お気楽サバイバー研究所

21世紀は人類が経験したことのない「過剰」の世紀である。現在の社会の常識は崩壊する。生き方が「お気楽」に変わるのだ。

facebookのセミナーなど

2011年04月19日 | アーカイブ
昨日、神戸商工会議所主催の「こんなに簡単!Facebook活用セミナー」に行って来た。

第一部は、ナレッジスタジオ(北海道)の上田修子さんによる「Facebookでどんなことができるのか?」
第二部は、㈱TAM(大阪)の加藤洋さんによる「中小企業におけるFacebook活用術」

実は私、かたくなにfacebookの利用を拒んでいた。ただでさえ、公式ホームページ、はてなブログ、gooブログ、アメブロ、yahooブログ、twitter、それにmixiやg-mail他も抱えている。これだけでも、最低1日2回、各1時間以上は必要だ。便利などころか、時間がどんどん減って行く。さらにfacebookなんて。

しかし、今年の3月にどうしても断れない知人から招待を受けて参加。だが、アカウントを取得してプロフィールを書いた以上、ある程度は形にしないと明らかに逆効果だ。周囲に聞いても、アカウントを取って友達は増やしたけれども今は放置している、という人が多い。そんな時にセミナーの案内が来たので申し込んだ。

第一部では、facebookの概要が、「1.個人プロフィール、2.友達、3.グループ、4.facebookページ、5.ソーシャルプラグイン、6.広告」という形で整理され、それぞれについての説明があった。講師の上田さんは、facebookの特徴をグループウェアとしての機能と、広告機能と考えておられるようだった。豊富な機能があることは理解できたが、かなりのリテラシーが必要だと思う。グループウェアとなると、当然ながら参加者全員にそれなりのリテラシーが要求される。面倒ではあるが、ついて行かないと取り残される。それが現実なのだろう。

第二部では、コカコーラ等のページが紹介された。(何でコカコーラ?)チェックインや、ディールズについての実演や説明、各社のサイトの紹介があった。広告をどれだけ細かくターゲットを決めて打てるか、いかに効果を分析できるか、といったお話もあった。

講義が長くなったため質疑の時間はなく、数人の方が残って直接講師の方に質問したり、名刺交換したり。(もちろん私も・・・)

かなり勉強にはなったが、実際に使いこなそうとすると時間がいる。加藤さんはプロフィールは3分でできますと言っていたが、私は何度も書き直したり、顔写真を差し替えたりしているので、これだけで何時間もかかっている。安上がりと言われるが、企業がソーシャルメディアを広報や広告に利用するのであれば、最低でも一人は専属の社員が必要だと思う。また、社内のグループエェアとして本格的に活用するのであれば、教育コストに相当の時間とお金が必要になる。facebookを見ていると、ますます格差が広がるのだな、とつくづく思う。evernoteやfacebookを自分の脳の延長のように自在に操り、それを思考形態の一部にしている人達もいる。旧世代とは、思考方法も思考形態も根本的に変化しているのではないだろうか。

なお、facebookは実名が原則であり、これに従わないと有料課金のサービスを支払う時に面倒が起る。また、あくまでリアルの友達が原則だ。海外でfacebookを使うと、認証に友達の顔写真がランダムに質問として出され、名前を5人連続で正解しないとアカウント停止になるらしい。友達を増やして喜んでいる人は、気をつけた方が良い。

そう。今日、書店で日経ビジネス(日経デジタルマーケティング共同編集)の「facebook」という本(2011年4月5日発行)が置いてあったので購入した。そのうち読もう。(笑)



ビジネス書評の書評

2011年04月15日 | アーカイブ
私は、こことは別に書評ブログを持っている。
生態人類学、心理学、社会学、現代思想、哲学、ビジネス、経済学、脳科学、文芸、歴史、その他、雑多なものだが(買った、読んだ本をすべてエントリしてはいないので読書記録としては甚だ不完全だが)、簡単に振り返ってみたい。

