六畳間の中心で涙を流す NEW

ルーキー選手の、プロ入り一年目を振り返る

選抜5日目第三試合&六日目第一試合

2012-03-27 12:18:00 | 状況説明
今日の第一試合で、選抜出場全校になります。そのためこのレポートも、今日が最終回になります。

大会五日目 第三試合 智弁学園 VS 早鞆高校

ドラフト候補の 青山 大紀(智弁学園 3年)投手は、無理しないでリラックスを心がけ135~MAX141キロ程度と球速は物足りなかったものの、ボールの伸びは一級品。球速以上に、各打者が振り遅れていた。変化球は、カーブ・スライダー・フォーク・チェンジアップなど多彩で、特に狙って縦の変化で空振りが取れるのは大きい。先輩の秦 裕ニ(元横浜)のような感じの投球だったが、先輩よりも球質では上。ただ勝負どころに強かった先輩に比べると、要所で甘くなるところが気になった。元々140キロ台中盤を叩き出せる能力もある投手だけに、まだまだ余力があるのも確か。ドラフト中位級の能力はあると思うが、ひょっとすると有力大学などに進学してしまうかもしれない。打者としても才能のある選手だが、個人的には投手だと評価する。

その他、秋は主戦として青山の穴を埋めた 4番 小野 燿平(3年)右翼手は、レフトスタンドに起死回生の本塁打を打って魅せた。ただ打席では、力が入り過ぎてのレフトへの本塁打。今後の試合で、更に打撃が粗くならなければいいのだがと返って不安になった。また4番を打つこともあった強打者の 中道 勝士(3年)捕手は、一番打者としての打撃ではアピールがなかったが、捕手としては好捕手ぶりをアピール。ともに有力大学への進学が期待される

早鞆では、4番の 木村 雄馬(3年)三塁手が、腰の座ったフォームから強烈な打球を連発。青山レベルの投手でも、苦になく対応する強打者ぶりを示した。あと8回になりようやくエースの 間津 裕瑳(3年)右腕が登板。秋の中国地区屈指の右腕という評判で、秋は140キロ台の勢いのあるボールを投げていた。しかし今日は、130キロ台中盤がやっとでカーブ・縦スラなどを交えるも、肝心のストレートの勢いが悪い。先発しなかったのは、状態が良くなかったからだということが、一目でわかる内容だった。夏には立てなおして、ぜひ甲子園に戻ってきて欲しい。

(第三試合の感想)

ドラフト的な観点で見れば、青山 大紀(智弁学園)投手だろう。タイプ的には大学に進学してしまいそうにも見えなくはないが、性格的には体育会よりもプロの世界に入ったほうが良さそうな選手。能力的には、ビッグ3に次ぐ位置にいる選手だけに、今後の試合でも、もっと存在感をアピールして欲しい。

両チーム好選手は多く、有力大学や強豪社会人チームに進んで行きそうな選手が多かった。ドラフト候補となると微妙だが、彼らの夏までの成長を、今後も追ってみたい。

大会六日目 第一試合 関東一 VS 別府青山

この試合は、関東一の先発 中村 祐太(2年)右腕の投球に尽きます。昨秋と比べても、135~130キロ台後半の球速は殆ど変わらず。しかし元々良かった球の伸びが、一冬越えて更に良くなった。右打者なんかには、ほとんど外角のストレートで組み立てて来るとわかっていても、面白いにように空振りを誘い13奪三振。これだけマシンが発達した世の中で、高校生でわかっていても打てないストレートを投げるのは至難な技。変化球もスライダー・チェンジアップ・フォークなどを織り交ぜ、最後まで安定したピッチングを見せていた。左打者にもどうかと思ったが、両サイドにしっかりコントロール。これで常時140キロ台中盤ぐらいまで投げられるようになったら、手がつけられないかもしれない。ヒット2安打のうち、一本は低めのスライダー。もう一本は、ファーストが上手くさばいて欲しかった一本と、ほぼ完璧な内容だった。普段は淡々と投げる投手だが、2本目のヒットを打たれたときは態度に出ていたので、本当にプレッシャーのかかった場面で、どのぐらいのピッチングが見られるのか注目したい。いずれにしても、来年のドラフト候補として期待できそうだ。

