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ザックの謎

2013年06月27日 | コンフェデレーションズカップ2013
■ 謎多きザックの選手選考

◆ なぜなのか?!
「ザック解任論とザックの評価」の続きなのですが、先日、仕事の休憩中にふと思ってたことがあったので書いてみます。かなり妄想的な仮説なんで、その辺はご了承下さい。基本的な序列は以前書いたように決まっていた。(あえて序列って書きますね)じゃあ、なんで序列を優先したのか?

前回も書いたようにザックのチーム作りやこれまでの結果は評価している。
しかし、「(あえて序列と言ってもいいだろう)選手の固定化による弊害」、「試合中の交代枠の使い方」に関しては納得がいかない。…というかむしろ謎の方が大きい。
簡単に言えば「効果的なカード」を切った印象がほぼない。ドイツW杯の指揮官・ジーコも最後は非難轟々だったが、選手交代がハマった試合は結構あって選手に救われたなんて言われたこともあった。

監督が試合中に出来る唯一積極的なアクションが、選手交代である。
ところが、コンフェデでは「選手交代」が物の見事に決まらなかった。その前のW杯アジア最終予選でも決まった記憶がない。(忘れているだけかもしれないが)唯一アジアカップの李くらいなものだと思う。実はこの辺もどっかで巻き起こっている解任論の一つの理由なんだろう。

ザックは、ナショナルチームの監督は初めてかもしれないが、ジーコのように「監督自体が初めてではない」。むしろ、セリエAでビッグクラブを率いてきた経験もあるザックが、自分の選手交代が決まっていない理由、手持ちの交代カード(控えの選手)では戦況に変化を与えることが出来ないということは百も承知なはずである。しかし、いつも同じ顔触れの選手を招集し、切るカードもほぼ同じ「ハーフナー、清武、細貝」この辺が多分一番多い。そして、結果もいつもほぼ同じだった。なぜなのか?!

◆ スタメンと控えの11人
ふと思ったので、これまでほとんど試合に出ることもなかった選手を配置してみた。するとちょっと驚きの結果になった。
いつものスタメンと控えの11人(便宜上、AとBチームとする)を並べてみた。Aチームの各ポジションに対して控えを1人ずつ配置してみた。
 
どうだろうか?
2つのフォーメーション図を見比べて欲しい。Bチームのメンバーの位置づけがこれですっきりした(笑)
「皆さん~ザックは単純に各ポジションに一人ずつ控えとして選手を選んでいたんですよ!」
(んなことは絶対ないと思うけど)ただ、ここまでハマる例は過去にはないと思う。

◆ 選手選考の謎
第2期岡田JAPAN、ジーコJAPANは比較的MFとFWの選手が多かった。ちなみに、アジアカップでのザックJAPANのメンバーもこの形にハマっていた。DF4人いるし、4-2-3-1を組めなくもない控えがそろっている。上記のフォーメーション図はネタみたいなものだが、これまでの会見などではザックの選手選考や試合中の采配にやや納得いかない所があった。今回のコンフェデのメンバー選考について書いた際にも、いくつか疑問があった。
なぜ駒野を外したのか?
自分が代表の監督だったら、経験も豊富で両サイドバック出来るしユーティリティ性、ポリバレントという意味では駒野を入れておきたいと思うはず。
中村憲剛をボランチで起用しないのか?
パンチ力のあるミドルシュートも持っているしトップ下もボランチも良い意味でそつなくこなせると思う。絶対に主軸になれる。遠藤と違う色が出せるはず。
そして、ほとんど出場経験のない高橋をずっとメンバーに入れているのはなぜか?
親善試合ですらGKの西川、権田をスタメンに起用しないのはなぜか?等々。これまでのザックの選手起用、選手選考に関しては、ずっと疑問や謎があった。

◆ チームの戦術の浸透と連携を高めたかった?
ここからもさらに仮説だが…
主軸となる11人と交代枠3人を固定化すること、つまり、序列があったのは、チームの戦術の浸透と連携を高めたかったのではないだろうか?そう考えるとこれまでの采配も納得がいく部分が多々ある。

