六畳間の中心で涙を流す NEW

ルーキー選手の、プロ入り一年目を振り返る

都市対抗5日目レポート

2011-10-26 01:14:00 | 状況説明
明日の第一試合で全チーム出揃いますので、大会5日目の第三試合のレポートは、そちらのスペースで発表させて頂きたいと思います。したがってこちらでは、今回は第二試合までのレポートになります。

第一試合 HONDA VS 三菱重工広島

HONDAの先発は、予想を反して 諏訪部 貴大(23歳・中越出身)投手。この投手、2年前のドラフトで中日から6位指名されるも、入団拒否してチーム残留。しかし昨年は、調子があがらず指名されず。今年もHONDAの試合を3,4試合観ても、登板する機会に出会えなかった。予選でも1試合に登板したのみで、まさか緒戦の先発を託され驚いた。

しかし立ち上がりから力んで制球が定まらず、ワンアウトも取れずに降板。元来は、低めにボールを集めて、フォークで仕留めるというまとまりがあるタイプだった。この日の球速は、135~MAX140キロぐらいと、ストレートはそれほど指名された年と変わらない。ただ当時では信じられないような荒れようで、降板となってしまった。ただこれは、一概に本人を責められない。なかなか試合でも投げさせてもらえない状況で、それでいてこの大一番での登板は、正直起用した首脳陣が悪い。恐らくオープン戦の内容が好かったとか、過去の実績を買ったのかもしれないが、あまり実戦経験が不足していたのではないのだろうか。今年の指名も、またお流れといった印象を持たざるないデキだった。

HONDAでは、最後に登場した 佐藤 達也(25歳・北海道東海大出身)右腕がプロ注目。昨年の都市対抗でも注目された投手だが、その球威・球速は社会人トップクラス。この日は、すべてストレートで押す内容。球速こそ常時145~MAX147キロを記録したが、ボールが荒れ荒れで制球が定まらず。昨年指名見送りをしたのは、ボールが空振りの誘えない球質の割に、高めに集まりやすかったこと。そして変化球レベルが、あまり高くなかったことだった。ただどうみても内容だけなら昨年の方がよく、この課題は春先での観戦同様に克服できているようには思えない。あえて今年になって、指名する理由は見あたらないのだが・・・

重工広島では、9番ながら若くしてスタメンを張る 松井 飛雄馬(20歳・江の川出身)遊撃手に注目。塁間右打者ながら4.35秒前後(左打者換算で4.05秒前後)の俊足に、軽快な守備は悪くない。ただ打撃では、この日は4打数0安打で、いいところがなかった。やはり指名となると、打力を中心に総合力が物足りない印象。来年に向けて、打撃の成長を期待。

HONDAでは、長島 一成(23歳・青学出身)二塁手が、3安打を気を吐いた。長島は、青学時代からいつも強い打球を放つ強打は目立っていて気になっていた選手。けして長距離打者ではないが、強い球足はピカイチ。青学時代は、三塁手としても危なっかしかった守備も、今や二塁をこなすまでに成長。ただプロとなると、総合力で物足りないか

第二試合 新日鉄広畑 VS バイタルネット

この試合の注目は、日ハムが指名を検討していると噂の新日鉄広畑・深水 崇弘(26歳・東亜大出身)右腕が、終盤に登場。常時140キロ台~MAX145キロのストレート中心に押すピッチングで、小さく横滑りするスライダーとチェンジアップのような沈む球を兼ね備えます。代わりっぱなはボールのバラツキが目立つなど、制球は荒れ球気味。特に昨年からの大きな上積みは感じません。

ただ右打者には、外角ギリギリにしっかりコントロール。左打者への制球が、アバウトになります。ただランナーを背負ってから、じっくり間合いを取り、相手打者をじらすぐらいにしてからボールを投げ込むなど、一見荒削りな投球の中にもクレバーな一面も覗かせます。けして悪い投手ではありませんし、下位指名ならば指名もありかもと思える部分があるのですが、昨年でも好かったんじゃねぇ?という疑問は残ります