(六日目 第三試合の感想)

一方打線の方は、別府青山の繰りだす3人の投手を捉えきれず苦しみ、僅か1得点。試合巧者の関東一としては、少々物足りない内容。別府青山は、完璧に中村に封じこまれ、好いところを魅せられなかった。それでも緊迫した一点差ゲームに持ち込んだのは、夏に向け大きな収穫になりそうだ。

<優勝予想>

昨日のツッィターにも書いたのですが、出場全校を観た中で強そうなのは、浦和学院・大阪桐蔭・愛工大名電・横浜高校の4校かなと感じました。そんな中、大阪桐蔭と浦和学院は2回戦を勝ち上がり、次に対決致します。私は、浦和学院有利だと評価しています。

しかし優勝予想は、横浜高校の完成度の高さと柳投手の精神力の強さを推したいと思います。事実上、その次に推したい愛工大名電は、順調にゆけば準決勝であたることになりそうです。横浜高校は、この後聖光学院戦など厳しい相手が続きます。それらをすべて撃破して、春の頂点に立つと予想しますが、どうなることでしょうか?

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2012年 選抜大会5日目第一・第二試合レポート

2012-03-26 00:56:00 | 状況説明
ちょっと遠くまで生観戦に行っていたので、甲子園の模様を観るのが遅れてしまいました。少しずつ確認したものからレポートして行きたいと思います。

第一試合 横浜高校 VS 高知高校

横浜高校は、昨年からエースとして全国を経験してきた 柳 裕也(3年)右腕。バランスの取れたフォームから135キロぐらいのストレートに凄みはないが、正確なコントロールで高知高校に全くつけいる隙を与えず完封勝利でした。

変化球は、カーブ・スライダー・チェンジアップ・フォークなどで、あまり派手さのある投手ではありません。しかし球速は昨夏と同じぐらいも、ワンランクストレートの球威が加わった気が致します。自分のペースをけして最後まで崩さない精神力の強さは一級品であり、まるでプロのローテーション投手のような投球です。意外とこういった投手が、プロに入ると、こんな凄い球投げるのなんて場合も少なくありません。この選手の底力は、相当なものがあるのではないかと思います。あえてドラフト的な観点で、今大会を通じてみても良いかなと思います。

打者では、初回に素晴らしい流し打ちを魅せた 拝崎 諒(3年)中堅手。一学年の上の乙坂(ベイスターズ)以上に強く叩けるスイングは魅力ですが、変化球に対してはどうなのかな? という疑問は感じました。その辺も含めて、もう少し見てみたい気が致します。

高知は、注目の和田恋(2年)三塁手や法兼駿(3年)遊撃手などの強打が、完全に柳の投球で封じられた形。いずれにしても、プロという凄みは感じませんでした。

(第一試合の印象)

横浜は、好投手・坂本優太(高知・2年)右腕の立ち上がりが不安定なところを突いて、すかさず先取点。坂本が調子を取り戻してからも、中押し点を加え、すべてに完成度の高い野球を魅せた。今日は出来過ぎだったのか?それとも、今年のこのチームはすでにこのレベルにあるのかはわからないが、ここ数年のチームでは一番の完成度ではないのだろうか。今大会の優勝候補・筆頭だと評価したい。

第二試合 聖光学院 VS 鳥羽高校

聖光学院の先発 岡野 祐一郎(3年)右腕は、評判通りの好投手。球速は135キロ強ぐらいだが、スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜ、ボール両サイドに集めるコントロールと、投球を上手くまとめる能力に長けます。ただボールがシュート回転して中に中に入ってくるので、少しでも甘くなると長打を喰らう可能性が高いのが気になりました。連戦で疲れが溜まってきた時に、どんな投球をするのか気になるところ。

