奥村 光一(西武育成6位)外野(BC武蔵出身)
蔵の入団前評価:☆(下位指名級)
指名の前年からBCリーグ選抜で注目されていて、ドラフト指名が期待されていましたが、指名漏れとなりました。それでもモチベーションを落とさず、リーグ屈指の成績を残して翌年ついに指名を勝ち取りました。特に指名された年には、走塁面での成長が際立っていました。そんな奥村選手のプロ1年目は、支配下登録を獲得し、一軍で45試合(79打数、打率.177、0本塁打、3打点、2盗塁成功・3盗塁失敗)を記録したものの、一軍の戦力とまではいきませんでした。一方、二軍では30試合(99打数、打率.242、2本塁打、9打点、13盗塁成功・1盗塁失敗)とまずまずの内容でした。一軍と二軍を合わせた178打数は、経験を積むという意味ではやや少ない印象です。ただし、西武には3軍もあるため、3軍戦に出場していたとすれば、その分経験を補えていた可能性があります。
走塁に目を向けると、二軍では13盗塁を成功させ、失敗はわずか1回と高い成功率を示しました。しかし一軍では2盗塁成功に対し3回の失敗があり、成功率に課題が残ります。守備面では、一軍・二軍合わせて失策がゼロと安定していました。ただ、24歳という年齢を考えると、一軍での打率.177は物足りなく、二軍での打率.242も期待を下回る結果と言えます。
二軍の打撃成績を詳しく見ると、99打数で三振は10個。三振率は10.1%と、基準となる20%以内を大きく下回っており、優れたコンタクト能力を示しています。つまり、振ったボールはしっかり当たり、見逃したボールは的確にボール球だったということでしょう。この点では、二軍のレベルに適応できていた可能性があります。また、四死球は10個で四死球率も10.1%と、基準の10%以上を満たしていました。それでも打率が.242にとどまったのは、ボールを見極める力はあっても、技術的あるいは筋力的な不足からヒットに繋げられなかったためと考えられます。24歳で体が出来上がっていることを踏まえると、やはり技術面に課題があったのではないでしょうか。
確かに一軍戦力としては物足りない数字でしたが、ルーキーイヤーに支配下を勝ち取り、育成6位入団であることを考えれば、決して悪くない1年目だったと言えます。能力自体は優れているため、それを結果に反映できる技術を身につけることが今後の課題です。
蔵の印象:△(悪くない1年目だった)