烏鷺鳩(うろく)

切手・鉱物・文学。好きな事楽しい事についてのブログ

スタンプショウ2018 & 埼玉ミネラルマルシェ (2)

2018-04-21 | 切手


ディーラーズ・ブースのある5階は結構独特な空気が流れている。皆さん、お目当ての郵趣品のつまったファイルや箱の中を黙々とチェックなさっている。
売られているのは切手ばかりではない。使用済みの封筒、葉書、風景印などもたくさん見受けられた。FDCという、初日印(切手の発行されたその日に押される消印)をご覧になっている方々もいらっしゃる。


ロータスフィラテリックセンターさんのブースが出ているのでご挨拶に。
「こんにちは」とお声をかけると、
「ああ、プルーストと恐竜の」
と、覚えて下さっていた。
「恐竜ありますか?」
と尋ねると、
「うちでは絶滅しちゃったんじゃないかな」
とのお答え(笑)。
この日は主に手彫りの切手(戦前のすごく古くて貴重な切手)を出していらっしゃっていた。玄人向けの出品である。私は隅っこの方の席で、外国切手のぎっしり入った箱を物色する。
様々な切手や、海外からの郵便物と思われる使用済み封筒、FDCなどが何百という数つまっている。これは探し出すのに時間がかかる。
でもそれが楽しいのである。「宝探しみたいだな」とうきうきしながら漁ってみる。お隣に座っていた紳士は、読み込んでぼろぼろになったカタログを片手に、なにやら玄人向けの品をご覧になっていた。そういうの、かっこいいなあ、と憧れてしまうのである。いつか私も、玄人っぽい趣味に移行する日があるのだろうか。いや、当分恐竜切手かもしれないな。でも、そういう玄人っぽい世界を機会があったら覗いてみよう。


と、未使用の小型シート発見!
衝撃!!植物食恐竜が襲われている図・・・。こちらも、ご紹介するのは後でのお楽しみにしよう。


この後5階の会場をぐるっと一周り。アメリカの作家切手を発見したり、格安の沖縄切手を発見したりと、もはや一人お祭り騒ぎである。

切手で満腹になったところで、再び4階の会場へ向かおう。
スタンプラリーをしていたので、思わずコンプリートしてみる。会場内をぐるっと見学すれば自然と8つのスタンプを集める事ができるという仕組みだ。
今年のキャラクターは「うちのタマ知りませんか?」。懐かしい。子どもの頃文房具などの関連グッズを集めた覚えがある。タマ&フレンズ8匹を捕獲。コンプリートの景品は、オリジナルシールである。



どこに貼ろうかなあ?などと思ったのもつかの間、これもストックブック行きになる。私の場合、死蔵が基本であるから。なんでもきれいな状態でとっておきたいのである。ちなみに左側のミルキーは福引きの5等を当てて頂いたものだ。5等にも縁があるのか?


切手の展示作品を拝見した。例えば「航空機の歴史」を、切手の図案を並べて説明したり、「稲作の工程」を切手で説明したり、切手とその図案を描いた葉書などと、その図案に関係のある場所などの記念品を一緒に飾ったりするのである。いわば、「切手を用いた芸術表現」である。どれも興味深い作品ばかりだった。私は特に「フクロウ」をテーマにした作品がいいなと思った。
いつかやってみたいなあ、と思っている。


地味に楽しいワークショップが開催されている。しかも、公式ガイドブックを購入すると、無料で体験できるワークショップが2つも用意されている。
まずは気になっていた「缶バッチ作り」を体験してみる。好きな切手を1~2枚選ぶと、缶バッチの機械にガッチャンと挟んでくれてできあがりである。なんと100円で体験できちゃう。静かに楽しい。



一番最初にぱっと目にとまったのが「蟹工船」切手だった。ちょっと前に作品を読んで大変興味深かったので、何かの縁だと思い、これにした。文学と切手の夢のコラボである。バッチになると結構存在感がある。デザイン的にもなかなか素敵にできたのではないだろうか。わーい、である。さっそくバッグにつけてみた。


無料体験の一つ目、帰宅してからが意外と盛り上がった「使用済み切手つかみ取り」コーナーである。ガイドブックを持っていると、100グラムまでごっそり頂けるというかなりお得感のあるイベントである。楽しい。ごっそり100グラムはこのぐらい。



結構な枚数である。あとで、ぬるま湯につけて延々と剥がす、というのをやってみよう。1日では絶対終わりそうもない量である。帰宅してから見てみると、結構古いものから最近のものまでバラエティー豊富であった。