1.つながりに賭ける
「つながり」を突き止めろ 入門!ネットワーク・サイエンス (光文社新書)
作者: 安田雪
★つい最近の書評。これは大絶賛。必読でしょう。

2.第4の波
コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
作者: フィリップ・コトラー,ヘルマワン・カルタジャヤ,イワン・セティアワン,恩藏直人,藤井清美
★さすがは神様コトラー。これも必読。

3.ビンボーハッピーの時代
ソーシャルネイティブの時代 ネットが生み出した新しい日本人 (アスキー新書)
作者: 遠藤諭
★現在の日本社会、マーケットを知るという意味でビジネスに分類した本。良書。

4.「つながり」の鍵
キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)
佐々木俊尚
★現代情報論であり文化論。深くマーケティングに関係している。好著、

5.「3冊のビジネス書」
特別講義 コンサルタントの整理術
三谷宏治
★マイミクでもある三谷さんの本。役に立った。
新・知的ビジネス・スキル講座 コンサルティング能力 (新知的ビジネス・スキル講座)
佐々木直彦
★大昔に読んだ本。定番。
図解 わかる!MBAマーケティング
グローバルタスクフォース,池上重輔
★基本的なことが簡潔に整理されている。

6.ミッションが人をモチベートする
ミッション・リーダーシップ―企業の持続的成長を図る
ビルジョージ,Bill George,梅津祐良
★今なら「モチベーション3.0」の方を読むべきか。

7.USTREAMが人工衛星を超える日
You Tube ビジネス革命 1分の動画が世界を驚かす (Mainichi Business Books)
押切孝雄
★これを書いたのが2010年3月。まだ1年ちょっとだが、大昔のような。

8.使えるマーケティング
クラッシュ・マーケティング
ジェイ・エイブラハム,金森重樹
★あまり覚えていないが書評を読むと重要な気がしてきた。読み直すかも。

9.経営の要素と本質
CRM―顧客はそこにいる (Best solution)
作者: 村山徹,三谷宏治,アクセンチュア,CRMグループ,戦略グループ
★なぜかCRMに批判的な書評。機嫌が悪かったからではないと思う。(笑)

10. 敵を間違えるな!!
スティーブ・ジョブズ 神の策略 (リュウ・ブックス アステ新書)
作者: 竹内一正
★ビジネスというよりもジョブズという特異な人物の人心掌握術という印象が。

11.日本の地殻変動
「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方
作者: 駒崎弘樹
★この本は知人に薦められて買った。まあ、すべての起業は社会的であるべきなのであって・・・。

12.インストラクションとコミュニケーション
理解の秘密―マジカル・インストラクション (BOOKS IN・FORM Special)
作者: リチャード・ソウルワーマン,Richard Saul Wurman,松岡正剛
★大昔にこんな本も読みました、という話。レア本自慢?

13.地政学の地図
地図で読む世界情勢
第1部 なぜ現在の世界はこうなったか
第2部 これから世界はどうなるか
作者: ジャン-クリストフヴィクトル/ヴィルジニーレッソン/フランクテタール,鳥取絹子
★国際企業の方にとっては常識なのだろう、と思う。

14.マネージャーの必読書
プロジェクトマネジメント プリンシプル - 変革の時代を生き抜くための人と組織の挑戦 [原書名:The Principles of Project Management]
★大昔、SE時代に勉強した「PMBOK」の最新版日本語訳。基本図書。

15.広告とコミュニケーションの変容
コミュニケーションをデザインするための本 (電通選書)
作者: 岸勇希
★このノウハウ、もっとキチンと身につけないといけないと反省しています。

16.広告の終焉
次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの
作者: 湯川鶴章
★有名な湯川鶴章の本。再読というか、もっと手もとに置いておこうと思った。

