分かったよーなこと、言ったって~!!

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ほんにゃら落語 (1)

2012-09-23 09:17:16 | コント
 ええ、毎度馬鹿馬鹿しいお話をって事でしてね、カテゴリは『コント』の中に入れておくわけなんでございますが、ついにね、このブログでもひとつ、落語をやってみようかななんて運びになりまして。

 元々ですね、最近すっかりご無沙汰になりました『DJ』カテゴリ、あれがどうにもこう、しゃべり方が落語っぽいぞなんて言われまして、
「おい、どうだお前さん、ちょいと落語を始めてみたらいいんじゃないか」
なんてね、思いもよらない流れになっちまいまして、こちらもいきなりそう言われましてもね、
「なに、おれもとうとう、落伍者扱いか」
なんてぇ心配をしたわけなんでございまして、ええ。

 まぁね、その落語、あたしも浅学ではあるんですけれど、嫌いかって申しますと、逆に大好きなんでございましてね、巧みな話術にはらはら、げらげらと楽しませて頂くわけでございますがこう、なんと申しますかね。
「しゃべってる方は笑うとこねぇな」
なぁんて、高座に登った今頃気が付きましてね、もう、違う意味で笑うしかないわけでございます。

 アイドルなんかですとね、こう、ステージに登りますと、きゃあああなんてね、黄色い声が飛び交いまして、ひと仕事終えて帰る時なんかもう、大変なようでございましてねぇ~。どんだけ叫んでみえたのか存じませんが、もう、ガラガラに枯れた声でね、
「ファンですぅ~、サインしてくださ~い!」
だなんて、楽屋口で囲まれたりなんか致しまして、ナウでヤングなギャルたちに揉みくちゃにされたりするものなんでございますが、あたしゃそんないい思いできるわけじゃあございませんでね、良くておばあちゃんがおせんべい下さるぐらいのもんでございます、ええ。でも逆にね、ホラ、ご年配の方々がそんなハッスルなんてされますと、今日無事におうちへ帰れるのかななんて、大変心配になってしまうもんでございます。

 ま~こんな感じでね、さっぱりギャルに縁の無い生活をしておりますともう、なんの手違いだか、若い子に近寄られたり致しますとね、すーぐコロッといっちまうもんでございます。ただ今はね、怖~い世の中でございますんで、お金目当てですとかね、若いギャルを近づかせる手合いもおられますんで、こう、キッパリとね、あたしはお断りをすることにしておりまして。

 まぁ、断る相手、絶賛募集中なんでございますけれどもね!


 ま~~そういったね、いわゆる『美人局(つつもたせ)』。男から金を巻き上げるのに一番手っ取り早いもんでございますから、むかしっから居るわけなんですねぇ。金が目当てなわけですから、裕福そうなお侍さんなんかが狙われたもんでございます。

 そこでね、ちょいとだらしない感じのお侍さんが町を歩いておりますと、美人局の元締めがすぐに目を付けるわけなんでございまして、それ、次はあいつだ、毟り取ってこいってね、オナゴを送り込むわけなんです。あんまりきっちりした男ですとこう、どうしても身持ちが堅いもんですからね、少々やさぐれた奴が狙い目なんですなぁ。

「ちょいと、そこのイカしたお侍さん。あちしと遊んではくださらないかぇ?」

 こうね、オナゴは百戦錬磨のプロなわけですから、しなの作り方から目線の動かし方、相手だけにいいとこが見えそうな着崩し方までね、そりゃあもう見事なお色気で誘惑するわけなんでございますよ。これがねぇ、相手を篭絡しまして、もう堕ちるって時の舌舐めずりの妖艶さなんかは、爺さんにも春が来ようって見事さでございます。

 しかしね、その男、なんと振り返りもしないですたすたと行ってしまうわけなんですよ。周りには誰も居やしないんですから、相手が気付かないはずもないんですよねぇ。そうなりますとそのオナゴ、すこぶる面白くない。自分の色気を無視しやがったってなもんで、ここはひとつ、女の意地に懸けてでも骨抜きにしてやらないと、どうにも腹の虫が収まりません。