もう1人面白かったのが、広畑の核弾頭・牡川 彰大(22歳・大商大出身)左翼手。こちらは、塁間を3.7~3.8秒で走り抜ける走力は、プロに混ぜてもトップ級・その快速を生かし、出塁すれば積極的に盗塁を試みます。打撃もセンターからレフト方向にコンパクトにはじき返します。ボールを転がす意識も持てており、なかなか好感が持てる選手でした。ただこの身体能力でレフトを任されているように、守備範囲は広いのですが、肩が弱いのがネック。またレフトフライも一つ一つチョンボをやらかすなど、守備でのアピールに欠けているところが気になります。その辺の事情で、育成枠あたりならば面白そうな選手ですが、企業チーム所属の選手なので指名は難しいかと思います。


都市対抗4日目レポート!

2011-10-25 12:09:00 | 状況説明
第一試合 JX-ENEOS VS 王子製紙

NEEOSの先発は、プロ注目の大城 基志(24歳・名城大出身)左腕。春先には、地元ベイスターズの上位指名候補と記事になった実戦派左腕。2回までは順調な滑り出しをした大城だったが、四球でランナーを背負うとリズムを崩し始める。また不運な当たりでランナーを出して一気に大量失点するなど、精神面に不安残る内容だった。

この日の球速は、120キロ台後半~130キロ台前半と驚くほど遅い。元々球威が無く甘く入ると怖いタイプだが、それでも135~140キロ台前半ぐらいは出せる投手で、明らかに球速不足といった内容。それでも内角を厳しく突く攻めに、大きく身体を振りながら緩いカーブやスライダーなど織り交ぜる、ギャップがこの選手の持ち味。ただ肝心のストレートが走らず、ランナーを背負ってから甘く入れば捉えられるのは当然か。ただ9月あたりで神奈川の秋季大会で見たときは、結構球が来ていたので調子が悪かった部分も否定できない。ただこの日の内容で指名がなくなるとは思えないが、上位指名の魅力がないのは否定できないだろう。プロでは明らかに劣る球威なので、繊細を損なったら終わりとなる。

二番手で急遽登板したのが、この秋・昨年の都市対抗覇者・東芝を完封して一気に評価を上げた 嘉弥真 新也(22歳・八重山農林出身)左腕。沖縄のビッグ開発というチームから、今年移籍してきた高卒4年目の選手。春までは、ソフトバンクの森福のようなスリークオーターで、常時130キロ前後~135キロ程度の独特の球筋を生かす技巧派だった。どうも腕の角度をあげたようで、常時135キロ前後出るまで球速を上げたが、その分球筋が平凡になり、スライダーのキレも鈍った。また制球も定まらないまま降板となる。春先から観てきて、指名となると時期尚早だろう。

そんな不甲斐ない投手陣のなか試合を締めたのは、投手に転向した 磯部 泰(23歳・修徳)右腕。修徳時代から大型打者として知られ、ENEOSに進んだ後も4番で試合に出ていたほどの期待の星だった。投手としては、意外なぐらいバランスの取れた投球をするのに、この春驚かされた。オーソドックスなフォームで、球速こそ130キロ台後半~140キロ台前半ぐらいと際だつものはないが、ボールに角度がありコーナーにしっかりコントロールして来る。更に独特の縦に割れるスライダーとチェンジアップを駆使し、相手に的を絞らせず安定。ただプロとなると何か突き抜ける特徴がないので、そういった決めて不足は否めない。これで常時140キロ台~MAX145キロ強ぐらいになれば、今のピッチングスタイルでもありだと思うのだが。もう一年ぐらい残留して、投球の底上げを期待したい。