17.戦略的探検のすすめ
パラダイムの魔力―成功を約束する創造的未来の発見法
作者: ジョエルバーカー,Joel Arhtur Barker,仁平和夫
★これは名著。必読。

18.従来型成長モデルからの転換
伸びない市場で稼ぐ!成熟市場の2ケタ成長戦略
作者: エイドリアン・J・スライウォツキー,リチャード・ワイズ,佐藤徳之,中川治子
★あまり印象がない。もう一度、目を通そう。

19.アメリカ新富裕層の実態
ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態
作者: ロバート・フランク,飯岡美紀
★アメリカ社会を理解するのに役に立つ。

20.キャズムと現代のマーケッター
キャズム
作者: ジェフリー・ムーア,川又政治
★この書評は見当違いだ。恥ずかしい。書き直したい。

21.2009-08-11 笑う書評
笑うマーケティング
作者: 竹中雄三
★内容もあるうえに、読み物としても面白い。

22.日本の針路-内なる黒船たちへ
パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)
作者: 海部美知
★ビジネス書というよりも、シリコンバレーから見た日本と日本人への警鐘と応援だ。

23.利益モデルを考え抜け
ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
作者: エイドリアン・J・スライウォツキー,中川治子
★発売と同時に購入し衝撃を受けた本。海外のインテリの知識量の凄さに脱帽。利益モデルも当然に重要。

24.階層化するwebユーザ
ウェブを変える10の破壊的トレンド
作者: 渡辺弘美
★階層化というタイトルはちょっと違う。この辺りが今の私のソーシャルメディア研究のテーマでもある。

25.終わりなき創造
マーケティングをつくった人々
作者: ローラメーザー,ルエラマイルズ,Laura Mazur,Louella Miles,木村達也,早稲田大学商学学術院木村研究室
★マーケティングは本当に多様である。名を残したいなら真に独自のものをつくらなければなるまい。

26.広告の古典と現在
ある広告人の告白[新版]
作者: デイヴィッド・オグルヴィ,山内あゆ子
★読み物としてとても面白い。時代と共に変わるものもあるが、変わらないものもある。

27.命令から責任へ
ドラッカー 365の金言
作者: P.F.ドラッカー,上田惇生
★ドラッカーです。こういう本もあります、という紹介。

28.企業戦略
マーケティング・アンビション思考 (角川oneテーマ21)
作者: 竹内弘高,恩蔵直人,片平秀貴,石井淳蔵,嶋口充輝,上原征彦
★これはインパクトのある本だった。「経営者は跳ばなければならない」

29.現代監視社会の常識
ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書)
作者: 佐々木俊尚
★これは重要文献だ。

30.特徴的な資質は生かせるか?
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
作者: マーカスバッキンガム,ドナルド・O.クリフトン,田口俊樹
★本の内容ではなく、本の売り方が斬新だというお話。

以上がビジネスに分類している本
以下は他の分類だが、ビジネス上も重要と思われるもの。

a.ブログ開始
ヒトはなぜヒトを食べたか―生態人類学から見た文化の起源 (ハヤカワ文庫―ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
作者: マーヴィンハリス,Marvin Harris,鈴木洋一
★アカデミックではないかもしれないが、こういう大胆な発想には本当に感服する。

b.大衆支配の技法
サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)
作者: 下條信輔
★マーケティングリテラシーの必読書。

c.市場vs国家
21世紀の歴史――未来の人類から見た世界
作者: ジャック・アタリ,林昌宏
★ビジネスにも歴史観は必要だろう。

d.進化経済学の視座
経済変動の進化理論
作者: シドニー G.ウィンター,リチャード R.ネルソン,角南篤,田中辰雄,後藤晃
★テレビに出る学者さんが語るような世俗の経済学は、世界的には過去のものなのです。多分ね。

e.ナノコープの世紀
フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか
作者: ダニエルピンク,玄田有史,Daniel H. Pink,池村千秋
★フリーエージェント社会の先駆であるアメリカに学ぶことは重要。日本もそうなるし。