本田、香川などが不在時のワールドカップアジア予選でもほぼ入れ替わるメンバーは決まっていた。
前述の通り、ハーフナー、清武、細貝が起用されるケースは多かった。だから、高橋とかGKとかを起用するチャンスがなかった。でも、招集した選手のポテンシャルは感じている。だから、メキシコ戦でも戦術的な理由と試合後の会見では言っていたが、酒井宏樹を起用した。(但し、メキシコ戦が消化試合でなければ、絶対に内田も吉田も先発で起用していたはずである。)若手の伸びしろに期待しつつコンフェデに招集してどれくらいのパフォーマンスを出せるかをメンバーを決定した時点で考えていたと思う。

だから、ベテランの駒野をコンフェデには招集する必要はなかった。
駒野を招集しても先発起用はまずない。ベテランをベンチに置くよりは若手をチームに帯同させてベンチに置く方が将来的なメリットがあった。良い意味で、駒野はザックの信頼を得ているのだと思う。

遠藤の替えとなる選手を敢えて作らなかったのもチームの軸(核)と考えているからであろう。
クラブチームと違いW杯本大会はグループリーグで3試合。最大で7試合である。その為だけに、幅を持たせるよりは主軸(核)のチームの戦術の浸透と連携を重視したのだと思う。ただ、リスクマネージメントという部分で言えば、良い采配とは思わないが、そこははっきりと割り切って捨てて考えていたのかもしれない。

もしかしたら、この遠藤の問題に関しても、ザックの中では織り込み済みで、東アジアカップ3試合で遠藤の控えと考える選手を起用するのかもしれない。そこで目処が立てば、今後の試合で交代枠としてどんどん使っていくかもしれない。

◆ 3年目のこの時点で
きっと3年目のこの時点で、理想としてはハーフナー、清武、中村、細貝辺りが入ってもイタリア戦で見せたようなパフォーマンスと同じくらいのレベルを構築したかった。前回も書いたが、コンフェデまでの3年間を掛けてクラブチームと同じようにチームの土台を作ろうと考えていた。だから、クラブの事情、怪我、累積警告以外では「いつもの11人」Aチームを優先しBチームからも交代起用される選手に格差が出た。その為に、選手をある程度固定してW杯のアジア予選を通じてチームを作ろうと考えたのではないだろうか。
コンディションがいい控え選手を起用する考えは?(宇都宮徹壱/フリーランス)
選手交代は何人かした。先発は3人ほどイタリア戦から代わった。チーム全体を変えるとアイデンティティーを変えてしまうことになる。
日本はイタリア戦ではよくやったと思う。だからチームの性格を変える気はなかった。今日はスタメン3人を代えた。
試合中、どこで交代できるかを見極めた。戦術的に変更する必要があって、サイドで高い位置を取る必要があった。
失点はディフェンスラインの人数はそろっていたが、空中戦で入れられてしまった。非常に良いヘディングシュートだったと思う。

ザック監督「十分に準備ができなかった」|スポーツナビ

つまり、何よりもベースとなるチームの戦術の浸透と連携、アイデンティティを重視した。そしてコンフェデでこれまでの3年間を昇華させたいとアジアカップで優勝した後に考えていたはずである。

■ 謎多きザックの選手交代

◆ 交代枠の選手はあとからでもなんとかなる
こういうチーム作りをしていたら、試合の流れを変える選手を作ることは出来ないだろうか?
前述の通り、ザックにとってコンフェデでグループリーグを突破するというのは3年間かけて作り上げたチームを1試合でも多くテストする場でしかなかった。その為には、グループリーグ突破はしたかったはずである。チームの多様性を作り上げるよりもまずはチームの軸(核)を作りたかった。そう考えれば、香川、本田、遠藤、長友辺りは絶対に外せないピースだった。そして、グループリーグ敗退が決まった時点で完全に最後のテストモードになっていた。
メキシコはシステムを切り替えられるということだが、日本は3-4-3を試すことは考えているか?