最後に登板した 北原 郷大(23歳・亜大出身)右腕。徳島の穴吹高校時代からプロ注目の投手で、個人的にもその頃から観てきた選手。亜大時代に大病を患ったが、それを乗り越えて現役を続けてきた。すでに大学時代の好かった頃の球威・球速を取り戻しつつあり、この日は常時145キロ前後・MAX147キロの球威のある球を投げ込んでいた。ただボールのバラツキが目立ち、スライダー・シンカーなどの変化球の精度もまだまだ。来年の候補としてはマークできるが、指名されるのには課題克服が不可欠となろう。

王子製紙では、ロングリリーフをした小掠 健太(25歳・中京大出身)投手。球速こそ130キロ台後半~140キロ台前半程度だが、それ以上に存在感のある球を投げ込んで来る。またフォークも多投し、相手を翻弄するなどリリーフとして力のあるところを魅せた。ただ残念なのは、変化球がどれもドロンとして、プロレベルだと見極められるか、カットして粘られる可能性が高いこと。そのうちに細かいコントロールがない投手だけに、甘い球を痛打されることが想定されてしまう。どうしてもフォーク中心で、苦しくなると余計に投球が汲々となってしまうタイプ。けしてリリーフとしては悪い投手だと思わないが、25歳でこの完成度だと指名は厳しいだろう

第二試合 日本新薬 VS 東海理化

日本新薬の先発は、昨年のドラフト候補ルーキーの中村 駿介(23歳・亜大出身)右腕。186/93の恵まれた体格から、独特のテイクバックで投げ込んで来る速球派。球速は、常時140キロ~MAX143キロの球威ある球を中心に淡々と投げ込むタイプ。変化球は、スライダー・カーブ・フォークなどを織り交ぜ両コーナーを突きます。結構コースを突いた球でも、ボールが見やすいのか?打たれるのは相変わらず。ただ球威とコントロールがあるので、あまり痛手を喰らわず単打が多いのが特徴。来年のドラフト候補としてマークできる力はあるが、何か一捻り投球にアレンジを加えて欲しいところ

東海理化では、リリーフとして登場した 祖父江 大輔(24歳・トヨタ自動車)右腕が登場。小さめのテイクバックからピュッと来る感じのストレートは、コンスタントに145キロ前後を刻みプロ級の球を持つ選手。ただスライダーが抜けたり、フォークの精度も低く、ボールも見やすいのか単調になって打ち込まれるケースが多い。春のスポニチ大会でも、同様の印象は変わっておらず、個人的には評価してない。ただリリーフ2イニング目から、少し力みが抜けた投球で落ち着きを払えたのは収穫。こういった脱力した投球が身につけられれば、変わって来るかもしれない。球の勢いを評価して指名して来る球団もあるかもしれないが、現状は一辺倒な投手との印象は否めない。もう一年ぐらい残留した方が良いのではないのだろうか

野手では、日本新薬の核弾頭・福田 泰平(24歳・近大出身)外野手の走力が際だっていた。足はプロでも武器にできるぐらい、絶対的なスピード感と盗塁センスがある選手。今日の試合だけでは、守備・地肩・打撃によくわからなかった部分もあり、次戦も観てから評価は決めてみたい。ただこの走力は、アマでも屈指レベルなので、ドラフトでは指名してくる球団があっても不思議ではないだろう

第三試合 JR九州 VS JR東海

この試合の注目は、JR九州の先発が 一岡 竜司(19歳・沖データコンピューター学院)右腕という無名の若手投手だったこと。オーソドックスな右上手投手ながら、常時145キロ前後(MAX147キロ)のストレートの勢いは素晴らしいです。しかしボールのバラツキが顕著で、フォーク・スライダーなどを投げるも、その球で仕留めきれるほどのものはありません。現状は、ストライクゾーンの枠の中に、ストレートを投げ込むだけといった感じです。また牽制はともかく、ランナーの警戒は緩く、フィールディングなどにも課題を残します。社会人などに進んで、もう少し基礎的な部分を学んで欲しいですね。指にかかった時の球は素晴らしく、素材としては魅力的なので。

あとは、ベテラン中心の起用であり、ドラフト的には見所にかける試合でした。


都市対抗3日目レポート!

