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イタリア戦の失点に見る日本の問題点【コンフェデレーションズカップ2013】

2013年06月22日 | コンフェデレーションズカップ2013
■ 4失点を振り返る

前回の記事の続きです。今回はネガティブな面について。ご存じのとおり、3-4と敗れた日本。いずれの失点も日本のミスによるものだった。そして、ザックJAPANに内在する失点のケースが露呈した試合だった。いや、ザックJAPANというより日本サッカー界の問題だったのかもしれない。

◆1失点目のシーン
イタリアのコーナーキック。マークについていた長谷部がデ・ロッシに振り切られヘディングでゴールを決められる。

過去の試合でもセットプレーからの失点が多いザックJAPAN。
今年に入ってから最初のラトビアとの親善試合からイタリア戦まで8試合を行っている。
得点11 失点13。その内3試合はセットプレーから失点をしている。
つまり、失点の約25%がセットプレーなのである。

そして、何よりもこの時間帯にゴール前の陣形を日本が整える前にピルロが蹴っている。つまり、集中が一瞬切れたのを見逃さなかったのである。この集中力、執着心の欠如は次の失点でも分かり易い形で観られたのである。

◆2失点目のシーン
記録上は内田のオウンゴールだが、この失点シーンには、非常に大きな2つの問題が存在する。

まず、ゴールライン際での吉田の対応であるが、試合後の会見では下記のように発言している。
(ジャッケリーニにかわされたプレーについて)
クリアするか体を入れるかという2つの選択肢に迷いました。クリアしても良かったのですが、周りから声がかかったので体を入れようと思ったら、入れ替わってしまいました。
香川真司「決定力の差を痛感した」|コラム|サッカー|スポーツナビ

センターバック、ディフェンダーとして自陣のゴール付近でのプレーの判断に迷ってはならない。一瞬の迷いが大きな代償を払うこととなる。まず、あのシーンでディフェンダーが判断すべきプレーは以下の通りである。

1.イタリアの選手を身体でブロックして日本のゴールキックにする
2.タッチラインへクリアしてイタリアのスローインにする
3.ゴールラインへクリアしてイタリアのコーナーキックにする
4.ボールを外へ出さずに繋ぐ


まず、ゴールに近い位置でのミスはゴールへ直結する。その為にはリスクを減らさなければならない。
と同時に相手のボールになるコーナーキックは避けたい。せいぜいスローイン程度に留めたい。
一番良いのはやはり日本のゴールキックにすることであり、吉田はその判断をしたがジャッケリーニに体を入れ替わられて突破されてしまった。ちなみに、ボールのバウンドや吉田の対応状況を加味するとタッチラインへクリアすることは可能であった。

吉田は身体でジャッケリーニをブロックしてゴールラインへボールが出るようにするプレーもクリア(イタリアのスローインになってしまうが)するプレーのいずれも可能であった。ちなみに、ボールを外に出さずに繋ぐという判断はあのシーンを見るとやや難しい。

つまり、吉田の判断は間違いなかったが、一瞬判断に迷った為にはっきりとしたプレーが出来なかった。実際にボールへの応対した状況を見ると明らかに身体の使い方がおかしく迷っている様子が分かる。吉田は、まだ24歳である。センターバックとして今回のミスは一つの大きな経験となっただろう。メキシコ戦に向けて気持ちを切り替えて欲しいし、今回のミスを糧にして1年後に向けて頑張って欲しい。

個人的に、一番怒るべき点は、次の点にある。
この失点シーンも元を辿れば、イタリアのFKをクリアした後のセカンドボールなのである。
ピルロがゴール前へ放り込み日本がクリア。そのボールを再びピルロが日本の裏のスペースへヘディングで放り込んだ。

この時にセットプレーの密集(マーク)に入っていた日本の選手がセカンドボールへの対応へ切り替わってないのである。
ピルロが裏のスペースへヘディングで入れた時に対応しに行った吉田、奪いに行ったジャッケリーニ。

日本の他の選手はこの二人を傍観していたのである。この時バロテッリはふらふら…とフリーの状態で川島の前にいる(笑)ここにまだチームとしての緊張感、守備の意識の甘さが目立つ。大体にして、あれだけバロテッリを警戒してると言っているにも関わらず、川島の真ん前にふらふら…と立たせているようでは甘いと言わざるを得ない。

