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ルーキー選手の、プロ入り一年目を振り返る

2023年ルーキー回顧106 辻 大雅(二松学舎大付3年)投手

2024-03-10 10:35:44 | 状況説明

辻 大雅(広島育成3位)投手(二松学舎大付出身)

蔵の入団前評価:指名見送り

 

高校からプロに入るには、球威や球速の面ではやや物足りないがあった左腕でした。しかしながら、制球力や投球術などはしっかりできていた投手なので、そういった部分が補えるようになれるかが鍵といった感じがしました。そのため個人的には、まだプロ入りの「旬」の時期ではないと判断した選手です。そんな辻選手でしたが、1年目は 2軍で 3試合(6回)0勝1敗0S 防 4.50 といった成績で終わります。

基本的にカープの高卒投手は、基礎体力・基礎技術向上のため、一年目からはほとんど公式戦では投げさせません。したがって、成績的にはこんなものだと思います。この少ないサンプルから考えると、6イニングで被安打は5本。被安打率は、83.3% ということで、箸にも棒にもといった内容ではなかったことが伺われます。ただし、四死球は5個と、ある程度のまとまりが売りの選手にしては、四死球率が同様の 83.3% だったのは高すぎます。いつも言うように、四死球率の目安は、投球回数の1/3(33.3%)以下。三振が多く取れる選手で、40%以内が許容範囲になるので。その三振は6個と、投球回数と同等の数は奪えていました。リリーフ投手の三振の目安は、1イニングで0.9個以上。それを、1.0個のペースで奪えていたのですから、決め手という部分でも悪く有りません。四死球が失点に絡むケースが多く、防御率が 4.50 という数字になってしまったのでしょう。信頼できるリリーフの防御率は、2軍ならば2.50以内(一軍なら 3.00以内)ですので、まだまだ開きはあります。むしろ数字の上からは、ボールの力よりも制球力などに課題があったような数字です。いずれにしても二年目の今年は、ファームで多くの経験を積むことだと言えます。ことルーキーイヤーとしては、及第点の一年目ではなかったのでしょうか。

蔵の印象:△ (全く通用しなかったわけでは無さそう)