六畳間の中心で涙を流す NEW

ルーキー選手の、プロ入り一年目を振り返る

2014年 ルーキー回顧49 金平 将至(東海理化)投手

2015-01-31 14:05:00 | 状況説明
金平 将至(日ハム5位)投手 (東海理化出身)

蔵の入団前評価:指名見送り

高岡第一時代から北信越では知られた存在で、高校卒業後は社会人の東海理化に進みます。指名された春のスポニチ大会では、左腕ということもありスカウトたちの目の色が違っていました。その時は面白いボールを投げるも、まだまだ荒削りで都市対抗を観てから最終的な評価をしようと思ったのですが、都市対抗で投げる機会のないまま終えてしまいました。いずれにしても、一年目からバリバリ一軍でという、そういった完成度はありませんでした。

そんな金平の一年は、一軍で 6試合 0勝0敗0S 防御率 10.50 という数字でした。ファームでは、28試合 0勝4敗5S 防御率 4.22 という数字に。いずれにしても、一年目から充分通用したとはいえない成績です。

もう少し二軍の成績を詳しく見てみると、32イニングを投げて被安打は24、被安打率は75% と一軍を意識する数字です。こうやってみると、球威・コンビネーション等、そういった部分では一軍を意識するものがあったことがわかります。問題は、26個の四死球があるところ。特に、32イニングで6個の死球は多いのではないのでしょうか? 四死率は、81.3%に昇り、基準がイニングの1/3以下であることを考えると、完全にノーコン左腕であったことが伺われます。ここまで行くと、ストライクが入る入らないというレベルを通り越し、打席に入っている打者ですら危険を感じるほどだったのではないかと想像します。奪三振に至っては39個いにも昇り、1イニングあたり 1.22個 というイニングを遥かに上回るペースで三振を奪えていました。このことからも、ボールの威力は二軍レベルではなかったものの、コントロールはプロレベルではなかったことがわかります。

今後いかにこの制球力を改善できるのかがポイントでありますが、コントロールを重視するあまりボールの威力が半減するようだと、この選手の持ち味が出ません。確かに東海理化時代も荒っぽい投手ではありましたが、そこまでのノーコンではなかったように思います。もう少し環境に馴れた2年目は、ボールがまとまることを期待します。高卒社会人とはいえ物足りない数字ではありますが、ボールの威力がプロでも通用する(ただし1軍では6イニングで13安打)ことがわかっただけでも、明るい材料ではあります。そう考えると、及第点は与えても良い一年だったのではないのでしょうか。ただしニ軍と一軍では全然成績の傾向も違うので、一軍のマウンド馴れすることも、より求められる2年目となりそうです。

蔵の印象:△ (素質の片鱗は伺えた)

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2014年 ルーキー回顧48 奥村 展征(日大山形)内野

2015-01-29 17:35:00 | 状況説明
奥村 展征(巨人4位)内野(日大山形出身)

蔵の入団前評価:指名見送り

けして悪い選手ではないのですが、高校からプロに入るには走攻守すべてにおいて微妙なレベルであり、私は指名リストから名前を外した選手です。入団1年目を終えたところで、相川のFA移籍に伴う人的補償で、僅か一年でヤクルトに移籍することになりました。

そんな奥村の一年目は、イースタンで 86試合 2本 20打点 1盗塁(0失敗) 打率.212厘 という成績でした。86試合・283打席を無事経験出来たことは、彼の今後を考えると大きかったのでは。また打率は、高卒ルーキーの目安である2割超えは達成。ホームラン2本・1盗塁 という数字からは、現時点で特徴は見えてきません。

守備では、二塁手として78試合(守備率.974厘)、遊撃手として2試合(守備率.923厘)という数字が残っています。巨人一番のネックである、次代の二塁手として将来を期待していたことが伺われます。ちなみに二塁手として.974厘という数字は、高卒ルーキーとしては合格点。そうじゃなくても、平均的な安定感はあったといえます。二塁の守備は、思いの外一年目から、通用したという感じでしょうか。

と数字だけみていると、高卒ルーキーとしては及第点を与えられない内容で、この経験が今後に生かせるかどうか、まさに2年目が大事なシーズンになりそう。そんな矢先の移籍ということで、果たしてどうでるでしょうか。

蔵の印象:△ (際立つ特徴は見出せなかったが悪くはなかった)


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2014年 ルーキー回顧47 古川 侑利(有田工)投手

2015-01-27 19:11:00 | 状況説明
古川 侑利(楽天4位)投手 (有田工出身)

蔵の入団前評価:指名見送り

高校時代は中々見ることができず、甲子園に出てきてくれたことは非常に嬉しかったのを覚えています。投打に馬力を感じさせる素材だったのですが、あと一歩まとまりというか粗さが目立ち、高校からプロに入るの時期尚早だったのではないかと評価した選手です。

そんな古川選手ですが、一年目から一軍で2試合・2イニングほど投げて 防御率 4.50 と今後に向けて貴重な経験が出来ました。ファームでは、15試合 3勝1敗2S 防御率 3.57 の成績を残しました。高卒ルーキーとしては、防御率3点台は、合格点を与えられる数字だと思います。

