ダイアン・クック『静寂の荒野』

四六判サイズなのに、通常の本より縦に長く見える。
それはカバー写真のせいだ。
廃棄されたトラックが隙間なく整然と並んでいる姿を上空から写したもので、細長い車体が本の縦方向に延々と続くように見えるのだ。
おそらく何万台とある廃車は、このまま永遠に放置されるように思えてしまう。
ふと、インターネット上に残された更新されない多くのサイトと重なった。
近未来の都市は環境汚染が進み、子どもたちの多くは身体を壊していた。緩和ケアを勧められるほど病状の悪化した5歳の娘を心配する両親は、新鮮な空気を求めて都市の外にある最後の原生地域で生活する実験に加わる。それはたった20人の過酷なサバイバルだった。
彼らは一箇所に留まることが許されず、痕跡を残さず常に移動をしなくてならない。集団にありがちなトラブルも重なり疲弊していく。
SFの設定で500ページを超える長い小説だが、語られるのは主に人間関係で、母と病気から快復した娘の愛と憎しみの応酬が苛烈だ。
都市はどうなっているのかとても気になるのだが、なかなかはっきり伝えられない。彼らの行く末もはっきりしない。
gooブログが終了すると知って最初に思ったのは、これで区切りをつけられるということだった。
10年以上前に書いたものは、今の感覚と少し違うところがある。それをこのまま放置していていいのか、それとも削除するかを考えていたところだった。
別の場所で同じことを続けていくのは面白いのか。
ブログの行く末を決めかねている。
『静寂の荒野』
ダイアン・クック:著 上野元美:訳 宮口瑚:装丁 早川書房(2025)