2011-10-24 11:09:00 | 状況説明
都市対抗のレポートも3日目、少々昨日は観戦が遅れてしまいましたが、UPして行こうと思います。第一試合は、54年ぶりの完全試合で湧きました。

第一試合 JR東日本東北 VS 三菱重工横浜

三菱重工横浜は、ウチから一番近い社会人チームで時々足を運ぶグランド。そのため今年、もう5回以上観ているのではないのでしょうか?正直目新しいものはありませんでした。しいて言えば、こちらの先発・亀川 裕之(法大出身・31歳)左腕も、なかなか素晴らしい投球だったということでしょうか。

この試合は、なんと言ってもその重工横浜から、JR東日本東北の森内 寿春(26歳・青森大出身)右腕の完全試合につきます。森内は、球速こそ135~MAX142キロぐらいでしたが、ボールがよくキて完璧なぐらい外角一杯に集めていました。右打者には、速球とスライダー・左打者には速球とシンカーのコンビネーションと単純な配球。それでも全くつけいる隙を与えなかったのは見事です。

またこの森内、予選の3試合・13イニングも無失点で防御率 0.00。何かを掴んだのかもしれません。ただこれだからプロと言われると微妙なところで、確かに今の投球を常時できれば、プロでも活躍できるのかもしれませんが、震災のモチベーション・都市対抗ならではのアドレナリンなど、まさにMAXの集中力を発揮している気が致します。年齢・球速・コンビネーション含めて、もう少し慎重に検討したいなあと言うのが個人的な感想です。それまでの物足りなかった森内を、長年観てきているのもありますから。

第二試合 JR東日本 VS 富士重工

この試合の注目は、社会人で最も注目されている 十亀 剣(24歳・日大出身)右腕の投球でした。十亀は、立ち上がりは力みが感じられたものの、常時145キロ前後~MAX149キロのストレートを低めに集める勢いと、それが最後まで衰えない馬力はさすが。ドラフト上位候補の呼び声高いのも頷けます。

ただ結構力んでしまう癖があり、更にスライダーが甘く、変化球レベルが低いのが総合力で物足りません。細かい駆け引き、投球術を使えるタイプではないので、あくまでもストレートで押すリリーフ向きの投手かと思います。なんとかなく 斎藤 信介(中日)や 増淵 竜義(ヤクルト)なんかのアマ時代を彷彿とさせます。統一球ならアバウトでも、球に力があれば誤魔化せる部分もあり、リリーフなら使えるかなという印象でした。ハズレ1位ぐらいで消えるとは思いますが、社会人でも完成度は高くありません

もう1人この試合で注目だったのは、同じく日大からJR東日本に入社して2年目の 縞田 拓弥(24歳)遊撃手。こちらは、打順は7番・守備も堅実なタイプで派手さはありません。しかし一歩目の判断がよくスピード感溢れるフットワーク、状況を冷静に判断でき、地肩も強い遊撃守備は、プロでも充分遊撃手としてアピールできる選手。ただ守備で魅せる判断力の高さが、打撃で活かせないのは残念。全く打てない選手では元来ないのですが、予選から不調を引きずっていて、この試合でもランナーがいる場面で、一塁ファールフライを2度あげるなど進塁すらさせられませんでした。そういったことが求められるタイプだけに、この辺は大きなマイナスポイント。ただきっちり守れる遊撃手が欲しい球団は、指名してくるかもしれません。ただ個人的には、打撃がレベルを満たさない選手は評価しませんのでノーサンキューです

