家人と二人で気ままなドライブを楽しみながら、日常と隔絶された時間を過ごしに、那須へ行ってきた。
二日とも雨模様を危ぶまれたが初日はどうにか持ちこたえ、紅葉にはまだ一歩及ばない景色を眺める。
素直に行けば3時間ほどの道のりを、8時間かかるのんびりさ。
地域によって僅かに変わる屋根の勾配と素材、土地の活用、平日の道の駅の様子、里山の管理の仕方など、見るべきものはたくさんあって飽きることがない。
はっきりとわかりやすい観光名所ばかりが旅の目的ではなくて、何気ない日常に現れる文化の違いをどのくらい拾えるかも、旅の姿だと思う。
さて、寒くなってくるとこの楽しみが待っている。
薪ストーブや暖炉の、安全な室内において火の温もりを感じながら、赤々とした炎の揺らめきを無心に眺めることだ。
時にはパチパチと木の爆ぜる音もして、心憎い効果を楽しめる。
こうして火を眺めていると、遺伝子に刻み込まれた火を恐れながらも暖を取ったり、獣から身を守ったり、安全かつ美味しく食にありつけたことなど、人類に深く関わってきた歴史を感じる。
ある意味、この暖炉などは、手に余る自然を飼いならそうとする装置なのではないだろうか。
飽きずにじっと炎を見ている私の姿を見て、家人は、我が家にもまきストーブがあったならいいのにとつぶやいていた。
そして今回の一番の収穫、幸運は、野生のリスを見られたことだ。
出だしは今朝、目が覚めて窓の外をぼんやり見ていたとき、木に動くものの姿を認めた。
リスだ。
リスが、木の洞になにやら隠しているようだった。
せわしなく動き回り、するする時を降りていって見えなくなってしまった。
冬支度でどんぐりなどをせっせと集めているのだろう、遠くにある木にも動き回るリスの姿があった。
また、有名なパン屋へ買い物に出かけて家に戻る途中の、留守らしい別荘の庭木にもリスがいた。
ふさふさの尻尾は、自分の体と同じくらいの長さで、なんともかわいらしい。
彼らの姿は、長い那須訪問をしてきた中で、実に初めての出会いだった。
たぶん、この別荘地に、平日であまり人が訪れていなかったためなのかと思われる。
二日間ではあったが、気持ちの中の澱みが少し浄化されたような感じになったのは、リスと薪ストーブの炎のおかげだろうか。
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