「ねえ、ちょいと! あちし好みの男らしいお侍さん、あんただよ!」

 さすがに男もようやく足を止めたわけなんですが、どうにも気のない顔で振り向くわけなんですなぁ。

「お嬢ちゃんよ、悪いがそいつぁ人違いだ。俺っちなんかについてきちゃあいけねえな」

 さあ困りました。このままじゃ恰好の相手が逃げちまうってんで、オナゴは必死に迫ります。

「馬鹿をお言いでないよ、お侍さん。あちしはね、あんたに声を掛けたんだい。ホの字になった女に恥を掻かせるもんじゃあないってもんさ」

「馬鹿も墓もありゃしねえ。俺っちはな、オナゴに声を掛けてもらったことなんざあ、ただの一度っきりもねぇんだ。もうちっと、モテる野郎を探しやがれい」

「あちしがあんたに惚れたって言ってんのさ。それとも、あちしじゃ物が役に立たないお人なのかぇ?」

「ああ、物の役に立ちやしねぇ。俺っちに惚れるなんてぇ女は生まれてこの方、拝んだ覚えがありゃしねえんだ。
 お嬢ちゃんが嘘を言ってないってえんなら、あんた、人間の女じゃあんめぇ? 女狐に化かされちゃあ堪んねぇよ!」


 …………男も女も、お互い一歩も引かないわけですなぁ。
 惚れたいや惚れるめぇ、惚れたいや惚れるめぇの繰り返しでして、どうにも埒が明きません。

 さすがに困り果てた女は、ちょいと作戦を変える事に致しまして、なんとかじっくり説き伏せてやろうとするわけです。もう色気で釣れなくても納得さえさせりゃいいやなんて、ムカムカしながらこんこんとお説教を始めてしまいました。なにしろね、ここでお魚を逃がしてしまったとあっちゃあ、元締めにこってりと絞られてしまいますから、お仕事がもらえなくならないように、意地でもモノにしようと必死でございます。


「いいかい、お侍さん。人間ってぇのはね、好みは人それぞれってぇもんなんだよ。
 あんた、お嫌いな食べ物は、何かないのかぇ?

 ……なに、おしるこがお嫌い。またあんた、珍しいモンが食べられないんだねぇ。
 ……ふむ、甘いモンは好かん? 小豆がもったいない、と。
 おかしな事を言うお人だねぇ。小豆をおしるこに使わなかったら、農民が路頭に迷っちまうだろう?

 いいかぇ? あちしはね、大のおしるこ好きで名が通ってんだい。おしるこなんて好きなわけないやって言われてもね、
 あちしはおしるこに惚れちまってんだから、あんたに四の五の言われる筋合いはないってもんなのさ!」


 とまぁ、こうね、小柄な女が勢い良く男に啖呵を切ったわけでございます。さすがに男も目を丸くしましてね、それでもまだ信じられないって顔でいるわけなんでございまして、

「それじゃあ、ちいっとばかり訊きてえんだが、お嬢ちゃん、俺のどこに惚れたって言いてえんでぃ?」

「往生際の悪い男だねぇ、あちしが惚れたってんだから、惚れたってことで決めちまいなよ!
 腰からぶら提げてんのは、ただのお飾りかぇ?」

 さあ、しばらく静かだったのがまたぎゃんぎゃんと言い合い出したものですから、さっきからこっそりと陰から様子を見ておりました元締めの大男も、ぷっちんと堪忍袋の緒が切れてしまいました。これが元々気の長くない奴でしたから、もう凄い形相で出て参りましてね、大変な剣幕でお侍さんを怒鳴りつけるわけでございます。


「やいやいやい! この女が惚れたってんだから、観念して神妙に遊んでやりやがれい!!」

 さあさあ、口喧嘩で盛り上がっているところに、いきなり知らない大男から怒鳴られたわけですから、驚く暇も省略してお侍さんもいきり立ちます。


「馬鹿言うねえ! 俺っちみてえなモテない野郎に声掛ける方が悪いってもんだ。
 そもそも最初っからお前さんみてえな野郎に声掛けてりゃ、お天道様もお喜びにならあ!!」

「野郎、俺がモテるって言いてえのか」

「おう、俺っちよりゃあモテるだろうよ。そっちこそ神妙に女を引っ張っていきやがれい!!」



「――俺がモテてりゃ、女房はお前さんに声掛けないだろうよ」





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