六畳間の中心で涙を流す NEW

ルーキー選手の、プロ入り一年目を振り返る

2015年ルーキー回顧110 田村 丈(関西学院大卒)投手

2017-05-29 22:09:00 | 状況説明
田村 丈(DeNA育成3位)投手 (関西学院大卒)

蔵の入団前評価:未確認

関大北陽商時代は、大阪屈指の素材ということで大阪まで観に行ったことがある選手。しかし関西学院大に進んでからは伸び悩み、卒業時にはDeNAのプロテストを落選。しかしトレーニングジムなどに通い、一年後テストを経て合格という苦労人。

そんな田村の1年目は、二軍で 8試合(22イニング) 2勝1敗 防御率 4.09 ということで、二軍よりもフューチャーズに派遣されていることの方が多かったのではないのでしょうか。高校時代のスケール型というイメージとは違い、今は適度に使い勝手の良い投手という感じになっていました。

もう少し数字を詳しく見てみると、22イニングで被安打は22本と同数。これを80%以下にできるようだと、一軍も意識できるようになるでしょう。四死球21個もあり、そこまでコントロールが悪い感じはしていませんでしたが、コントロールを気にするあまり四死球を連発していたのでしょうか? これもイニングの1/3以下ぐらいに抑えないと一軍は見えてきません。奪三振は14個で、1イニングあたり0.64個と平均的。これもリリーフで決め手があるとなると、0.9個以上取れていないと決め手不足になります。各ファクター隔たりがあり、防御率が4点台だったのも致し方ないでしょう。

今年はすでに7試合に登板(19イニング)で、防御率1.89 と大幅に改善。確かに3月ぐらいに見たときは、ボールの勢い・安定感なども悪くありませんでした。相変わらず四死球が多めなのは気になりますが、昨年に比べればかなり改善。何より被安打が10本しかなくなり、被安打率が52.6% に収まり、ファームレベルでもかなり優秀なのがわかります。こういったピッチングを続けて行ければ、支配下登録、一軍も見えて来るかもしれません。今年でクビかもと思っていましたが、嬉しい誤算になっています。ことルーキーイヤーとしては、育成3位にしては使えていたものの、大卒+1年浪人の年齢を考えると、やや物足りない内容。そういった意味では、及第点ぐらいの1年目だったのではないのでしょうか。

蔵の評価:△ (2年目の活躍を維持して欲しい)



2015年ルーキー回顧109 杉本 裕太郎(JR西日本)外野

2017-05-25 22:20:00 | 状況説明
杉本 裕太郎(オリックス10位)外野 (JR西日本出身)

蔵の入団前評価:未確認

青学時代は、その長打力と強肩を含めた高い身体能力で、非常に目立つ存在でした。JR西日本に進んでからのプレーがちゃんと確認できなかったので未確認となりましたが、映像を見る限り相当いじって粗さを解消しようという意図が感じられる選手でした。

そんな杉本の1年目は、1軍で僅か1試合・3打席で0安打に終わります。2軍では48試合・124打数で 3本 11打点 0盗塁(1失敗)打率.226厘 という数字に留まります。ドラフト10位とはいえ大卒社会人であることを考えると、1年目からある程度一軍半ぐらいの位置付けぐらいにはなって欲しかったというのが率直なところでしょうか。

二軍でも打率.226厘は、根本的な粗さが解消できなかったことがわかります。もう少し数字を詳しくみてみると、124打数で三振は24個。三振比率は、18.5% となります。これは振ったバットがどのぐらいボールを捉えることができるかのコンタクト能力を示しますが、20%以下であれば、一軍を意識できる数字で悲観することはありません。

しかし四死球は6個であり、四死球率は、4.8%であり、これはかなり低いと言えます。四死球比率は、10%を超えると優秀だといえますが、5%を切るようだとボールが見えてるのか眼の悪さが心配になります。この辺が、打率の低さにも繋がっているのかもしれません。

コンタクト能力は平均レベルなのですが、ボールを見極める「眼」のほうがついていってないとなると、今後が心配ではあります。しかし2年目の今年は、二軍でここまで22試合に出場し、打率.286厘とまずまずの対応力。むしろホームランが1本で、長打力を示せていないことの方が気になる部分です。いずれにしてもルーキーイヤーとしては、やや物足りない内容で及第点といったところでしょうか。

蔵の印象:△ (一軍でのチャンスを掴みたい)



2015年ルーキー回顧108 西濱 幹紘(星城大)投手

2017-05-24 08:55:00 | 状況説明
西濱 幹紘(中日育成4位)投手 (星城大出身)