ゴールラインを割らなかった、ジャッケリーニのボールになったと気づいて長谷部、今野、内田が対応しに行ったものの時すでに遅し。3人並んでブサイクにスライディングするものの内田のオウンゴール。

吉田の対応はまずかったが、それは誰が見ても分かるし本人が良く分かっていることである。個の重要性であったり、個の成長は大事なのことは間違いない。しかし、サッカーは11人のチームで戦うスポーツである。

そして、この2失点目も後半5分という、ブラジル戦と同じ種類の失点をしているのである。
「試合の立ち上がり、前後半の終わり」という最も気をつけなければならない時間帯だったのである。

◆3失点目のシーン
正直、PKは審判の前半のPKに対する帳尻合わせのような気もするので、特に言うことはないが、
日本の左サイドからのクロスをバロテッリが足で落とした所をジョビンコのシュートをブロックに行った長谷部がPKを取られてしまった。ここはしょうがない部分もあるが、バロテッリへのマークの甘さ、その前のクロスの部分で厳しく行くことも必要だったかもしれない。

◆4失点目のシーン
ここも結局は、時間帯におけるリスクマネージメントの部分である。
3-3と進んでいた試合。ここで日本は勝ち点1を奪い、第3戦へのメキシコに向けてグループリーグ突破の可能性を残したかった。日本は攻撃的にイタリアへ立ち向かったが、その中でクリアが甘くイタリアボールとなって、前掛かりに浮足立ったDFラインの裏をあっさりと取られて失点してしまった。今大会ではっきりと分かったのは、日本代表の90分間という時間の使い方、ゲーム運びが世界レベルではないということである。つまり、「個」の技術、「チーム」の技術、それとは別のサッカーという競技の根本的な部分で世界レベルとの差があるということが露呈した。日本代表という日本人フットボーラーの頂点の選手たちが直面した現実が日本サッカー界に突き付けられた試合だったと言える。

■ メキシコ戦の意味

◆ ゴールへの執着心
ブラジル、イタリア戦に限らずだが、ふと過去の日本代表と比べてゴール前でのボールへ対する執着心が弱いと感じる。

例えば、ブラジル戦。
ブラジルのGKジュリオ・セザールは、日本のシュートをキャッチする際に意図的になのか前に一度落としてからキャッチしているケースが多かった。そして、イタリア戦でもブッフォンが前に一度落としてからキャッチをしているシーンが多かった。ゴール前のピッチの状態が良くないのかやけにこのようなシーンが気になった。

ところが、このようなキーパーが一度落とす(はじく)という予測を立てて飛び込む選手がいないことが非常に気になった。(私のように気になっている人はいただろうか?)ちなみに、相手のGKがはじくことを前提に飛び込むプレーは、GKに対して相当のプレッシャーを掛けられる。

この辺のゴールへの執着心の薄さもこのチームの得点力不足の原因だったり、自分たちのゴールを守る際の警戒感の低さにも繋がっているような気がした。つまり、ボールを繋いで自分たちのスタイルでプレーすることばかりに意識が行っていて、もっと今よりも下手だった日本代表が持っていたゴールへの執着心というものが欠如しているような気がしてならない。

そして、第3戦のメキシコ戦は、グループリーグ敗退が決まっているが、2試合の良かった所をもう一度再現し安定的にプレーする姿を見せて欲しい。また2試合で悪かった所を改善した試合内容を見せて欲しいと思う。

ちなみに、メキシコ代表は、1994年アメリカ大会から5大会連続ベスト16に進出している国である。現実的な話としてこのレベルのチームを倒すことが、サッカー日本代表にとって現実的なライバルだと思う。

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1 コメント

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喉渇いてたのよ~ (カズヒデ)
2013-06-25 19:35:04
モラルハザードと言うやつですね、
守備の事、もっと言ってやって下さい! 殆んど興味示さない人多し。守備の文化根付かないとWC無理。
遠藤前田、水飲んでも良いけど、コーナー見ろ!です。一点目、吉田内田も相談してて見てません。2失点目のゴール前3人棒立ちアリエナイ!と思ってたら、。
日本ではマーカーに任せるのが常識だったそうです。
{教えてスポニチ}の質問
http://oshiete.sponichi.co.jp/qa8144961.html
3点目は遠藤だけがマーク離してデロッシにスルーパス通された。守備は無理です、南ア前4連敗で判ってた事。もっと前目でどうぞ。
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