六畳間の中心で涙を流す NEW

ルーキー選手の、プロ入り一年目を振り返る

2017年ルーキー回顧86 飯田 大祐(26歳・HONDA鈴鹿)捕手

2018-02-27 16:05:00 | 状況説明
飯田 大祐(オリックス7位指名)捕手 (HONDA鈴鹿出身)

蔵の入団前評価: (下位指名級)

プロ入りのピークは、解禁となった24歳ぐらいではなかったかと思いました。しかし2年間の間に、インサイドワークなどのディフェンス面では安定感を増していました。打撃に関しては、やや劣化傾向にありましたが。いずれにしてもレギュラーを担うというよりも、チームの捕手層を厚くするとか、競争を煽るための人材だと評価していました。

そんな飯田の一年目は、一軍では 3試合(2打席)で、打率.000厘二軍では41試合・0本 10打点 0盗塁(0失敗) 打率.228厘 という成績に留まります。

二軍では39試合で捕手として出場していますが、一番出場していたのが若手とはいえない伏見の57試合というのが気になります。すなわち、新人の飯田よりも中堅の伏見の起用を優先させたという部分。それだけディフェンスの信頼も、伏見の方が若手投手と組ませるのには良いと評価されていたからでしょう。26歳という年齢も考えると、かなりチームでの位置づけも微妙であるように感じます。

もう少し数字を詳しく見てみると、101打数で26三振ですから三振比率は25.7%。一軍を意識するのであれば20%以下が望ましいので、コンタクト能力を引き上げないと厳しいだろうということ。

四死球は15個で、四死球比率は14.9%。これは10%以上が目安で有り、15%超えるとかなりボールを見きわめる「眼」を持っていた可能性があります。ようは、ボールは見えていたけれど、振ったバットが当たらない。すなわち、技術的な部分で欠陥を抱えていた可能性があるということです。

この辺からも、もっと打撃成績を改善して行ける可能性は秘めています。しかし若い捕手も入って来ていますから、年々出場機会も減って来る可能性があります。そういった中で、いかに結果を残せるのかが課題ではないのでしょうか。捕手というポジション柄、打撃の比重は低いのもありますので、ことルーキーイヤーとしては及第点の1年目ではなかったのでしょうか。

蔵の印象:△ (アピールしないと出場は減ってゆく)



2017年ルーキー回顧85 長井 良太(つくば秀英3年)投手

2018-02-26 11:12:00 | 状況説明
長井 良太(広島6位指名)投手 (つくば秀英出身)

蔵の入団前評価:未確認

高校時代は、確認する前に早々敗れてしまい未確認のまま終わってしまった投手です。一部映像からレポート作成しましたが、投げ込まれるボールの威力は地方敗退組のなかでも屈指のものがあるのではないかとみていました。

そんな長井投手の一年目は、一軍登板なし。2軍では、15試合 2勝2敗0S 防 9.86 という数字でした。高校時代もボールは凄いけれど、なかなか勝ち上がれないタイプの投手でした。

もう少し数字を詳しくみてみると、21イニングを投げて30安打。被安打率は、142.9%と完全にイニングを上回っています。彼の場合、ボールの威力ということが原因とは考えられませんので、合わされすいフォームやコントロールにその原因があると見られます。

四死球は19個であり、四死球率は 90.5% 。一軍への目安が、投球回数の1/3以下なので、その三倍近いペースで四死球を出していることがわかります。すなわち、コントロールが相当やばいということ。

奪三振は23個であり、投球回数を上回っています。これは、基準を満たしています。ボールの威力は、プロの二軍相手でも文句なしということなのでしょう。特に高校時代のフォームを見る限り、合わされやすいということもなさそう。そういった意味では、やはりコントロールの甘さが打たれている原因なのではないかと。

秋には150キロ台を有に超えるボールを連発していたそうで、さらなるパワーアップにも成功したとか。そういった意味では、2年目の飛躍が期待される一人です。こと1年目の成績だけみていると、全然プロで通用していないじゃんという残念な成績。しかし奪三振率に可能性を感じさせ、秋季キャンプの話を訊く限りは、数字をほど悲観しなくても良いのかもしれません。そのためルーキーイヤーとしては、及第点の評価にしておきます。

蔵の印象:△ (2年目の飛躍に期待)



2017年ルーキー回顧84 郡 拓也(帝京3年)捕手

2018-02-25 09:18:00 | 状況説明
郡 拓也(日ハム7位指名)捕手 (帝京出身)

蔵の入団前評価:指名見送り

捕手としての適正としては買っていませんでしたが、内野手としては身体能力が高く面白いとは思っていました。ただし野球への意識含めて、高校からプロに入る「旬」だったのかには疑問を持った選手です。

そんな郡選手の一年目は、1軍で 1試合・一打席を経験したものの.000厘という内容。二軍では、72試合(196打数) 2本 20打点 6盗塁(4失敗) 打率.183厘 という成績でした。

ハムらしく200打席以上を経験させるということで、72試合に出場し216打席に出場。捕手としても、チームトップの59試合に出場しています。そういった意味では、無事経験を積めたことは良かったのではないかと。

