こもれび

悩み多き毎日。ストレス多き人生。でも、前向きに生きていきたい。だから、自然体で・・・

足立美術館

2010年11月22日 | Weblog
木々の葉が赤や黄色に染まり始めた頃、出雲大社にお参りした帰り道、島根県安来市にある足立美術館を訪れた。横山大観を始め、多くの近代日本画のコレクションで知られているが、それはさておき、何といってもこの美術館の庭園は圧巻であった。アメリカの庭園専門誌「Journal of Japanese Gardening 」が毎年選ぶ日本の庭ランキングで、連続8年日本一の座を占めているのが頷ける。



創設者は足立全康氏。「庭園もまた一幅の絵画である」という信念を持ち、生涯庭づくりに心血を注ぎ、その言葉通り、建物の窓枠を額縁に見立てて庭を眺め、四季の移ろいを楽しめるところが何か所もある。



このシンと静まりかえった風景、誰もが息をのむ風景。これらはすべて、この美術館に関わっている人たち全てによる徹底した手入れによるものだそうだ。その心意気と行動力には皆が脱帽する。



「庭は生きた絵画」と言われるように、自然の山々を借景とした枯山水庭はまさに息づいていた。枯れていながら生きているというのも不思議な気がするが、幾何学模様のように整頓された西洋の庭園と違い、日本庭園は生きている。自然と対峙し、それを治めるのを旨とする西洋哲学に対し、自然と共生し自然の中で生きていこうとする日本人の考え方が庭づくりに良く表れていると思う。なにはともあれ、一度は訪れる価値のある庭である。




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猿橋

2010年11月07日 | Weblog
日本三奇橋の一つとされている「猿橋」が大月市にあると聞き、秋晴れの一日、百蔵山へハイキングに行った帰りに立ち寄ってみた。その昔、白い猿の群れの谷渡りを見て考案されたと言われており、橋脚を用いず岩の岩盤に穴を開けてはね木を差し込み、それを4層にせり出し橋を支えている。斜めに出たはね木や横に渡した柱の上に屋根を付けて、雨による浸食を防いでいるとても面白い形の橋である。



おりしも紅葉の季節。そそり立つ桂川の両岸は秋らしく色どられ、黙ってたたずんでいるだけで心が落ち着く。駅までの帰り道、ふと振り返ると、先ほど登った百蔵山が「またおいで」というように、秋空の中で静かに微笑んでいた。



猿橋駅は大月駅の隣。都心からこんなに近くに心休まるところがあったとは知らなかった。また来てみよう。


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