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ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

冬の日誌

2018-12-12 21:41:52 | 読書
ポール・オースター『冬の日誌』『内面からの報告書』








 2冊とも、同じ位置に英語のタイトル、著者名などが金文字で押されている。

 手帳、あるいは高級な日記帳のように。

 「日誌」と「報告書」。帯には「回想録」とある。

 著者の64年の人生を振り返ったものだが、いわゆる自伝ではなく、おおいに楽しめる読み物だ。



 ポール・オースターが64歳とは信じられなかった。

 この年齢は執筆当時のもので、いまは70歳を越えている。

 ぼくの中では、一番最初に読んだときの印象のまま、若いポール・オースターしかいなかったのだ。



 語られる出来事は、時間の流れに関係なく、まるで思いつくまま、筆の進むままに並べられている。

 自然な水の流れのように、淀みなく軽やかに文章に乗せられて読み進む。

 幼少期のことを、驚異的な記憶力でつづる。

 たとえそれが虚構だったとしても、十分に面白く、ぼくは満足だ。

 子どもの頃に見た映画のストーリーを語るところでは、一緒にその映画を見ているような気分になる。



 2冊のデザインの違い、帯の色。白と黒。

 外して並べると、どこもつながっていないのに一体化する。


 装丁は新潮社装幀室。(2018)




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