六畳間の中心で涙を流す NEW

ルーキー選手の、プロ入り一年目を振り返る

2021年ルーキー回顧71 佐藤 宏樹(慶応大)投手

2022-02-28 12:58:00 | 状況説明
佐藤 宏樹(ソフトバンク育成1位)投手 (慶応大出身)

蔵の入団前評価:未確認

ダイナミックなフォームから投げ込む、ロマン溢れる素材型左腕でした。しかし、最終学年は肘の手術などで登板なく終わり、未確認 扱いとしました。ドラフト後にも、トミー・ジョン手術行い、今年の復帰を目指していると言います。

本人のTwitterなどをみると、すでに打者相手に投げたりしているようなので、今季の実戦復帰は間近なようです。そういうことを覚悟の上の指名だったと思うので、球団としては想定の範囲だったのでしょう。しかし、ことルーキーとしては評価のしようがなく、残念な一年目だったということになりそうです。今季の飛躍を、期待してやみません。

蔵の印象:✕ (まずは実戦復帰を)



2021年ルーキー回顧70 三好 大倫(23歳・JFE西日本)外野

2022-02-27 10:49:00 | 状況説明
三好 大倫(中日6位)外野 (JFE西日本出身)

蔵の入団前評価:指名見送り

三本松時代は、投手として寸評を作成したことのある選手でした。社会人でも投手として入社しましたが、社会人4年目に野手になりプロ入りを実現しました。守備・走力は中の上ぐらいでしたが、個人的にはあまり打撃で特徴を見いだせず指名見送りにしたと記憶しております。詳しくは、上記の氏名をクリックして頂き、当時の寸評が自由に読めますのでご確認くださいませ。

そんな三好選手の一年目は、一軍の出場はなし。二軍では 89試合(216打数) 3本 16点 10盗(5失)打率.208厘 といった成績でした。

社会人出身ですが、社会人に所属していた選手なので本会議の一番最後に指名。力量的には、限りなく育成枠に近い評価でのプロ入りだったのではないかと当時記しました。そんな中、89試合・216打数 を経験できたことはまずまず。ただし、年齢を考えると、打率.208厘は、高卒ルーキーの目安をやっと越えたぐらいと物足りません。

3本塁打・16打点の成績からは、特徴が少し見えにくい印象を受けます。むしろ10盗塁を記録し、盗塁成功率が.66.6% とそれなり。盗塁成功率を足に売りにするのには、70%以上に引き上げたいところです。守備は外野手として、84試合で3失策ということで少し気になりますが、極端に悪いわけではありませんが。

打撃成績をもう少し詳しくみてみると、216打数で56三振。三振比率は、25.9% とやや高い傾向にあります。まずは、三振比率を 20%以下にしないと、なかなか一軍は見えて来ないかと。それだけ振ったバットが、なかなかイメージどおりにはボールに当たらなかったということだと考えられます。

四死球は18個で、四死球率は 8.3% と平均的。特にボールが見えなかったとか見極められなかったわけではないのですが、10%以上がひとつ目安になります。そういった意味では、ボールが特別見えていたわけでも無さそうですし、ボールを捉える技術にもまだまだ課題が残った形。2年目以降、何処まで数字を伸ばして来られるかは微妙です。

ただし強烈な打球には目を惹くものがありますし、内部の評価はけして低く無さそうです。ことルーキーイヤーとしては、ちょっと物足りないものであったことは否めませんでした。2年目の飛躍に、期待したいところです。

蔵の印象:△ (どうやって特徴を出して行けるか?)



2021年ルーキー回顧69 谷川 唯人(立正大淞南)捕手

2022-02-26 12:34:00 | 状況説明
谷川 唯人(ロッテ育成1位)捕手 (立正大淞南出身)

蔵の入団前評価:指名見送り

ディフェンスに関してはドラフト級と評価していた選手で、癖のあるスイングが少し時間がかかりそうだったので、 は付けなかった記憶しています。特に、ワンバウンド処理の上手さは、全国でも屈指ではないかと評価していました。

そんな谷川選手の一年目は、二軍でも僅か4試合で1打数無安打といった成績に終わります。調べてみると、入団してすぐに経験の無い腰の痛みに襲われ、ヘルニアの手術を。シーズン最後に、公式戦にデビューしたという形だったらしい。

フェニックスリーグの模様を少し見たが、その影響なのか?捕球時にポロポロする場面は正直気になった。この選手のディフェンスの中でもキャッチングを一番評価していただけに(詳しくは、氏名をクリックすると当時の寸評が自由に読めます)。ただし、盗塁関しては7回中3回捕殺するなど、送球ではアピールする形となったようだ。

こと一年目としては残念だったが、2年目のシーズンにはどんどん実戦経験を重ねてゆくことを期待したい。

蔵の印象:✕ (まずは実戦慣れすることから)