第三試合 ヤマハ VS パナソニック

この試合の注目は、来日5年目で今年プロ解禁となる フェリペ・ナデル(25歳)右腕。大きなテイクバックから、130キロ台~MAX144キロと驚くような球速はありません。ただ腕がよく振れており、球速以上にボールが来る感じがする実戦的な球質。また変化球も130キロ台後半のカッターと縦スラを駆使し、ボールもコーナーに散らせます。

今まで外国人の血筋で、ここまでお尻を一塁側に落とせ、重心を沈ませるフォームの投手を観たことがありません。まさに日本人より日本人らしい投球をする投手です。ただフィールディング・牽制・クィックなどのレベルは低く、セットポジションになると制球が甘くなる欠点があります。そういった部分を、もっと追求して欲しいところ。それでも今年指名されると思います。高い順位ではないと思いますが、中位~下位でのプロ入りを実現できるのではないのでしょうか

タイブレイクまでもつれこんだ試合ですが、あとはドラフト云々という観点では、物足りない試合ではありました。


都市対抗2日目レポート

2011-10-23 01:36:00 | 状況説明
この試合は、第二試合の模様だけ後日録画放送となっております。したがって、その部分だけ後で、補充しておきたいと思います。

第一試合 住金鹿島 VS 三菱重工名古屋

この試合の注目は、投手よりもむしろ野手にありました。住金鹿島の一番・福盛 陽平(26歳・徳山大出身)遊撃は、安定した遊撃守備と俊足・好打と三拍子バランス取れたプレーヤー。今日は、センター前・レフト前で打力のあるところをアピールできましたが、打球は9回に飛んできたぐらいで、まともにボールを処理する場面がありませんでした。平均して中の上タイプだけに、その辺が決め手に欠けるきらいもあります。また年齢的に少し高いので、指名までこぎつけられるかは微妙でしょう。

むしろ注目度では、今日は9番を打っていた 小島 脩平(24歳・東洋大出身)二塁手の方。常勝軍団・東洋大の中心選手として活躍してきた選手。柔らかいリストワークと広い守備範囲のセカンド守備が魅力。今日は、センター前に2本はじき返す打撃と守備でファインプレーを魅せ存在感を示した。ただ彼もプロとなると、あと一歩パンチに欠ける部分があり、二塁手がどうしても欲しいという明確な球団がないと指名は微妙そうだ。

三菱重工名古屋では、一番で出場した 山田 晃典(24歳・専修大出身)中堅手。金沢高-専修大と進んできた三拍子バランスの取れた好選手。ボールに逆らわない打撃と、広い守備範囲を生かした中堅守備が魅力だ。ただ彼も、図抜けたものがないだけに、指名となるとパンチ不足かなという印象は受ける。

投手は住金に補強されたルーキーの 大場 達也(22歳・鶴見大出身)右腕が来年の候補として注目。183/75 の均整の取れた体格から145キロ前後(MAX146)の角度のあるストレートを投げ込んで来る。カーブ・スライダーなども織り交ぜるが、フォークとのコンビネーションが主。ストレートの球威はあるものの、あまり空振りを誘える球質じゃないのと、フォークの精度がまだまだ不十分。制球も荒れ気味で、あくまでも素材型の域は大学時代同様に脱していない。ただ大舞台を経験してきていないキャリアだけに、雰囲気に馴れた次戦の投球に期待したい。

第二試合 NTT東日本 VS 四国銀行

この試合でドラフト候補となると、NTT東日本で最後に出てきた 末永 彰吾(24歳・帝京大出身)右腕。175/65と小柄な投手なのですが、常時145~148キロの質の良いストレート投げ込みます。やや力みから制球がバラついていましたが、スライダーやフォークのキレもよく、同じ腕の振りで振れるのが魅力です。特にピンチでも内を突くのを厭わないハートの強さがあり、プロでもリリーフしての活躍が期待されます。リリーフ投手を捜している球団にお勧めしたい投手。すでに春の観戦で、☆☆ を付けてます。