f.ベルトラン競争とフリー
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明
★いまや、フリーを考慮しないマーケティングなんて、あり得ない感じですね。

g.経済のヴィジョン
現代思想2009年8月号 特集=経済学の使用法 キーパーソンは誰か
作者: 水野和夫,吉川洋,西谷修,塩野谷祐一,堂目卓生
★端的に、近代経済学批判ですね。頑張れ水野和夫さん。大好き塩野谷裕一先生。

h.事実から見る日本経済
新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学
作者: 原田泰
★そうなんですよ。日本人は貧しいのですよ。

i.精神的報酬と経済的報酬
ボランティア―もうひとつの情報社会 (岩波新書)
作者: 金子郁容
★私が金子郁容氏を知ったのは20年以上前。当時はスポーツカーとパンを焼く趣味で売っていたような・・・。

j.福祉-日本とはどういう国なのか
現代福祉国家の国際比較―日本モデルの位置づけと展望
作者: 埋橋孝文
★福祉の専門書だが、日本社会の特性を明確にしており高く評価できる本。

ざっとこんな所だが、書評ブログを始めてからもうすぐ2年も経つのかと、しみじみと思った。そして、最近はビジネス系の本の読書量およびブログのエントリが減っている。インプットとアウトプットのバランスを考えたい。
また、この書評を整理して本にしても良いかなと改めて思った。とりあえず、ブログをそのまま製本してみる。後はプロと相談だ。儲からない自費出版ではなく、初版1000部程度で何とか黒に出来ないものか。大阪の某社社長と打合せを持とうと思う。

(17)コンセプト・デザイン

2011年04月14日 | マーケティング
公式ホームページの「コンセプト」を、以下のように変えてみた。

■ミッション
新しい社会を共に切り拓く、思考と技法のパイオニア
当研究所のテーマは、「個人、組織、社会のより良い関係」です。
当研究所では、これらの領域での学際的な研究を推進するとともに、その成果を直接的な活動に直結させて行きます。
個人に対しては、「本当の自分を伸び伸びと生きる」ためのセラピーを行います。
組織に対しては、「社会的価値の創造」を中心としたコンサルティングを行います。
社会に対しては、質の高い開かれた「創造的議論」をめざして、研究の成果を発表します。
いずれの領域においても、コンセプト・デザイナーとしての責任を自覚して活動して行きます。

■価値
・与えられた価値観に縛られることなく、本来の自分を生きる(志向)
・信頼と共鳴に基づく協働(スタイル)
・自由、無差別、互恵(理念)
・創造を最高の価値とし、常にイノベーションを目指す(方向性)
・差異を尊重し、多様性を大切にする(価値観)
・協働、共有、協調(キーワード)

■ビジョン
最大の社会貢献は自分自身を幸福にすること。
自分が幸福でない人が他者を幸福にすることなど出来ません。
誰もがこのことを自覚し、それを実現できる社会を目指す。
将来の安心を求めて今を犠牲にするのではなく、「今ここ」にベストを尽くすことでのみ未来が開けるのです。

