分かったよーなこと、言ったって~!!

中途半端な知識で適当ぶっこく無法地帯へようこそ( ^-^)ノ

落語家の想い出

2012-10-16 00:54:56 | 徒然の日常
 いえね、先日、落語に関する記事を書きましたでしょ。


⇒ 落語家ってマジで凄い!?(2012-10-13)



 あの後、急に思い出したんですが、実は私が高校生の時にですね、学校に来たんですよ。落語家が。



 いや、もちろん学校が呼んだんですけれどもね!(^-^;)



 で、どなたがお話(× お噺)をしに来てくださったかって申しますと、『笑点』の司会でお馴染みの三遊亭圓楽 (5代目)さんでしてね、いやはや、ビッグな方を呼んだもんでございます。


 この方ね、『笑点』では「おもしろくなくても大笑いする」なんて悪口言われることもあったようですけれども、思った以上に、本当にビッグな方のようなわけでしてね、今のお名前がWikipediaへのリンクですので、クリックして読んでみてくださいよ、ホント。

 またね、落語界と申しますのも、いろいろとゴタゴタ、ドロドロとした部分もありましてねぇ。


⇒ 落語協会分裂騒動


 まぁでもね、結局そういった、人々に笑ってもらうことを生業とする方々ですから、ファンの目にどう映るのか、心痛を感じておられる方ばかりだったのではないかと推察されます。




 そんな中、笑点という最も広い客層が落語家に触れる番組の司会者として就任された円楽さん(以後、この漢字で表記)がどんなことを私の母校に遺していかれたか、今でもある程度は思い出すことが出来るんです。実は、あの方にとって、若干のイレギュラーだったようなんですよね。それも、嬉しいほうのイレギュラーだったのだそうで。




 今を遡ること二十五年、体育館に生徒が集まる中、生徒会役員に導かれて円楽さんがステージに向かいますと、生徒の中から威勢良く

( ^-^)ノ「座布団一枚ッ!!」

と声が響き、満場が笑いに包まれました。その時の円楽さんのお顔がまた、なんとも言えない満面の、会心の笑みでして、どうもそこで円楽さんの中のスイッチが入ったようなんですなぁ。おそらくね、本来講演する予定じゃなかったことを、いろいろとお話してくださったんですよ。


 職業は落語家と言いましてもね、やはり、全国津々浦々、様々な学校に呼ばれては講演をなさっていたようなんですが、そのときのお話になりました。



 話や、噺というものは、しゃべる人間だけでは成立致しませんのでね、どうしても、聴衆ありきなわけでして、人数では圧倒的に勝てませんからね、場の空気というものは、その聴衆によって様々な色を見せるようでございます。


 ある学校ですとね、ホラ、よく生徒指導の先生とかみえますでしょ。校門で竹刀持って「おまえ何時だと思ってんだぁー」…………いや、今時みえませんね。(;^-^) まぁそんな感じのね、生徒を取り締まるような感じの方が、講演の前に厳しく言い聞かせたらしいんですよ。

「おまえら、絶対に行儀良くしてろよ。いいか、絶対に笑うんじゃないぞ」


 ………………どう見ても、落語家殺しです。(;^-^)
 いや、やりにくいのなんのって、噺家と言いますのはね、話しながら観客の空気を読みながら、ネタを修正しながら、手振りを大きくしたりしながら、視線を巡らせながら、その場の空気を朗らかなものに変えていくわけなんですよ。それがあなた、押しても引いてもビクともしやがらねぇ。「笑うぞ? ここでお客は絶対吹き出すぞ?」なんて自信のあるネタをかましましてもね、いや、確かにお客は笑いたがっている。笑いたいのは目に見えているのに、先生の指導に萎縮してしまっていましてね、一生懸命笑うまい、笑ってなるものかと固まってやがるわけですよ。


「おまえさん、早く帰らないとカミさんが夕餉こさえて待ってるんだろう?」「とんでもねぇ、作るのは俺っちだぜ」
「……………………。(キリッ」

「なんだい、作るのは子供だけじゃなかったのか」「いやいや、うちの女房は人間が出来てっからよ、ちゃあんとどこか行って自分で子供作ってきたべさ」
「…………プッ………………。(キリリッ」




こりゃあ、やりにくいですよ。(^-^;)



 そしてね、また別の学校行きますと、今度は逆にね、暴れるのが野放しになってたりするんですなぁ。全く話を聴いちゃいない。これはこれで、やりにくいわけですよ。これがもしカラオケ屋だったら、絶対隣の部屋だわってことでね、場所は近くてもまるで噛み合わない。落語家は話(噺)で人の心を引き込むのがお仕事だって言いましてもね、隣りの部屋で歌ったところで、ただのヒトカラ(一人カラオケ)なわけですよ。ジャイアンも真っ青です。


