夕日に染まる桜
もともとこの地は菖蒲で有名なところなのだが、一足早い桜もいい。
何より人がいないのがいい。
やっと咲きはじめたころの桜は、枝全体がピンクに染まり、ちらほらのほの白い桜の花が、なんともいえない色香を醸し出す。
あらゆる木々の中でもぬきんでて新緑を見せる柳のしなだれた枝は水面へ伸びて、日本情緒を演出している。
そこへ太鼓橋が、アクセントとなって、水郷の景色を盛り立てるのだ。
美しい景色は、意識しなくては創れないし、維持できない。
本当の豊かさとは、発展と消費ばかりではない。
地道にどうあったなら心豊かになれるのかを真剣に吟味しながら、ゆっくりと着実に築きあげなくてはならないものではないだろうか。
この場所も、やや創りすぎなところがあるのは否めないけれども、いわゆる快適さを求めたぎりぎりのような気がする。
もちろん観光としての目的も大いに結構、そのような地域でなくとも、人が憩える美しい景観を念頭に、歴史と未来を踏まえ、今こそ街を造っていくべきだと考える。
日本が、まだ日本をかろうじて残している今だからこその時代の流れに在ってだ。
柳の若葉
水に映る
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