打線では、両チームの1番と4番が目立ちました。聖光学院では、一番の斎藤 湧貴(3年)中堅手が、荒っぽいですが鋭いヘッドスピード。4番の園部 聡(2年)一塁手は、懐の深い構えから勝負強い打撃が光りました。

一方の鳥羽では、1番の 枝 勇樹(3年)一塁手が、引き手の強い強打が目を惹きました。またエースで4番の五味 拓真(3年)投手も、パワフルなスイングに魅力があります。

(第二試合の感想)

ドラフト候補と呼べるほどの選手はいませんでしたが、中々好ゲームでした。聖光学院も総合力のあるチームだと思います。組み合わせは把握していませんが、ベスト8ぐらいまで残れるかもしれませんね。今後の試合運び、ちょっと注目してみてみたいと思います。

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2012年 選抜大会4日目レポート

2012-03-25 21:41:00 | 状況説明
なんだか今日は、まだ全然選抜の模様が観られておりません。これから寝るまでの間に、確認した試合から、少しずつUPして行きたいと思います。

第一試合 北照 VS 光星学院

共に秋の神宮大会出場校。プロ注目の田村 龍弘(光星学院 3年)捕手は、あわやホームランのレフトへのファールや三塁線へのツーベースを放つなど、ヘッドスピードの鋭さ含めてドラフト候補の片鱗を魅せてくれた。ただ捕手としては平凡で、やはり将来的には他のポジションを担うのだろうなといった印象は否めない。どうしてプロ側の評価が、そこまで高いかわからない選手ではあるが、2回戦以降もアピールを続ければドラフトの有力候補であるのは間違いない

また今大会では4番を任された 北條 史也(3年)遊撃手は、北照の大串 和弥(2年)左腕の内角を意識させる投球に苦しみ、得意の外角打ちを上手く封じら持ち味を削がれた。再三転がってきたボールを捌く遊撃守備は、ちょっと余計な動きが多い気もあるが、安定したスローイングでカバー。次戦以降の内容に期待といった感じだった。

北照では、1番の吉田 雄人(2年)右翼手と5番の佐藤 星七(3年)遊撃手が気になった。ドラフト云々ではないが、次回見直す時は細かく観てみたい。

(第一試合の印象)

田村・北條のドラフト候補コンビは、派手な活躍は魅せなかった。ただ次戦もあるわけで、その辺で本当の真価が問われそう。彼等に関しては、スカウトも神宮大会で能力は把握済みなので、それほどこの試合の結果に左右されることはないだろう。

第二試合 地球環境 VS 履正社

地球環境の先発 漆戸 駿(3年)右腕は、テイクバックこそ小さめだが、ズシリと威力のあるストレートが印象的に。球速も130キロ台後半~MAX143キロと、想像以上のストレートを投げ込んできた。また100キロ切るようなスローカーブとのコンビネーションだが、腕の振りも緩むカーブが、上のレベルで通用するのかは疑問。その腕の緩みをわからないようにするための、テイクバックの小ささなのだろうが。ドラフト候補ではないが、このボリューム感溢れるストレートは、今後も長い目で注目してみる価値はあるかもしれない

履正社は、例年に比べると小粒な印象。それでも中軸には力がある選手が並ぶ。特に4番の小保根 誠(3年)一塁手は、実に力強いスイングをする選手。ミートポイントがズレて変な当たりが多かったが、しっかり捉えた時の打球をぜひ2回戦以降に期待したい。

(第二試合の印象)

ドラフト候補はいなかったが、地球環境が想像以上に良いチームだったのが収穫。夏もこの内容ならば、代表を期待できる好チーム。春季大会以後の奮闘ぶりも、気にかけてみたい。