 ま~~、だいたいの学校はそんな両極端ってわけでもなくて、だいたいバランスが取れているわけなんですが、なにせ大人に逆らってみたい時期の子供が集まっているわけですからね、中にはワルガキ仲間がつるんで、ちょいと冷めた目で後ろの方に溜まっていることもあるわけですなぁ。
 そんなある学校でね、後ろの方から
「おもしろくな~い。おもしろくな~い」
ってコール飛ばしてるのが居たらしいんですよ。そりゃ、周りの学生もいっぺんに白けちゃいますから、話してる方は困っちゃうわけです。

 まぁ、どうしようかと思いまして、ヨシ、やるかと壇上からつかつかと降りてきましてね。一番後ろの「楽しんでいらっしゃらない方たち」の前に立ったわけです。さすがに学校の関係者が慌てて駆け付けたわけなんですが、いいから、いいから、任せておきなさいと制しまして、その男の子たちに向かい言い放ったそうでしてね。

「血気盛んなようだから、どうだ、ここはひとつ、私と立ち回ってみようじゃあないか」

 先生方は色を失っていたようですが、まだ肉体が若々しく腕に自信のありそうな徒党の前に、もう若くない円楽さんが単身乗り込んで、勝負を挑んだわけですなぁ。

「私は剣の覚えがありますから、ハンデをあげようじゃないか。諸君は竹刀を持ってよろしい。私はこの、爪楊枝一本(記憶曖昧)でお相手をする。君たちが勝ったら、私は大人しく帰ってやろう。その代わり、私が勝ったら、大人しく話を聴いてくれるね?」

 おっしゃおもしれえってなもんで、若者が入れ替わり立ち替わり飛び掛かるも、右に左に、ひらりゆらりとかわしては、バッサバッサと薙ぎ倒します。もちろん怪我をさせるような無粋はしませんが、相手も力に憧れる男児、力の差を認めれば潔さを見せ、見事全員に頭を下げさせたわけでしてね、「教育とは、かくある哉」と笑いて壇上に戻ったそうでございます。いや、武勇伝をご本人から直接伺えるのは、なかなか楽しゅうございました。しかも落語家の真打ですからね、そりゃあ、身振り手振りを交えながら、今、まさに目の前に斬りかからんが如く話してくださるのが「おもしろくな~い」はずがないわけですよ。



 そうしてまた、ご機嫌の態で生徒会の役員に導かれ、お帰りになったわけなんですが、どうやらね、生徒会にいた友人から聞いたところ、本当にご機嫌で話してくださっていたようなんです。実は時間がオーバーしていまして、マネージャーかなんかの方が、次の予定を気にしてキリキリされていたようなんですが、円楽さんは「いいんだ、いいんだ」と、マネージャーをなだめていたのだそうです。



 さっきも書きましたが、やはり、話、噺をする者にとって、観客というのは非常に大きな存在らしくてですね、その時の観客が「最高のお客さんだ」と、べた褒めしていたようなんです。

 最初に「座布団一枚ッ!!」のことを書きましたが、それに気を良くされた円楽さん、壇上でマイクの前に立ち、

「落語家って言いますのも、へらへら笑っているだけの職業だと思われる方も多いようなんですけれどもね、
 我々も結構――――――マジだぜ!?(ドヤ笑顔

なんてね、二十五年経った今でも目に焼きついたように思い出されますが、生徒の方に向かってね、どだ? まだ若いぜやるぜ? なんて顔でニカッと笑うんですねぇ、これがまたバカ受け致しまして、また円楽さんは機嫌を良くされたものです。不思議なものでしてね、まっすぐ前に向かって、でもちょいと首を傾けて、どやっ? て言う顔がですね、客席のどの位置に座っていましても、自分に向けてどやっ? て語りかけられていると思うような錯覚を感じましたねぇ、これが、真打、いや、師匠、いやいや、総帥のお力なんでありましょうか。


 まぁ、理想のお客像となりますとやはり、笑うところは笑ってくれる、聴くところは静かに聴いてくれる、話の行く末を身を乗り出すように楽しみにしててくれるってところだと思うわけですが、「本当に今日のお客さんは、い~いお客さんだった!」と感激してくださいましてねぇ、それであんな内容のお話をされたのだと思います。



 私の母校ってのもね、ちょいと一風変わっておりまして。

 まぁ、そこそこお勉強は出来る。でも、なんかおかしなこともやっちゃう。ハジケちゃう。

 そんな校風がね、落語の観客として理想像たる雰囲気を醸し出していたのかなぁ、と、今でも誇りに思っております。



 彼氏にするのにも打ってつけですよね。理想の彼氏だと思いませんか?




 あ、マイクの音量小さいですか?









 彼氏にするのにも打ってつけですよねっ!!(^-^;)
















 ごめんなさい <(_ _)>







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