2本・20打点・6盗塁などは、だいたい高卒ルーキーと彼のアマ時代の技量を考えると、想定の範囲内。高卒野手の目安であり、打率2割越えはできませんでしたが、ドラフト7位の捕手であることを考えれば、こんなものなのかもしれません。

もう少し詳しくてみてみると、197打数で42三振ということで、三振比率は 21.3% 。これは20%以内が1つ一軍への基準なので、若干多めになっています。それだけ振ったバットが、なかなかボールを捉えることができなかったということでしょう。

また四死球は15個で、四死球率は 7.6% とまぁ標準的。8%前後ぐらいが、ほぼ平均的なイメージで、10%以上だとボールを見きわめる「眼」を持っている可能性があります。

こうやってみてみると、三振比率・四死球率ともに、若干物足りなかったことがわかります。この辺が、打率.183厘という物足りない成績に終わった要因ではないのでしょうか。

この選手は、そういったコンタクト能力よりも身体能力に非凡なものを持っているタイプ。それだけに、しっかりボールを捉えられるようになったら面白いと思います。ポテンシャルは高い選手ですが、捕手としての将来性は買っておりません。数年後は、内野手にコンバートだとみていますが、どうなっていることでしょうか? ルーキーとしては、及第点の1年目だったと評価します。

蔵の印象:△ (潜在能力が2年目に開花するか?)



2017年ルーキー回顧83  尾仲 祐哉(広島経済大4年)投手

2018-02-24 09:44:00 | 状況説明
尾仲 祐哉(DeNA6位指名)投手 (広島経済大出身)

蔵の入団前評価:☆☆ (中位指名級)

身体は小さかったのですが、無理をしなくても140キロ台後半を叩き出せるスピード能力。変化球のキレ・まとまりなども適度にありリリーフならば即戦力になり得るかもという期待がありました。しかその一方で、速球が高めに浮くなどのコマンドの甘さ・下半身が上手くリードできないフォームなどをみて、1年ぐらいは下で漬けないとダメかなと思ってプロ入り後は見ていました。

そんな尾仲の1年目は、1軍で11試合・1勝1敗0S 防 6.52 と即戦力とはなれず。しかし二軍では、25試合 1勝0敗5S 防 1.38 と抜群の安定感を誇りました。

もう少し二軍の数字を詳しくみてみると、32回2/3イニングを投げて被安打は20本。被安打率は、61.3% と素晴らしい数字を残します。一軍を意識できるどころか、被安打率としては一軍に定着できるレベルにあります。

四死球は6個で、四死球率は 18.4% 。これも基準である投球回数の1/3以下どころか、その半数近い高い制球力を誇ります。奪三振は46個にのぼり、1イニングあたりの奪三振は 1.41個とプロとしては脅威的です。これならば、防御率も 1.38 なのも頷けすべてのファクターで1軍レベルの選手です。

しかしファームでは無双していましたが、一軍では10試合以上登板しての6点台。実際の投球を見ていても、もう一皮向けないと一軍定着は難しいなというのが率直な感想でした。

1年目からこれだけの数字をファームで残せば、かなり有望株ということになっていたはず。それでもプロテクトから外れたということは、球団も期待はしていたものの、今後の伸び代という意味では若干の不安を抱えていたのではないかと考えられます。

阪神に人的補償で行ってからも、それほど評判が聞かないのは残念なところです。しかし、もう二軍ではやることないだろうという成績の選手なので、シーズン中に何かしらの形では上がって来るのではないのでしょうか。育成力のある阪神だけに、一軍で物足りないものをきっと埋め合わせてくれるでしょう。ことルーキーとしては、即戦力にはならなかったものの、二軍での成績が素晴らしかったので、合格点の1年目ではなかったのでしょうか。

蔵の印象:◯ (さらなる上積みができるか?)



2017年ルーキー回顧82 種市 篤暉(八戸工大一3年)投手

2018-02-23 09:31:00 | 状況説明
種市 篤暉(ロッテ6位指名)投手 (八戸工大一出身)

蔵の入団前評価:未確認

高校時代は、まともに試合を見られず一部動画を確認できただけの選手でした。しかし秋の台湾ウインターリーグでの投球を見る限り、思ったほど速球に勢いがない投手なのだと感じました。この辺が、ドラフト6位まで残っていた要因かもしれません。

そんな種市選手の1年目は、一軍登板はなし。実は、2軍でも1試合に投げて、1イニングに投げただけ。0勝0敗0S 防 0.00 という成績に。しかしこの試合では、落差の大きなフォークで3奪三振を奪い公式戦デビュー。

ちなみに台湾ウインターリーグでも5試合に出場し、6イニングを無失点に抑えます。実際の投球を見ると、130キロ台中盤~140キロぐらいの速球の威力は物足りませんし、細かいコントロール・変化球の精度も発展途上といった感じはします。

まずは、2年目となる今年はイースタンで出場を増やすこと。一年間そういった中で、どのぐらいの数字を残せるかではないのでしょうか。リーグ戦での実戦は殆どないのは気になりますが、ウインターリーグでの好投や、デビュー戦の3三振の内容を評価して、及第点の1年目ではなかったのでしょうか。

蔵の印象:△ (まずは二軍で実績を)