第三試合 愛工大名電 VS 宮崎西

愛工大名電の先発は、高校NO.1左腕の呼び声高い 浜田 達郎(3年)左腕。神宮大会の時は、ただただ重い140キロ台中盤のストレートを投げ込む左腕といった感じだったが、今日は球速を135~140キロ程度に抑えて、コントロール重視の大人のピッチングに徹して魅せた。伸びやキレとは無縁なグワーンと吹っ飛んで来る感じだった球が、この試合では外角一杯にビシッとミットに突き刺さり見逃し三振を誘うキレが出てきた。またスライダーなども、ただ投げていただけだった感じだった神宮大会に比べると、左打者の外角低めのボールゾーンに意図的に落として、三振の山を築く。かなり大人しく爺臭いピッチングではあったが、課題であった投球のできる投手に変貌していたことに驚いた。大谷翔平(花巻東)や藤浪晋太郎(大阪桐蔭)投手が、昨年からの大きな上積みを感じさせない投球だったのに対し、秋の反省を生かし課題を見据え取り組んできたことを強く印象づけた。肉体の成長分も考えれば、恐らく本気で投げれば常時145キロ~後半ぐらいは連発できるキャパはあるだろう。それをあえてしないで、最後まで我慢して自分のピッチングに徹した精神力の成長は、ライバル達より一次元高いところでプレーしている印象を受けた。あと一歩で優勝を逃した神宮大会だったが、これで選抜制覇への準備は整った気がする。ドラフト1位は、確定的ではないのだろう。神宮大会では、緒戦よりも二戦目以降の方が内容が好かっただけに、次戦はもう少し球速の部分で魅せてくれるのではないのだろうか。

一方、チームの中心選手でありながら、神宮大会では故障で出場できなかった 4番の 佐藤 大将(3年)遊撃手も、ヒットを連発し存在感を示した。特に膝の送りが柔らかく、低めの球について行ける対応力が魅力。遊撃手としても、守備力・地肩共に基準以上なだけに、今後の試合も注目して行きたい好打者だった。ドラフト候補としては微妙だが、中央の大学で野球を続けて行く可能性は高そうだ

(第三試合の感想)

宮崎西は、堅守で好いチームではあったが、やはり優勝候補の愛工大名電相手は辛く地力の差が出てしまった。特に際だつ選手はいないが、4番の 原田 大輝(3年)捕手が、浜田を苦にせずにヒットを連発。打力のあるところを示してくれた。

名電は、やはり浜田・佐藤の2人が抜けており、ドラフト的な観点で見られるのはこの2人。特に浜田は、大人の投球を魅せてくれて、ただ速いだけの投手から脱却。冬の間に課題を見据え、積み重ねてきたものを実戦のマウンドで証明して魅せた。更なるパワーアップで圧倒すると思っていただけに、ある意味そのギャップに驚かされた試合だった。初めて観る人には物足りないかもしれないが、神宮大会での投球を知るものからすれば、逆に新鮮に感じられたのではないのだろうか。

第四試合 近江 VS 高崎

近江では、4番の藤原 隆蒔(3年)三塁手が、力で持って行く打撃で3安打。三塁手としても、動きがよく攻守に目立っていた。

高崎は、エースの島田 智史(3年)右腕は、球速こそ、125~130キロソコソコだったが、球速以上に感じさせる球の伸びがあった。

(第四試合の感想)

両チーム際だつタレントはいないが、近江には今日登板しなかった投手の中にも力のある球を投げる投手がいるとのことで次戦に期待。

高崎高校は、相手の守備位置をみてセーフティバントで揺さぶったりと、視野の広い野球を魅せていた好チーム。点差ほどの差は、両チームにはなかったのかなという印象だった。タレントがいなくても、組織力で勝つという高校野球らしいチームだった。