ザッケローニ 私としては、フォーメーションを変える意図はない。というのも、この3年間、いいスピードで的を絞ってプレーするときはいい成果が得られているからだ。だから、フォーメーションを変える必要はないと思う。今年の残りの期間で、ほかのフォーメーションを試す機会はあると思うが。もっと(戦術に)柔軟性を持てるようにしたいと思う。

ザック監督「最後の試合では勝ちたい」|スポーツナビ

メキシコ戦の後半、コンディション的な問題で外した内田と吉田を交代枠として投入が。オプション的な戦術としての「3-4-3」は使わないだろうことを試合前に言っていたにも関わらず、一時的にでも「3-4-3」にしたのは完全にメキシコ戦の残り時間をテストとして使いたかった。そして、ザックは交代枠の選手はあとからでもなんとかなると思っているんじゃないかと思う。あるいは、既に過去に招集したメンバーの中に目処を立てているかもしれない。

◆ もう一つの仮説
例えば、下記のような会見を読むと一部謎が解ける。
長谷部 自分たちはこれまで、片方のサイドで崩しきることをやってきた。ただイタリア戦はサイドチェンジを何回もして厚みが出た。サイドチェンジの話はいろいろしてきたけど、アジアでは片方で攻めきれるが、世界トップには攻めきれない。ブラジル戦前から、サイドチェンジのことは監督に話をしていた。

 当たり前のように使われるサイドチェンジだが、日本代表では禁じ手だった。片方のサイドに人数をかけて崩しきる。迫力をもって仕掛ける一方で、逆サイドはカウンターに備えて中に絞ってカバーする。だから長谷部の位置でも「早い段階でボランチからの展開は認められていなかった」。それがザック流だった。

 ブラジル戦後、主力選手がこぞって「個を伸ばさないといけない」。圧倒的な個人の差を痛感し、そう口走る選手たちにザッケローニ監督は悩んだ。「日本人の細かい性格は、まだ3年間しか過ごしていないから分からない部分がある」。長谷部に打ち明け、日本人の特徴を踏まえて、個よりも組織として戦っていくことを再確認。1時間以上のミーティングで話し合うと、MF本田もうなずいた。

 組織として戦う手法の1つがサイドチェンジ。イタリア戦前日練習から取り入れ、一定の結果も出た。歩み寄りを見せた指揮官に、長谷部は「イタリア相手にはそういう方が打開できると思ったのか、自分たちの意見を取り入れてくれたのかは分からない。ただ攻撃に厚みは出た。アクションを起こしてくれてありがたい」。世界で戦うための変化。ザックジャパンも進化していく。

長谷部直訴!禁じ手サイドチェンジ解禁

ザックJAPANの試合を見ているとサイドチェンジが少ないことは気になっていた。やはり、禁じ手だったのかと納得した。余談だが、これって岡田JAPANの「接近、展開、連続」という片方のサイドを重視した形と似ている…って、もしかし、ザックは過去の日本代表のVTR、それも岡田JAPANを観たのでは? じぇじぇじぇw

だから、「選手交代」が決まらないのにも理由があるのかもしれない。
例えば、後半40分過ぎにハーフナーを投入しても放り込まないのはなぜか?これは選手の判断の問題か?それとも敢えてパワープレーと呼ばれる放り込みを禁止してるのではないか?この辺も意外と謎ではないだろうか?

最後に、本大会、本田、香川、岡崎、遠藤、長友、川島はW杯初戦のピッチに立っているだろう。
キャプテンの長谷部もここに加わるかもいれないが、これまで細貝と交代するケースもあり絶対的な存在ではないように思う。ただ、チームという一つの集合体をまとめるという意味では、ザックにとっては長谷部が必要だと思う。過去の代表のようにベテランを入れたりというサプライズは、本大会のメンバー発表時にはないだろう。

7月21日の中国戦から始まる東アジアカップで、ザックのチーム作りの最終ステージへと突入する。
欧州組が招集出来ない、遠藤、今野は招集しないようなので、必然的にこれまで出場機会の少なかった選手が出場することになるだろう。GKの西川、権田、伊野波、栗原、高橋、憲剛、前田この辺を軸にして、スーパーサブの候補も含めチームをブラッシュアップしていく段階へとなるだろう。

10月にベラルーシ、セルビアとの欧州遠征が予定されている。さらに、本大会までにもう数試合アウェイでの試合を希望しているようなので、この辺で今回のコンフェデのメンバーと何人かは入れ替わっているかもしれない。そうなったら、私の妄想的仮説が正しかったと言える(笑)

しかし、上記の10月の欧州遠征とその後年明け最初の方の試合で、コンフェデ3連敗の状況と何も変わっていなかったら、本大会で再び3連敗もあるかもしれない。実は、そういう展開があるんじゃないかという一抹の不安がある。イメージ的にはジーコJAPANと同じようなショックである。

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