■ご挨拶(2011年4月改訂)
3月11日の東日本大震災では、多くの方々の大切な命が奪われました。また、今も多くの方々が避難生活という大変な環境の中で生活しておられます。被害者の方々に心よりお見舞い申し上げます。また、原発問題は世界的な関心事となっています。政府はじめ関係者の皆様には、真に国民のことを、そして世界のことを真摯に考えた対応をお願い申し上げます。
さて、2011年の今、ソーシャルメディアという第4の波が注目を集めています。この波は、農耕革命、産業革命、情報革命に次ぐ人類史的なものです。それは、社会、政治、経済、経営、そして個人の生活をも劇的に変えてしまうものと予測されているのです。マーケティングの神様コトラーも「コトラーのマーケティング3.0」 (2010年)の中で、精神の領域について語っています。企業には一つのパーソナリティを持つことが強く求められています。大企業は特に、新しいマーケティングを真剣に考える必要があるでしょう。これからの時代に重要なのは「協働、共有、協調」です。それは組織内でだけでなく、消費者あるいは社会とともに推進して行くことになります。コトラーは、マーケティングを消費者と協働して行うというコンセプトを提示しました。企業はソーシャルメディアで行われている消費者によるマーケティングにアクセスし、消費者と共に考えるのです。
これは企業におけるマーケティングだけの話ではありません。「協働、共有、協調」は、ソーシャルメディア時代のキーワードです。この反対が「競争、所有、対立」です。これを比較するだけでも、第4の波がいかに歴史的なものかを知ることができます。
しかし、「ああ、そういう良い時代になるんだね」と思っているだけでは取り残されます。フラット化する世界とは、平等化を意味してはいません。むしろ弱肉強食の世界です。誰もがその知識や技能で強い影響力を持つ可能性がある一方で、まるで影響力を持たない人も多数いる。要は、影響力の構造、特性が変わるということであって、誰もが等しく影響力を持つということではないのです。(あたり前の話です。私は、誰もが等しく影響力を持てるようにするべきだ、などという突飛な考えは持っていません)ソーシャルメディアの本質を理解し、光と影を見極めて、より良く活用して行くことが重要だと言えるでしょう。
当研究所は、レポート等の成果物を作って終わりというのではなく、現実の企業や個人とコンタクトを取ります。そして、研究員やパートナーを抱え込むのではなく、開かれたネットワークを作りながら「協働、共有、協調」を望ましい形で行って行きます。(推進と書こうとしましたが、規模の拡大と誤解される可能性があるのでやめました)協働の前提には「共鳴と信頼」があると私は考えます。そして、共鳴は稀であるからこそ響くのです。この共鳴こそが、私にとっての出会いです。
皆様とは申しません。共鳴いただけた方で結構ですので、ご協力、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

2011年4月吉日 黒崎玄太郎

(最終更新日:2011年4月14日)

まだまだ完成ではない。もっと図を使うなどして、立体的、構造的に明確にするべきだろう。しかし、従前のものを放置することも許されないので、当面の処置も必要なのである。最初から完成形を目指すのではなく、段階的に進化させて行く。そういうアプローチも悪くはない。また、このブログはログとして残るので、そのプロセスも追いやすい。

それにしてもだ・・・。私の公式ホームページは、某ソフトで更新しているのだが、これが私には使いづらい。不要な自動編集がOFFに出来ないなど、とても面倒だ。当面は我慢するつもりだが、いずれ対応を考えることになるだろう。もっとも、このブログも制約が多く、有料会員になるべきなのかもしれないですが・・・。

(16)わたしのビジョン

2011年04月06日 | マーケティング
ビジョン構築について、私自身の場合を考えて見たい。

「新しい社会を共に切り拓く、思考と技法のパイオニア」の背後にあるのが、以下のビジョンだ。

一人でも多くの人に、本当の自分を生きて欲しい、本当の幸福を体験して欲しい。与えられた価値観によって、本当の目標を取り違えないで欲しい。金銭的あるいは社会的な成功を目指すというのは、だいたいが偽物です。それは手段であって、本当の目標には成り得ないのです。自分が一番心地よいのは、どんな感情で、それは何をしている時に生まれるのか。これに気がついている人は、自分を生きています。しかし、現実として、そういう人が悲しくなるほど少ない。

私は、本当の幸福を望む人に、その手助けをしたい。それが、セラピストとしての私の唯一と言っても良い思いです。そして、私は「本当の自分を生きている」人とのみ交流し、そういう人々による、より実りある、より快適なコミュニテーの創造に貢献したい。