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2012年選抜大会三日目レポート

2012-03-24 13:59:00 | 状況説明
雨で一日順延になった、選抜大会三日目。今日も雨が降ったり止んだりの中、大会三日目が行われました。

第一試合 洲本 VS 鳴門

秋の四国チャンピンに輝いた鳴門の先発は、後藤田 崇作(3年)右腕。オーソドックスなフォームから繰り出すストレートは、130~135キロぐらいと驚くような球威・球速はない。変化球は、カーブ・スライダー・フォークなど一通りの変化球織り交ぜるごく普通の持ち球。しかしストライクとボールを微妙に出し入れできる制球力、抜きどころを掴んでいる投球術は、今大会でも随一と言えるぐらい内容。ただボール自体に威力がないので、打者を圧倒できるものがないのが惜しい。

一方の洲本の先発は、島垣 涼太(3年)右腕。こちらも185センチの長身から繰り出すストレートは130~137キロぐらいで、驚くような球威・球速はない。むしろボールゾーンを振らせるのが上手く、スライダーやフォーク系の球で三振を奪えるタイプ。カーブやボールを微妙に動かす球を織り交ぜ、癖球とキレの良い変化球で試合を組み立てる。ただ彼もストレートに凄みがないので、その辺がイニングが進んで行くと、相手に馴れられてしまうところが残念。

打者では、一年生から活躍する 杉本 京太(鳴門 3年)一塁手が、右方向に強烈な打球を飛ばし健在ぶりをアピール。その他、洲本の4番である飯田 卓也(3年)遊撃手も、鋭い打球に隙を突く走塁で存在感を示した。

(第一試合の感想)

ドラフト的な観点で言えば、両チームに候補と成り得る選手はいません。ただ後藤田・島垣の奪三振ショーは、持ち味こそ違えるど興味深いものがありました。試合の方は、延長までもつれる、好ゲームだったと言えるでしょう。


第二試合 作新学院 VS 倉敷商業

昨夏のベスト4メンバーが残った作新学院。旧チームから主戦として活躍した 大谷 樹弘(3年)右腕。大きく身体を振って投げるフォームなので、足場の悪いマウンドでは持ち味が削がれたのは確か。しかし三回ぐらいから投球テンポをあげ、自らのペースに相手を引き込んだ。速球・スライダー・シュート系の球を駆使したが、球威・球速は一冬越えても殆ど変わっておらず、少々残念な内容だった言えよう。夏には140キロ台前後は充分期待できるぐらいのパワーあると思うが、高校からプロというのは厳しいのではないのだろうか。足場がよくなるだろう次戦に、再度期待してみたい。

一方の倉敷商の 西 隆聖(3年)投手は、130~130キロ台中盤のストレート。スライダー・スピリットなどの変化球を織り交ぜるピッチングスタイルは、秋とほぼ同様。球威・球速もそれほど変わっておらず。一冬越えての大きな成長は感じられなかったのは残念。

また打者では、岡田 聖司(倉敷商 3年)一塁手も、秋に取り上げた1人。課題がどのぐらい改善されたかは、もう少し詳しく観てみないとわかない。ただ腕っぷしの強さを生かした打球の速さは健在だった。むしろ個人的には、再度詳しく観るときは、3番の 坂田 純一(3年)中堅手に注目してみたいと思う。

また作新学院は、強打者として注目の 高山 良介(3年)一塁手は、結果的に2安打放ったものの、イマイチバットの芯でボールを捉えれず。もう少し打席でも、リラックスして構えたい。むしろ打撃では、3番の石井 一成(3年)遊撃手の鋭い打球の方が目を惹いた。また2年生捕手の山下 勇斗 捕手は、的確なミートで存在感を示した。捕手としても中々好捕手だが、もう少し全身でボールを捕りに行って欲しい気がし、プレーに雑な一面があったのは資質が高いだけに残念だった。

(第二試合 の感想)