蔵の入団前評価:未確認

東海地区では、有力候補の一人としてマークされていました。秋に愛知遠征をした時に、午前中にスカウト達はこの選手を視察し、それを終えてから私が観戦していた瑞穂に移ってきたのを覚えています。そのへんで、指名が確定したのではないのでしょうか。

そんな西濱選手ですが、1年目はウエスタンでの登板はなし。基礎体力・基礎技術習得に時間を割き、プロアマ交流戦などで僅かに登板したのみの一年でした。大学時代には、愛知リーグの二部ながら最優秀防御率やイニングを上回る奪三振を誇っていました。課題は、コントロールのアバウトさと淡白な投球術にありました。

2年目の今年も、二軍での登板なしと順調さを欠きます。これだけ登板がなかったのは、単に基礎体力・基礎技術不足だけでなく、肘の調子がおもわしくなかったとの話しも。早期の復活・そして二軍での初登板を願わずにはいられません。いずれにしてもルーキーイヤーとしては、評価のしようがないというのが、率直なところでしょうか。

蔵の印象:✕ (まずは実戦で投げないことには始まらない)



2015年ルーキー回顧107 松本 直晃(25歳・香川OG)投手

2017-05-22 15:20:00 | 状況説明
松本 直晃(西武10位)投手 (香川OG出身)

蔵の入団前評価:指名見送り

150キロという触れ込みでしたが、実際みると140キロがやっという感じの投球がほとんどで、ギャップが激しい投手でした。それでも好調時には140キロ台を連発していた投球も見たことがあるので、出したこともあるのかな?という片鱗は感じてました。一軍を意識するのには辛いものの、二軍ならば1年目からある程度やれるのではないかと評価していました。

そんな松本投手の1年目は、1軍で2試合 2回2/3 で無失点で抑えます。二軍では、28試合 3勝4敗0S 防御率 4.50 という平凡な内容で終わります。

もう少し数字を細かく見てみると、44イニングに登板して被安打は50本でイニングを上回ります。一軍を意識できる被安打率は、80%以下ですから、かなり総合力で開きがあることがわかります。 四死球は26個であり、59.1%。基準のイニングの1/3以下(33.3%)の倍数近い数字であり、コントロールに課題があることがわかります。三振は14個で、1イニング0.32個(平均0.65個ぐらい) と、相当少ないことがわかります。そのため、決め手不足であることも露呈しました。これでは、防御率も4.50というのも頷けてしまいます。

すべてのファクターが、一軍を意識するのには大きな開きを感じます。もう少しファームでやれるかと思いましたが、想像以上に厳しい1年目となりました。やはり普段の物足りな140キロ前後の投球が中心では、二軍相手でも苦しかったのでしょう。総合力を引き上げ、好い状態をいかに長く持続できるか? 今のままだと、早期の退団の可能性も否定できません。ルーキーとしては、ある程度の経験は積めたので及第点はつけようと思います。2年目の今年は、まだ一軍登板はなく、二軍でも防御率6点台と苦戦しています。

蔵の印象:△ (一軍が見えて来ない)



2015年ルーキー回顧106 山田 大樹(菰野)投手

2017-05-20 08:50:00 | 状況説明
山田 大樹(楽天育成2位)投手 (菰野出身)

蔵の入団前評価:指名見送り

高校時代は、強打の投手と知られ、プロ入り後は野手に専念。特にボールの呼び込み方が上手い打撃には見るものがありました。その反面、守備・走塁への不安もありましたが、育成枠ならば個性を生かしての指名もありなのかと思っていました。

そんな山田の1年目は、ファームでも僅か1打席でノーヒットに終わるなど、もっぱら三軍扱い。よくわかりませんが、フューチャーズなどに派遣されていたのではないのでしょうか。すでに2年目の今年は、2軍で12試合に出場し、打率.167厘 という成績ながら、独特のリストワークを活かした打撃で期待されているのではないかと思います。

ファームでの守備位置を見る限り、一塁と外野ということで、守備位置が一つネックになっていることは間違いないでしょう。守備勘はともかく、投手として140キロ台のボールを連発していたことを考えると、地肩が強いのは間違いないと思います。今年の成績を見る限り、数少ない守備機会では、いずれも失策は記録していません。

高卒ルーキーということで判断は難しいのですが、二軍でも1試合しか出場できていないなど、結果的には残念な1年目だったと判断します。しかし足元を見据え、それが2年目以降良い方へ傾くことを期待してやみません。

蔵の印象:✕ (1年目も足場固めが生かせれば)