第三試合 NTT西日本 VS セガサミー

NTT西日本の先発は、ドラフト候補の 安部 建輝(25歳・近大出身)右腕。入社一年目のスポニチ大会で観た時は、翌年上位指名でプロ入りするかと思えた投手でしたが、その後調子を崩しましたが。しかし3年目のスポニチ大会では復活し、私自身☆☆投手です。非常に身体が付きがガッチリし、ボールにボリューム感がついてきました。微妙な制球力がなかったのですが、ボールは甘いところに入らなかったのと、統一球向きな球威があり、少々甘くても球威で押し込んでしまうところがあります。更に精神的に弱い部分があったのですが、ランナー背負って動じなくなり精神的な成長を感じます。追い込んでからはフォークで空振りも取れますし、悪いなりの投球ができるようになってきました。今年は、指名の大いなるチャンスだと思います。

またスポニチ大会で☆☆を付けたNTT西日本の核弾頭・梅津 正隆(25歳・九州共立大出身)遊撃手も光りました。第一打席では、9球投げさせる粘って出塁。2打席目には、外角高めのストレートを逃さずレフト前に。また一歩目の速いスピード感のある守備も健在で、三拍子バランスの取れたプレーヤーと高い野球センス・鋭い意識の持ち主。あまり話題になりませんが、個人的には大学・社会人含めて、この選手がNO.1の遊撃手はこの選手だと思います。

セガサミーでは、ルーキーの 大山 暁史(23歳・亜大出身)左腕が先発。168センチと小柄な左腕なのですが、ボールに勢いとキレがある、MAX144キロまで到達した力投派。制球は粗いのですが、来年のドラフト候補に浮上してきました。春先よりも、だいぶ速くなった気が致します。

また社会人では、今一番ビックリするような本塁打を打つ セガサミーの4番・九十浦 拓哉(24歳・東洋大出身)一塁手は、一安打に終わりアピールというほどではありませんでした。ツボにハマッタ時の本塁打は、社会人屈指なのですが、一塁というポジションも考えると、指名は厳しそう

リリーフで登場した 鷺宮製作所から補強された 高橋 広志(24歳・國學院大出身)右腕は、MAX146キロの球威のあるストレートを披露し、あっと言う間に1イニングを抑えました。もう少し観てみたかったなあという感じの内容。ただ関東選抜リーグでも今年観ているのですが、球速ほどボールが来ないタイプで、変化球の精度もイマイチなので、総合力でどうかなと言うのが春までの印象でした。

今日素晴らしかったのは、セガサミーの最後に登場した 木村 宣志(28歳・東北福祉大出身)右腕。スリークオーターから、非常に伸びのあるボールを投げ込んできます。コンスタントに145キロ前後(MAX147キロ)を記録し、球の勢い・質では、今まで投げた投手では一番でしたね。元々は、セガサミーのエースとして活躍した先発タイプの投手のイメージが強かったのですが、リリーフでこんな速い球を投げるとは思いませんでした。28歳と年齢はいっていますが、今すぐ一軍のリリーフで活躍できるレベルにあると思います。非常に、即戦力を望む球団としては、面白いのではないのでしょうか。


都市対抗初日レポート!

2011-10-22 20:23:00 | 状況説明
東日本大震災のため、真夏の祭典である都市対抗野球大会が、今年はドラフト直前のこの時期に開催。会場も、いつもの東京ドームではなく、大阪ドームの開催となった。そこで今回は、いつものように有力選手の感想をレポートして行きたい。

第一試合 東芝 VS 三菱重工神戸

昨年のディフェンディング・チャンピオン・東芝が開幕戦から登場。東芝の先発は、社会人4年目の新垣 勇人(26歳・横浜商科大出身)右腕。新垣は、昨年大卒3年目で指名へのラストチャンスとばかり、スカウトたちから注目されるも結局指名されず。今年は、完全にドラフト戦線からは、過去の人になりつつあった。しかしこの試合では、以前よりもテイクバックを小さく取ったフォームで好投。改めて力のあるところを見せつけた。

