お気楽サバイバー研究所

21世紀は人類が経験したことのない「過剰」の世紀である。現在の社会の常識は崩壊する。生き方が「お気楽」に変わるのだ。

ナノコープ

2010年07月01日 | 経済
 ナノコープ(Nanocorp)という言葉は、ダニエル・ピンクの著書「フリーエージェント社会の到来」の中で登場したのが最初だと思う。その意味は、拡大を目指さないという方針を徹底した超ミニ企業であり、この方針自体がオーナーの志向であり、競争戦略でもあるということだ。具体的に言えば、ミニ企業が従業員20人以下と定義されるので、超ミニ企業は従業員10人以下の企業と言って良い。イメージとしては企業という縦組織ではなく、フリーエージェントの横のネットワークを法人化したものといった感じではないだろうか。
 私がナノコープに着目したのは、大企業が正規雇用を必要としなくなりつつあるという時代のトレンド、さらに言えば「雇われるという働き方が縮小する時代」にあるという認識のもとで、必然的にフリーランスやナノコープが増え続けるだろうと予測したからだ。いまや、雇用されているという状態は安定ではなく、スキルや人的ネットワークこそが安定の要素となっている。
 最初は、このブログのタイトルを「ナノコープ時代のマーケティング戦略」としていたが、ナノコープ時代の到来には、まだまだ研究が必要であり、確信が持てないという理由で「時代」の二文字を取り除いた。ダニエル・ピンクが述べたように、フリーエージェント社会がアメリカのように日本に到来するかどうかは分からない。しかし、フリーエージェントが増えること、増えざるを得ないことは明らかだ。雇用の創出という幻想に騙されてはいけない。
 さらに、従来の組織人の価値観や常識が、フリーエージェントの価値観や常識と、まるで異なるというのが重要な点である。この点についてはまず、先に紹介した「フリーエージェント社会の到来」を読んでいただきたい。