2021年ルーキー回顧68 中野 拓夢(24歳・三菱自動車岡崎)遊撃手

2022-02-25 12:17:00 | 状況説明
中野 拓夢(阪神6位)遊撃 (三菱自動車岡崎出身)

蔵の入団前評価:☆☆(中位指名級)

遊撃の守備については、充分プロで通用すると観ていました。また走力はあったのですが、インステップして踏み込むために、一塁到達タイムが遅れがちな選手ではありました。バッティングもインサイドアウトのスイング軌道でミート力は高かったのですが、プロ仕様のしなりを生かしたスイングではなかったので、何処までプロの球に対応できるかは懐疑的な見方はしていました。

そんな中野選手の一年目は、一軍で 135試合(466打数) 1本 36点 30盗(2失) 打率.273厘 と、野手ながら一軍でレギュラー、それも遊撃手としてこなした点は極めて高く評価できます。例年ならば、充分に新人王クラスの内容でした。

遊撃手として2割7分以上も見事なのですが、特筆すべきは30盗塁を決め失敗は僅か2個という盗塁の成功率。守備率もショートとして、.970厘 と、信頼できるショートの基準を満たす安定感を誇りました。

打撃に関してもう少し詳しくみてみると、466打数で81三振と、三振比率も17.4%。一軍で20%以下は、かなり優秀だと言えるでしょう。それだけ振ったバットが、イメージどおりにボールを捉える機会も多かったのではないのでしょうか。

四死球は40個で、四死球率は8.6%と平均的。そのため出塁率も、.321厘 とそこまでは高くありません。ボールの見極め・選球眼という意味では並で、むしろ積極的に打ちにゆくことで、打率を残していたのかもしれません。

いずれにしても、守備・走塁は充分ぐらい。心配だった打撃も、想像以上に対応できていました。こういった成績を、今後も維持・向上させて行けるかは課題ですが、ことルーキーイヤーとしては文句なしだったと評価できます。

蔵の印象:◎ (6位でこの活躍は見事)



2021年ルーキー回顧67 ブランドン 大河(東農大北海道)三塁手

2022-02-24 12:16:00 | 状況説明
ブランドン 大河(西武6位)三塁 (東農大北海道出身)

蔵の入団前評価:未確認

彼を始めてみたのは、沖縄の石川高時代。140キロ台のボールを投げる、投手兼遊撃手として活躍していた。東農大北海道に進んでからは、強烈な打球を放つ強打の三塁手として下級生から存在感を示す。ただし、最終学年でのプレーが確認できなかったので、未確認扱いに。下級生の内容からも、最終学年のプレーを見られていたら  (下位指名級)の評価はしただろう選手でした。

そんなブランドン選手の一年目は、一軍で 32試合(81打数) 3本 8点 0盗(0失)打率.247厘と、一定の存在感を示せました。二軍では、66試合(216打数) 10本 30点 3盗(2失)打率.273厘 をマーク。

まず、一二軍合わせて 98試合(297打数)を経験できたことは、高く評価できるところです。特に、一軍でも3本塁打を放ち、存在感を示せました。

二軍の成績を参考にみてみると、大卒野手の目安である、2割5分越えを達成。資質は高くても、粗い部分はあった選手なので、想像以上の対応力でした。長距離打者ではないのですが、二桁本塁打に到達するなど、パンチ力のあるところも示せています。

走力はあっても、走塁を全面に出してくるプレーヤではないので、3盗塁2失敗は想定の範囲内か。守備では、一塁手として27試合(守備率.986厘)、三塁手として30試合(守備率.954厘)と、一塁と三塁を担っていたことがわかります。信頼できる三塁手の守備率は、.960厘 ですから、やや物足りないものがあったということでしょうか。寸評にも記載しましたが、キャッチングの精度があまり高くないと書いたように、むしろ守備率がこのぐらい済んだのは想定以上だと言えるのかもしれません。

打撃成績をもう少し詳しくみてみると、216打数で36三振と、三振比率は16.7%と優秀。いつも言うように、三振比率の目安は20%以下なので、振ったバットがかなりイメージ通りにボールを捉えることが多かったのではないかと。そのへんは寸評でも、見た目以上に対応力があると書いたところが出た形かもしれません(氏名をクリックするとアマ時代の寸評が自由に読めます)。

四死球は30個で、四死球率は 13.9% 。これも目安が10%以上であり、ボールもしっかり見極められていたことが伺えます。ボールも見えていたし、イメージに近くボールを捉えることができていた。そのため打率も、.273厘とまずまず。むしろこれだけ四死球率や三振比率からすれば、3割ぐらい打っていても不思議では無さそう。逆にボールを捉えてからの技術や、ボールを捉えるまでのアプローチに課題が潜んでいるのかもしれません。

いずれにしても、新人野手としては充分合格点の与えられる内容。2年目のさらなる飛躍、一軍での活躍を期待したいところです。

蔵の印象:◯ (最終学年は良く見られなかったが想像以上)