ドラフト的な観点で言えば、作新の大谷投手や注目の高山一塁手などが、高校からの指名は厳しいだろうなという印象を受けた。その他の選手も、大学タイプの好選手であり、ドラフト候補と呼べる選手はいない面子だった。ただ、もう少しグランドの好い状態で、次戦のパフォーマンスを観てみたい。そんな感想を、もった試合でもあった。

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2012年 選抜2日目レポート

2012-03-22 18:48:00 | 状況説明
ブログ先の事情で、中々更新作業に入れなかったことをお詫び致します。選抜大会二日目のレポートをお送りして行きたいと思います。

第一試合 女満別 VS 九州学院

女満別の先発は、下級生の時から北海道で話題になってきた 二階堂 誠治(3年)右腕。177/71の体格が示す通り中背の馬力型で、コンスタントに140キロ台を記録し、MAX144キロ。ボールの勢いは本物で、変化球もスライダー・チェンジアップ・フォークなどを織りまぜてくる。ただ初回に4失点するなど、強力打線の九州学院に、立ち上がりをつけ込まれた。右打者には、外角低めに小さく鋭く曲がるスライダーを集め安定しているものの、左打者に対してもコントロールが甘い。その辺を、全国レベルの九州学院は、逃がさず叩くあたりが、さすがだといえよう。二階堂は、ドラフト候補というより大学や社会人などでのレベルアップを期待したい。

一方の九州学院では、1年生の頃から全国の舞台を経験してきた 大塚 尚仁(3年)左腕が登場。こちらは球速も120キロ台後半~MAX136キロぐらいだが、ビシッとキレのある球は球速以上に感じさせる。変化球は、スライダー、スクリュー系に、カーブなど横の変化が中心。ただストレートが、比較的低めに集まるので、連打を許さない。フォームこそ違えど、投球スタイルは山本昌(中日)を彷彿とさせる。こちらも実戦的な左腕なので、強豪大学への進学が予想される。

打者では、一番を打つ溝脇 隼人(九州学院3年)遊撃手が、3安打の活躍。ただ意外に芯でボールを捉えておらず、個人的には結果ほど内容があるとは思わない。遊撃手としても平均的で、走力も中の上。典型的な、大学タイプの打者ではないのだろうか。

同じく1年生から活躍する左打者の萩原 英之(九州学院3年)中堅手の方がおススメ。こちらも変な当たりのヒットはあったが、しっかりボールを叩け振り抜けるスイングが魅力。売りは打撃だと言っていたが、中堅からのスローイングも強肩で、ドラフト候補としてマークできるとしたら、彼の方だろう。ただそこまで突き抜けたものがあるかどうかは、今後の試合なども含めて見極めて行きたい。

(第一試合の感想)

確かに好選手はいたが、大学タイプの選手が多かった試合ではないのだろうか。唯一ドラフト候補として言えるのは、萩原 英之(九州学院)。ただ左の好打者タイプの外野手は、プロで最も余剰気味になるポジション。そう考えると、よほど突き抜けたものがないと、指名までは厳しいのではないのだろうか。


第二試合 天理 VS 健大高崎

天理の先発は、下級生から活躍する 中谷 佳太(3年)左腕。球速は、130~135キロぐらいで、下級生の時とあまり変わっていない。ただ彼の場合、球威よりはキレで勝負するタイプ。その辺は、あまり気にしなくて良いだろう。変化球は、カーブ・スクリューなど。ストライクゾーンの枠の中にボールを集めることには苦労しないが、枠の中でのコントロールの甘さを改善できていない。まとまって使い勝手の良い投手なので、有力大学への進学の可能性は高そうだ。

試合序盤で交代した 山本 竜也(天理出身 3年)右腕は、オーソドックスなフォームから、コンスタントに140キロ前後のストレートを投げ込んでくる。変化球は、カーブ・スライダーを織り交ぜ、両サイドに球を散らせて打ち取って来る。けして悪い投手ではないが、上のレベルを意識するのならば、何か武器になるものが欲しい

