野口 智哉(オリックス2位)遊撃 (関西大出身)
蔵の入団前評価:☆☆(中位指名級)
ショートとしては上手くはなかったのですが、丁寧にプレーしようとする姿勢が感じられ、強打の二塁手・三塁手として活躍できれば好いかなと思っていました。とにかくバットが振れる選手で、打球はあまり上がらないのですが、強烈なヘッドスピードと打球の速さがアマでは光っていました。そんな野口選手の一年目は、一軍で 54試合(155打数) 1本 6点 0盗(1失) 打率.226厘 といった成績でした。二軍では、45試合(155打数) 4本 20点 4盗(3失) 打率.245厘 と、あまり変わらない成績に。
まず、一二軍合わせて 99試合で310打数 を経験できたことは評価できます。二軍で打率2割5分のルーキー野手の目安はクリアできなかったのですが、一軍でもそう変わらない打率.226厘をマークできているので、その点はあまり気にしなくてもと。本塁打・打点・盗塁数 などからは、あまり特徴が見え難いところはあります。一軍では、二塁手として19試合(守備率.970厘)、三塁手として4試合(守備率.900厘)、遊撃手として20試合(守備率.973厘)、外野手としても18試合に出場し、守備率.952厘 とマーク。ユーティリティプレーヤーとして起用されましたが、守備的に合格点なのは、本職だったショートの.973厘 ぐらいで、あとはイマイチ信頼性は高くなかったようです。ということで、現状の守備力のままだと、ユーティリティプレーヤーとしては物足りません。
一軍の打撃成績をもう少し細かく観てみると、155打数で56三振。三振比率は、36.1%(二軍では 31.6%)、とかなり高めです。けして長打で魅了する選手ではないので、一軍でも三振比率は25%以内ぐらいには抑えたいものです。それだけ当たると思ったバットが、思い通りにはボールが捉えられなかったということでしょう。四死球も12個で、四死球率は 7.7%(二軍では 20%) と平均的です。ただし、二軍での四死球率は極めて好いです。積極的にボールを振ってくるタイプなので、ボールを見極められていなかったかどうかは微妙ですが、二軍の投手相手にはしっかりと見極められていました。そのため二軍では、打率.245厘でも、出塁率では .371厘 。一軍でも二軍でも、出塁率が3割5分越えていれば上位ランクの能力の持ち主ですので。ただし一軍では、ボールも見えていなかったし、ボールもそれほど捉えられていなかった。そういった意味では、期待込みでルーキーだから起用されていたという側面は否めません。
ゆえに、今年ぐらいの守備や打撃であれば、年々出場を減らしてゆく可能性があります。二軍での四死球率がホンモノかどうかは、一軍のスピード・キレに慣れた2年目にハッキリしてくるのではないのでしょうか。とりあえずルーキーイヤーは、高卒の野手が多いチーム事情に、刺激を与えるという役割は多少なりともできたのではないかと。内容的には、可も不可もなしといった一年目だったように感じます。
蔵の印象:△ (二軍での四死球率がホンモノか?)