私は、公式ホームページで、大胆にも「新しい社会を共に切り拓く、思考と技法のパイオニア」と宣言しています。私が望む新しい社会とは、多くの人が「本当の自分を生きている社会」です。ここ十数年、私の一貫したテーマは「個人・組織・社会のより良い関係」でした。それは学際的で、膨大で、難解で、一人でこれに取り組むということはクレイジーだったと今は思います。しかし、クレイジーもまた良し。それに気がついた今、アプローチを変更すれば良いというだけの話です。つまり協働ですね。

私の尊敬する人物の一人であるジェームズ・マーチン氏の理論を採用し、途中でプロジェクトが終わっても、それなりの成果が得られる方法を採用します。私はアナリストにしてストラテジスト。さらには、最強の天才コーチがついている。人生の残り時間も考慮したうえで、「今、ここ」を生きます。


このビジョンは、まだ不完全である。今後3ケ月かけて、さらに深く掘り下げ、また表現を洗練させて行く。
また、このビジョンは私自身のものと、黒崎玄太郎研究所のものに分ける時がくるかもしれないが、今はその必要がない。

このブログで私は「ビジョン、ミッション、バリュー」を掘り下げること、洗練させることが、マーケティングの出発点であると書いてきた。ただし、ここで用いている「ビジョン、ミッション、バリュー」は、コトラーを先頭とする現代のマーケティングにおける定義とは異なっている。これは、私の腑に落ちる形へのアレンジであり、なぜそうしたかについては理由があるのだが、別に学者ではないので、その差異理由と優劣を議論する必要もあるまい。私にとって重要なのは、理論についての評価ではなく、実践での効果だからだ。

これからしばらく、私をモデルにして、私の提唱する「ビジョン共有経営」を説明したいと思う。
なお、これは戦略の公開ではない。マーケティングの一環だ。

(15)ビジョン共有経営

2011年04月02日 | マーケティング
ソーシャルメディアの時代となり、従来のマーケティングが通用しなくなった、マーケティングがわからなくなった、などという声を良く聞く。「質問から傾聴へ」とも言われる。ポーターは最近、CSV(Creating Shared Value)が企業の目的だと主張している。

しかし、この表現は少しわかりにくい。

前にも書いたが、現代の経営の原点は、
(1)ビジョン、ミッション、バリューの三つを深く掘り下げて検討し、
(2)洗練された形でそれを提示し、
(3)それに基づいた行動をとる
ということだ。

マーケティング3.0という呼び方もあるが、日本ではマーケティングという言葉自体にネガティブな反応をする人も少なくない。

そこで私は「ビジョン共有経営」という呼び方をする。下図は、これをごく簡単にそれを表現したものだ。
企業が示したビジョンを支持する顧客との間に紐帯を作ること。これこそが「ビジョン共有経営」の核心、目標だと考える。


私たちは何を目指すのか。(ビジョン)
私たちの役割は何か。(ミッション)
私たちの提供する価値は何か。(バリュー)

明るい社会だとか、安心できる環境などでは、ビジョンとして安直に過ぎる。ヴィジョンは1冊の本になる程度に煮詰めなければいけない。それを基に、うまい章見出しを作って行くような手順を踏むこと。それだけの厚みがなければ見向きもされないだろう。安易なビジョンを示しては、逆に顧客になめられ、相手にされなくなるのだ。さらに、それが実態を伴っているかどうかは、ソーシャルメディア時代には誰もが知るところになる。マスメディアをおさえていれば安心などという時代では無い。

昔の企業の中心的課題は「バリュー」だった。しかし、現在の顧客の関心は、企業の「パーソナリティ」へと移っている。ITジャーナリストの佐々木俊尚氏は「キュレーションの時代」(2011)の中で「つながり消費」という言葉を用いている。これは企業、あるいは経営者との精神的な絆、あるいは精神的な共鳴に基づく消費という意味だ。

私のコンサルティングメニューにも、「価値共有経営の推進」を加えることにしよう。
近日、ホームページを書き換えます。