新垣は、常時140~MAX144キロ程度と、昨年の145~後半を連発していた頃に比べると、やや球速は落ちた。しかしドラフト指名というプレッシャーから解放されたのか、低めを丁寧に突くピッチングが目立つ。変化球もカーブ・スライダー・フォークなどを織り交ぜ、見事にコントロール。特に今日は、ボール球を上手く振らせ3安打完封とナイスピッチングだった。ひょっとすると、この投球で指名を打診して来る球団が出てくるかもしれない

三菱重工神戸は、2回から注目のドラフト候補・守安 玲緒(24歳・富士大出身)右腕が登場。少々担ぎ投げのフォームから、球速は135~MAX140キロ程度、丁寧に投げている印象。変化球は、スライダー・チェンジアップを織り交ぜる配球。ストレートの走りがイマイチで、代わりぱなは高めに甘く入る球を痛打されていた。徐々に落ち着きを取り戻し、3回以降は東芝打線から1安打しか許さなかった。

今年のドラフト有力候補と注目された投球であったが、球の威力はもうひとつ。また武器である縦の変化もドロンとしており、プロの打者では見極められそう。投手としての、まとまりはあるものの、総合力で物足りない印象のままドームをあとにした。果たして今年指名があるのか?注目したい

野手では、社会人で最も注目を集める野手・安達 了一(23歳・東芝)遊撃手が、3番打者として出場。遊撃手としては、それほど軽快ではないがソツなくボールを処理していた。打撃では、3打数0安打に終わったものの、センターフェンスギリギリの大飛球を打つなど強打者の片鱗は垣間見せた。相変わらず外角のスライダーへの脆さは感じさせたものの、外角を突いたストレートならば、ボールをきっちり叩ける能力があることを改めて確認。打球の強さも社会人ではトップクラスであり、指名は間違いない存在。あとは、どのぐらいの順位で指名されるかということだろう。私の評価は別にしても、3巡目までには指名されるのではないのだろうか。

第二試合 東京ガス VS 伯和ビクトリーズ

東京ガスの先発は、ルーキーの石川 歩(23歳・中部大出身)右腕。大学の下級生の頃から、ドラフト候補として注目された逸材。非常に細身の体格ながら、球速は130キロ台後半~MAXで143キロぐらいまで記録。ブレーキの効いたカーブをアクセントに使いつつ、鋭く沈むチェンジアップを武器にする。春の関東選抜で観た時よりは、球速を増した印象はある。ただこの投手、勝負どころで甘くなる傾向があり、この部分を改善して行かないと苦しいだろう。ただ素材型という感じではなく、牽制・フィールディング・クィックなども鋭く、普段のコントロールも悪くない。大学時代注目される中、最終学年でアピールできなかったのは、その辺の勝負弱さにも原因があったのではないのだろうか。

伯和も先発は、ルーキーの中元 勇作(23歳・近大工学部出身)左腕。こちらは、左スリークオーターから繰り出す130~135キロぐらいのストレートに、カーブ・スライダーなどを織りまぜてくる。独特の球筋には特徴があるが、プロ意識するのには球威・球速不足は否めない。

むしろ興味深かったのは、倉敷オーシャンズから補強した二番手の 田原 誠次(22歳・聖心ウルスラ学園出身)右腕。こちらは、右サイドなら打者の外角一杯に投げ込むコントロールが素晴らしい。外角に、ストレート・カーブ・スライダー・シンカーなどをキッチリ集めて来る精度の高さと出し入れできる投球術が自慢。また「間」をしっかり意識したマウンド捌きも一級品。球速も130キロ台後半~MAX141キロぐらいだったが、すでに高卒4年目にして完成されている投手との印象を受けた。今後の上積みや球威・球速面の物足りなさはあるものの、今すぐファームに混ぜても数字が残せそうなぐらいの力がある。ただそこから一軍を目指すには、何かもう一つ欲しいかなという印象だった。今大会の貴重な掘り出しものではないのだろうか?

