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ちくしょう、最近心が泣いている

2013-02-06 16:32:14 | 本たち
子供が”NARUTO”を読み返している。
それでコタツの上に常時3冊くらい積んであるから、ちょっとした合間に手にとって読んでしまうと、すでに読んで知っているにもかかわらずついついストーリーを追って読み進めてしまうのだ。

疎外感と孤独に苛まれていた主人公が、不屈の根性で他人とのつながりを得て自分の存在に手ごたえを感じ、出会う人々との係わりの中で自分の信念を確立していく。
そして、自分を苛んでいた負の部分を真正面から向き合い、寛容な仏の境地で世界に蔓延る憎しみと争いの輪を断ち切るために、周りの人を巻き込んで支え支えられながら希望を持って突き進む。
この、楽天的な王道にじわっとしてしまうのだ。
この世の誰しもが、その人の立場になって親身に辛さや苦しみを思いやり、互いに認め許しあえたなら、世界は人にとって優しくなるのだろう。
現時点で、世界のいたるところで争いが起き、人は殺しあい傷つけあって、簡単に心も命も踏みにじられていく。
戦争ばかりが争いではなく、会社でも学校でも家庭でも、どの場面でも人々は互いを傷つけあっている。
それでも、全ての人が絶望に囚われないで生きていけるのは、自己治癒と他者によっての救済もあるからなのだ。
ただし、全ての人にその機会がやってくるとは限らない、必要なときに手当てが受けられずに時期を逃してしまったり、既に手遅れの場合や、傷ついた者に癒しを受け取る準備が整っていない場合など、不幸が重なることもある。
初めから、自分を諦めている者などいようはずはない。
なぜなら、人は生きようと、その体自身も抵抗するからだ。
だから、人が自らを否定したくなるようなこの時代の空気を辛く感じる。
”NARUTO”を読んでいると、絵空事ではあっても、人の中の善の力が発動され、憎しみとわだかまりの負の連鎖を断ち切って、互いを認め合うような寛容の世界へと切ない憧れを抱いてしまう。

主人公が言う「何よりも先に愛が自分の中に入っていた(この場合両親の愛だが)」、これは、人を人たらしめる基本の錘、存在理由の証だ。
どうか、未来を担うものたちに”愛”を注いで欲しい。
無意識の悪意でもって、人を傷つけるようなことをしないで欲しい。
少しでも、人の愚かな振る舞いを減らせるような節制と寛容の世界を築ける小さきものを育てよう。
自分の行いを冷静に俯瞰する習慣をつけよう。
苦しみ嘆く人が減るように、この世に存在できるそのときまで。



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