Risa’s 音楽雑記

ピアニスト 山形リサのブログです。
音楽の話を中心に、日常の出来事などを気ままに綴っています。

セケイラ・コスタ先生

2006-12-14 19:04:09 | Weblog
昨日に引き続き、スケールつながり・・・ということで、セケイラ・コスタ先生のお話をご紹介します。

セケイラ・コスタ先生は、ヴィアンナ・ダ・モッタ国際音楽コンクールを創設された方で、ショパン、リーズ、モントリオール等、有名な国際音楽コンクールにおいても審査員としてご活躍されています。
CD録音も多岐にわたり、80歳を超えたいまでも現役演奏家としてステージにお立ちになっています。
すごいですよね。
今年の夏、KAWAI表参道で行われたマスタークラスでご指導いただきましたが、その時の模範演奏会ではバッハのシャコンヌ、ベートーヴェンの熱情ソナタなどをお弾きになっていました。

そのコスタ先生のお話です。

「私はリストとハンス・ビューローの最後の弟子にあたるヴィアンナ・ダ・モッタ先生のもとでピアノを学びました。
その時にヴィアンナ・ダ・モッタ先生がおっしゃっていたのですが、リストはスケールをPPPPPからfffffもまで自在に弾きわけることができたそうです。
これはものすごいテクニックでなかなかできるものではありません。

現在、私はアメリカの大学でピアノを教えていますが、ある時、私の部屋にコカ・コーラを片手に持ってガムを噛んだいかにも・・・といった格好の男子学生が入ってきました。
そして私にピアノを教えて欲しいと言うのです。
私はあっけにとられましたが、何を弾くのかたずねました。
そうすると、彼はベートーヴェンのソナタ29番(ハンマークラヴィーア)だというのです。
私は天才か馬鹿かのどちらかだと思いました。
それで、私は彼にまず変ロ長調のスケール(音階)を弾くように言ったのです。
彼はスケールを弾くことができず、すぐに馬鹿だということがわかったので、部屋を出て行くように言ったのです。

最近の学生たちは、大曲ばかりを弾きたがる傾向がありますが、基礎をおろそかにしてはいけません。スケールを練習している時間がないという人がいますが、リストまではいかなくても、そうした練習は必要です。ぜひみなさんもその事を忘れないでください。」


音を外さない事、テンポを上げる事だけでも十分大変なのに、さらに音量まで!!
スケール&ハノン練習のグレードがどんどん高くなっていきます・・・・。
また明日もメトロノーム片手にがんばります。