健大高崎では、一番の 竹内 司(3年)中堅手の快足が目立っていた。確かに走力は本物だが、やはり打撃が弱いかなと言う印象。特に第一打席でレフト前にヒットを打ったあとの3打席の内容が悪かったですね。それでも、最終打席にセーフティバントで意地を見せてくれました。今後の試合で、もう少し守備・走力・打撃の能力を、正確に把握したいと思います。プロでも走れる選手は貴重だが、ドラフト候補といった凄みはありません。

またスカウト的に注目が集まったであろう選手は、天理の4番・吉村 昴祐(3年)遊撃手。188/82 の超大型ショートで、強肩・強打の遊撃手。この選手、大型だけにスピード感や細かい動きはできないものの、自分が捌ける範囲のボールに対しては、安定して処理するという特徴があるようだ。上のレベルの遊撃手としては厳しいだろうが、大型サードとしてならばアリだろう。今日は、あとの2打席でヒットを放ったが、それほど芯でキッチリ捉えた打球ではなく、打撃としてに関しては、物足りなかった。大型でパンチ力もあるが、監督が評するように広角に打ち返す中距離打者。ドラフト候補として、もう少し観てみたい気がするが、高校からプロに入るほどのパンチには欠けていた気がする

(第二試合の印象)

ドラフト的な観点で言えば、吉村 昴祐 を、もう少し追いかけるか、もうこれでいいと考えるかではないのだろうか。三塁ならばこなせる可能性と、この体格を生かし長距離砲として育成できる自信があるのならば、候補としてアリの選手なのかもしれない。ただ根本的な脆さは、将来的に何処まで改善できるだろうか?残念ながらあとの選手は、大学タイプの好選手。そんな印象を受けました。

第三試合 石巻工業 VS 神村学園

石巻工業の先発は、三浦 拓実(3年)右腕。オーソドックスな右の本格派で、常時135キロ前後~MAX139キロを記録。秋の東北大会進出に、攻守で中心的な役割を果たしました。変化球は、カーブ・スライダー・チェンジアップと一通りありますが、ボールのバラツキが目立ち、ストライクゾーンの枠の中での制球に課題を残します。特に身体が突っ込む傾向が強いので、その辺に日頃から注意して取り組んで欲しいところ。夏には、140キロ台の大台も期待できるかもしれません。

神村学園では、平藪 樹一郎(3年)左腕は、序盤球威のあるストレートと左スリークオーター独特のスライダーを生かし好投するも、中盤以降、一気に大量失点に。2番手登板した 柿澤 貴裕(3年)右腕は、少々腕が下がって出てくるのが気になるが、コンスタントに140キロ前後を刻み、MAX144キロまで到達。球威のあるストレートには、薩摩隼人らしい馬力が感じられた。カーブ・スライダー・シンカーなどを織り交ぜるが、要所の甘さが気になるところ。身体も一回り大きくなり、将来的には大学や社会人に進んで、150キロ級のパワーピッチをする投手に育つかもしれない。そのぐらいの、肉体の馬力は秘めている。イメージ的には、住金時代の投手・金城 龍彦(ベイスターズ)を思い出させる

野手では、神村学園の核弾頭・新納 真也(3年)中堅手に注目。一塁到達3.9秒台の俊足を生かし、この日は3盗塁を記録。打撃も、レフト方向に鋭い当たりを飛ばして魅せた。走力は本物だが、打撃・地肩なども含めてどうだろうか?もう少し、今後の試合でも、その能力を見極めて行きたい。

(第三試合の感想)

残念ながら、高校からプロに行くような候補はおりませんでした。ただ柿澤の馬力新納の走力は、上のレベルでも上位の資質を持っている。その辺を活かせるようになれば、上のレベルでも存在感を示すのではないのだろうか。

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