紅葉の季節が始まりましたので、かねてから訪れたいと思っていた涸沢ヒュッテに行ってきました。
週末とあり大変な人出でしたが、それはそれは見事な紅葉でした。スタート地点の上高地は
まだまだ緑が優勢でしたが、標高が上がるにつれて色付きが増し、ヒュッテの周りは正に最盛期。
百名山一筆書きで有名な田中陽希さんもヒュッテに来ておられました。そういえば、登山途中で
日の丸のマークをつけた筋骨逞しい男性が私たちをスイスイと追い抜いてまるで駆け抜けるような勢いで
登っていった人がいましたが、あれが田中さんだったようです。記念に一緒に写真を撮ってもらいました。
その後、彼は紅葉の景色の中で自撮りをしていました。
それにしても、前穂、奥穂、涸沢岳、北穂を眺めながらの紅葉は感慨深いものがあります。
来年はあの峰々の上に立ちたいという思いがこみ上げてきます。
翌朝にはかすかですがモルゲンロートも見ることができました。
登山道は素晴らしくよく整備されていて歩きやすい道でした。ガレ場も道なりに平らな石が敷き詰められていて
登山者に優しいコースだと思いました。片道6時間ですが初心者コースとされている所以かな。
翌朝は6時前にヒュッテを発ち、お昼には上高地に戻りました。帰りのバスの時間までかなり余裕があったので、
皆でウエストンのレリーフを見に行きました。
英国人宣教師ウォルター・ウェストンは1888年から1894年まで(一度目の来日)日本に滞在し、この間に
穂高岳を含め、日本各地の高山に登り、帰国後の1896年にイギリスで、『MOUNTAINEERING AND EXPLORATION
IN THE JAPANESE ALPS』(日本アルプスの登山と探検)を出版しました。ウェストンは、「趣味としての登山」
という概念のなかった日本に「山登り」という楽しみを紹介してくれた人として、上高地に石碑が建てられました。
それがこの碑です。梓川沿いの静かな山の麓にひっそりと佇んでいました。
梓川の辺の散策のあとは、帝国ホテルであの有名な「登山者のためのプリン」を食べようと立ち寄ったのですが、
生憎売り切れていて残念でした。それでも、その代わりに頂いたケーキセットは山で疲れた体を癒してくれるのに十分でした。
次回はウェストンのガイド役だった嘉門次さんの小屋で提供される岩魚を食べにまた来たいと思いながら
上高地、涸沢、そして穂高連峰をあとにしました。最高のお天気に恵まれ、秋をとことん満喫できました。