~経済ニュースの森の奥~ ・・マクロな視点から。

《いつもお読みいただきありがとうございます。このブログへのコメントは受付けていませんのでご了承ください》

《番外》 ブログ一周年。

2006年10月01日 | ごあいさつ
当ブログを始めて丸1年経ちました。
これだけひっそりとやっていて内容も超ジミ~なブログにもかかわらず、毎月約2000ページビューぐらいあるというのですが、なにか私自身にとってはとても不思議な感覚です。



1年前はついこの間のようでありますが、当時は郵政民営化の是非・財政危機問題などが経済論議のピークだった頃で、そう考えるとかなり前の話という気もします。

これらの問題はもちろん、国民が預けている新郵便会社の膨大な資金はどう扱われるのか、表向きの景気拡大に財政危機問題がカモフラージュされていないか・・など、今も国民にとって決して関心が薄まってはいけない重要懸案であることは間違いありません。

しかし世界経済にとっての大問題がこの一年だけでも次から次へと出てくる中で、私自身もふくめ、どうしても関心の焦点が移ろいやすくなる世の中です。
ちょうど凶悪な社会事件が続くと前の事件のことをつい忘れてしまうような感覚です。

携帯やパソコンというツールの定着によって、たとえば10年前と比較して、発信される情報量も受け取る情報量も格段に増えているのは事実でしょう。

たぶん100年前も10年前も、世界中で今と同じ数の多種多様な問題が起っていたと思いますので、問題が増えたのではなく情報が増えたということです。

すごくダイレクトな例えで恐縮ですが、ほんの一昔前だったら飲酒運転の人身事故がこれだけトップニュースに上ることは無かったと思います。同じように中国やインド・ロシアのニュースが身近になったのもほんの数年前からです。

過去大部分の日本人が知らなかった常識や価値観が、現在ではその日のうちに世界共有の価値感覚として認識されるようになったことで、世間のコンセンサスが得やすくなったとも言えるでしょう。まさに世間は狭くなってきたのです。
地球人同士の相互理解という点では情報のスピードと量が大きな役割を務めました。
また問題が放置されないための抑止力にも効果を発揮しています。

けれどもそれは諸刃の剣で、様々な異なった考えや価値観が少なくなるという欠点があります。
大手報道機関など情報発信側の論調が、瞬時に世界のコンセンサスになるということは、同時にマイノリティな考え方・ものの見方が否定されるということです。
異論をぶつけ合うはずの政治世界すら総与党的な発想で固まってしまい、何もしていない安倍新政権が最初から70%以上の支持率を得てしまうこととなります。

そんな、一歩間違えば簡単にミスリードされかねない世の中に、影響力は限られているとはいえ草の根のブログが数少ないヘッジ機能を果たしています。

一ブログでの主張はたかだか一個人の考えですから、簡単に否定され潰されることもしばしばです。
そもそもブログ情報を出す側・受け取る側双方に、前提となる知識量や情報量にバラつきがあるうえ、匿名コメントを書く双方に計り知れないウラの思惑があったりなかったりするわけで、ブログ議論に正義不正義の勝ち負けなどつけられるはずもありません。

しかし、“こんな考え方もあるんだ”“聞いているニュースと違う視点だ”ということが人々の頭の片隅に残るだけでも、ブロクには大きな意義があると確信します。


このブログは更新不定期で、記事の数もたいへん少ないけれども、なるべく誰かの頭の片隅に残る意義があると感じたときだけ書くようにしています
読者数を維持するためにコンスタントに何か書かなければいけないという形は、それはそれで別の意義があると思いますが、私には向いていません(・・やや弁解まじりです)。

ブログ規模を維持するための義務感から開放された精神状態のまま、これからも書く意義を感じたネタだけ書いていこうかと思います。
トラックバックしなくなって久しい上に、最近ではコメントすら受け付けなくなってしまい恐縮ですが、それも含んでいただいた上で、よろしければ今後もお暇なときにご覧いただければ幸いです。

また、内容は私なりにできるだけかみくだいて分りやすい表現に努めているつもりですが、身内からはよく理解できないという苦言をもらうことも間々あります。後で表現不足に気付いたとき校正・改稿などしていますが、重ねて拙稿ゆえお許しいただきたくお願いいたします。

目先の動向やディテールにこだわりがちなマスコミ経済記事を、できるだけ長期で大きな視点から見つめ直すというこのブログの主旨は、実は私自身が客観性を持ちつづけるためにも必要なことだと思って書いたりしています。

その意味では、まさに独り言日記そのものかもしれません。そんな勝手なこのブログを読むことに時間を割いている方が常に一定数いるという事実に、あらためて感謝申し上げます。