故障さえなければ、ドラフト指名も濃厚だった東京ガスのルーキー・山崎 雄飛(23歳・中央大出身)右腕も最後に登場。球速は、130キロ台後半~MAX140キロ程度だったが、ボールに角度と球威を感じさせ、低めに集めることができていた。変化球は、カーブ・スライダー・フォークなどがあり、特に苦しくなると縦の変化を多投する。両サイド・低めの制球力は高いのだが、苦しくなるとフォークを多投する汲々とした投球を避けるためにも、もう少し投球の幅を広げて行きたい。来年は、石川と共にドラフト候補として注目されそうだ

第三試合 日本生命 VS 七十七銀行

日本生命の先発は、ドラフト候補に名前があがる 海田 智行(24歳・駒大出身)左腕。オーソドックスなフォームから、130~135キロの一見何の変哲もない左腕。ただ右打者内角クロスを厳しく突きつつ、外角一杯にコントロールできる配球で関西地区ではルーキーイヤーから大活躍してきた。変化球は、左腕らしいカーブとスライダーなど、けして球種も多くない。ただプロとなるとパンチ不足な上、日本生命からプロ入りとなると、よほど好条件でなければ入団しないだろう。そう考えると、長く社会人で活躍といった経歴をたどることになりそうだ

七十七銀行では、2番手に昨年のドラフト候補と注目された 阿部 博文(23歳・東北学院大出身)右腕が登場。球速は、130キロ台後半~MAX143キロとそれなり。カーブ・スライダーと織り交ぜるオーソドックスなスタイル。これまで何度か観たことがある投手だが、それほど際立つ球があるわけでもなければ、ストレートが上吊る傾向も強く総合力で物足りない。ただイニングを重ねるにつれボールに勢いを増し、個人的には今まで観た中では一番良かった気がする。ただ来年までには、何か武器になる球が欲しい

日本生命では、ルーキーの藤井 貴之(23歳・同志社大出身)右腕が登場。こちらは、志望届けを提出していたら、指名されていただろう力の持ち主。球速は、130キロ台後半~MAX141キロと、大学時代に比べると物足りない内容。独特の手元で動くクセ球に、カーブ・スライダー・チェンジアップなどを織りまぜてくる。コントロールも荒れているように見えるが、適度には散っていて的が絞り難い。ただこの選手も、来年のドラフト候補と言うよりは、長く社会人でという道をたどるのではないのだろうか

七十七銀行は、最後に日本製紙石巻から補強されたドラフト候補の沖山 勇介(23歳・中央大出身)右腕を投入。スリークオーターから繰り出す常時130キロ台後半~MAX146キロのストレートは、今日一番の球速表示。他にもスライダー、フォーク系の球を投げ込んでくる。ただこの投手、かなりボールがバラつき、甘い球が多かったり、四球を出すことも少なくない。そのため今日は、その悪い部分が出て、勝負どころで痛打された。

スポニチ大会時には、素晴らしい魂のこもった球を投げ込み圧巻の内容だった。しかしこの大会中に東日本大震災が発生。所属する日本製紙石巻の工場も大きな被害にあい、活動もままならない日々が続いた。そういった練習にも打ち込めない日々が続いた中での、今回の登板は考え深い。ある意味こういった投手ではあるが、ストレートに関しては、かなり割り引いて考えて欲しい。スポニチ大会の時は、気持ち乗っていて、ちょっと前に飛びそうもない球を投げていたので。いずれにしても馬力は素晴らしいが、このアバウトさと今日の内容からも、上位で消えることはないだろう。指名濃厚と言われる素材だが、中位~下位での指名になるのではないのだろうか。果たしてプロでは、どんな活躍を見せることになるのだろうか。ただプロ入り後は、全くダメという危険性も秘めている。