もう少し詳しく見てみると、二軍で 35回1/3を投げて、被安打は37とイニングを上回っているのは気になります(目安はイニングの80%以下)。まだまだ一軍を意識するのには、配球・ボール威力など何かしらの課題があるはずなのですが、彼の場合は開きが早く合わされやすいフォームにアマ時代から原因がありました。それがまだ、充分に改善されていない可能性があります。四死球は11個で四死球率は31.2%であり、基準である33.3%以下に抑えたのは想像以上にコントロールにまとまりが出てきました。高校時代は、イマイチ大事なところでビシッと好いところに決まらなかったのですが、この辺は成長の跡があるのかもしれません。

奪三振28個であり、1イニングあたり0.79個と、基準である0.8個以上には僅かに及びませんでした。しかしアウトの多くを、三振で奪えている投手だということは間違いありません。もうワンランク、ウイニングショットに磨きがかかって来ると、一軍も見えて来るかもしれません。

こうやって見てみると、課題は合わされやすい被安打の多さということになります。中々これを改善するのは難しい課題なのですが、ここをクリア出来れば、他のファクターが高い数字を残しているので、一軍も見えて来る気は致します。こと一年目としては、充分合格点を与えられる内容であり、私の評価以上の内容を魅せてくれました。これを、年々積上あげて成長して行けるのか、今後も注目してゆきたいと思います。

蔵の印象:◯ (想像以上の数字を残した一年)


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2014年 ルーキー回顧46 梅野 隆太郎(福岡大)捕手

2015-01-25 21:56:00 | 状況説明
梅野 隆太郎(阪神4位)捕手 (福岡大出身)

蔵の入団前評価:☆☆☆

一軍貢献ポイント:5ポイント

抜群の長打力・強肩・俊足の高い身体能力を持っており、野手としての才能を高く評価した選手。その一方で、捕手としてのプレースタイルが雑で、適正に疑問を持っていました。個人的には、さっさと外野手にしてしまえと思っており、☆☆☆ の高い評価をしたのは、あくまでも外野にコンバートすることが前提でした。

そんな梅野の一年目は、決め手に欠ける捕手事情もあり、若手捕手として抜擢されます。一軍でも 92試合 7本 21打点 0盗塁(1失敗) 打率.197厘 という数字でした。

捕手という難しいポジションながら、ルーキーで92試合は立派。打撃に関しては、7本のホームランを放ち打者としての片鱗を魅せ、思いの外打率が低かったものの、今後に期待を持たせる内容だった。

またディフェンス面も、コーチとのマンツーマン指導もあり、雑だったプレースタイルもだいぶ改善されたのかもしれません。更に捕手別防御率をみても、1位の鶴岡こそ防御率 3.02 と図抜けていますが、梅野・4.02、清水・4.28、藤井・4.25 と、鶴岡に次ぐ捕手としては、一番まともな防御率を残します。年齢なども加味すると、今後も一軍捕手を担いつつ、レギュラーを狙える位置にいるという評価も、なるほどうなずけます。

個人的には、根本的な部分での改善は厳しいと考えているので、捕手としての起用は回り道だなとは思いますが、チーム事情などを考えると已む得ないのかなと思える部分も。早くまともな捕手を獲得して、外野にコンバートさせてあげてくださいとは思いますが。しかしことルーキーとしては、合格点の与えられる一年ではないのだろうか。問題はこの経験を、2年目以降に積み上げて行けるかだろう。通常の成長曲線を描けば、2年目の今季はレギュラーになることになりそう。

蔵の印象:◯ (攻守に粗い部分残るが、2年目に更なる飛躍)

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2014年 ルーキー回顧45 金子 一輝(神奈川・日大藤沢)遊撃

2015-01-25 06:55:00 | 状況説明
金子 一輝(西武4位)遊撃 (日大藤沢出身)

蔵の入団前評価:指名見送り

まだまだ安定感に欠ける部分はあったのですが、将来プロでも上位級の遊撃手になれる可能性を持ったディフェンス力が自慢。しかしその一方で、プロで改善が望むのも厳しいぐらいの、打撃の弱さがネックだった選手。

そんな金子の一年目は、ファームでも 67試合 0本 1打点 0盗塁(0失敗).145厘 という成績で、想像どおり、いやそれ以上に打てませんでした。

自慢の守備でもやはり安定感はイマイチで、67試合で8失策(守備率.948厘)。この手のタイプにしては、走力も並なのもあり、盗塁も0個でした。

将来的には、守備を売りにしつつ、打撃を最低レベルまで引き上げるという作業になると思います。それが出来るのかどうか? 個人的には、それは難しいというのは彼に対する判断であり、指名見送りの評価となったわけですが・・・。2年目以降の彼の進化にも注目しますが、ことルーキーといったことでは、ある程度の経験を積めたということで、及第点としたいと思います。

蔵の印象:△ (この経験活かして行けるか)


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