3」 「ブンデスリーガ:32.3/(38節換算:36.1)」 「Jリーグ:44/(38節換算:49.1点)」 「G大阪を除くと39/(38節換算:43.6)」 |
さらに、以前のエントリー『データで見るJリーグ - 昨シーズンと今シーズンの第23節までの比較』をご覧になれば分かるのですが、今シーズンその傾向がさらに強くなっています。つまり、Jリーグは、「勝ちか負け」の戦い方をする傾向があり「引き分け狙い」という戦い方をしないリーグという事が顕著です。
では、現実的には、ブンデスリーガでやれるクラブは?ってことになると、数字上では、浦和だけかもしれません。「平均失点:1.09」は、昨シーズンのブレーメンと同じですし、「平均得点:1.91」も上位クラブと遜色ありません。
≪追伸≫
一概にデータでは言えない部分が多いのがサッカーです。しかし、改めてデータにすることによって、欧州の各国クラブ、各国リーグの比較としては、面白いと思いませんか?!今回は、上位4チーム(CL出場圏内)をピックアップしましたが、実は、全データを作成してありまして、逆に下位のクラブの比較をするとより一層面白いデータとなっています。ご意見、感想などコメントにてお待ちしてます。
面白かったという方は、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/1a/5b3765819f6c270fb78e76d00162144d.png)
リーグアンは確か昨シーズンはパウレタが20点ちょうどで得点王だったわけですし、近年はかなり守備偏重になっているきらいがあるみたいですね。
>こんばんは。
そうですね、私も同感です。今回、データで見ただけでもJリーグのクラブも“慣れれば”出来ると思います。勿論、チーム力をアップするにはマネーは必要です。もし、ドイツで選手が獲得できるならば、3~5年掛ければ十分に中堅の順位は確保出来るくらいになるでしょうね。