「ピンセット体験」というのも無料でできた。切手専用の、先が平たくなっているピンセットを使って、好きな切手10枚(使用済み)を黒い台紙のシートの中に入れていく。「ああ、こんな切手もあるのだね」と、意外と盛り上がる。私は「変形切手」を中心に集めてみた。こんな感じである。



実は日本の切手はあまり詳しくないので、過去にこんな面白い形の切手が出ていたということを、全然知らなかったのだ。新しい発見である。後で「さくら日本切手カタログ」で発行年などを調べつつ、2倍楽しむ予定である。


公式記念グッズのうち、「タマ&フレンズ」のフレーム切手を購入し、開場を後にした。



こうして私は「スタンプショウ2018」を「味わい尽く」したであります!(byケロロ軍曹)


せっかく浅草に来たのだから、「神谷バー」で「電気ブラン」と「煮込み」でも頼んでお昼にしよう、と前日まで思っていたのだが、摩訶不思議な現象が起きた。お腹が空かないのである。この食いしん坊の私がである。
「切手で満腹に」なる、と先に述べたが、正にそれが事実となってしまった。気付けば4時間近くが経過している。実際の感覚ではその半分しか経っていない。


埼玉ミネラルマルシェは14時開場である。今日は祭のはしごであるし、別に急ぐ理由はないはずだ。煮込みだって頂けたはずなのだが。


上野駅に着いたところで、一休みしてコーヒーを頂く。この日は初夏の陽気だったため、「アイスカラメルコーヒー」が体に染み渡る。ちょっと苦めの甘さが歩き回った疲れを癒してくれたのか、心身共にすっきりしたようである。
と、小腹が空いてきた。「神谷バー」に寄らなかった事を後悔しつつ、美味しそうなパンを発見したので購入。


取り敢えずは大宮駅へと向かう。目指すは大宮ソニックシティである。鉱物の祝祭が待っている。というわけで、次回へ続く。

スタンプショウ2018&埼玉ミネラルマルシェ(1)

2018-04-21 | 切手


スタンプショウ2018へ行ってきた。それだけではない。同日、埼玉ミネラルマルシェにも行ってきたのだ。切手の祭典と鉱物の祭典が同期間(2018年4月20日~4月22日)に開催されたのだ。いわば「祭のはしご」である。盆と正月がいっぺんに来たのと同じである。すき焼きの後に最高級のステーキを出されたと想像して頂いても結構である。
何が言いたいかというと、私にとってすっごく幸せな一日だったということなのだ。


「切手趣味週間」の始まりである郵政記念日・4月20日に始まるというのは縁起が良い!と勝手に思い、この日を心待ちにしていたのである。というわけで、浅草まで出かけていった。産業貿易センター・台東館が会場である。
今日は夏日になるとの予報もあって、暑い。早くも日ざしがじりっとする。10時開始だが、早めに着いたので開場まで並んだ。
普段は飲食店の行列とか人がたくさん集まる所とか、全力で避けている私だが、スタンプショウとミネラルショウだけは早めに行って並ぶ。並んで何か良い事があるかというと、別にそこまでの良い事は無いのだが、並ぶ。列に静かに並んで気持ちを高める。ブースへ行く順番や何を探すかのイメージトレーニングを入念に行い、準備をするのである。


いよいよ開場である。ディーラーズ・ブース(切手屋さんの出店の事)のある5階へと急ぐ方々を見送り、義理を果たしに4階の展示スペースのある会場へと向かう。まずは主催者ブースでご挨拶である。本当にご挨拶したわけではない。公式ガイドブックを購入して4階会場をぐるっと一周してみたのだ。


様々な展示やイベント、ワークショップが開催されている。その中でちょっと楽しみにしていたのが、「外国郵政ブース」である。チェコ、スロベニア、カナダ、中国の郵政が、記念切手や郵趣品(葉書や郵便関連グッズの事)の販売を行ったり、押印サービスをしてくれるのである。しかも各国、3日間それぞれ異なる種類の消印を用意してくれているのだ。
私の目当てはチェコ郵政である。ミラン・クンデラの故郷でもあるチェコには、何だか憧れというか、ちょっと思い入れてしまうところがあるのだ。
というわけで、チェコのかわいい犬の切手を購入した。消印が犬だから、犬の切手にしてみた。



かわいい!切手の犬もだが、消印のデザインがかわいい!さすが芸術の都(勝手に私が呼んでいる)チェコである。ついでにミュシャが過去にデザインしたプラハ城の切手も買った。
ところで、中国も犬の消印を用意していたが、今年が戌年だからだろうか。


続いて楽しみにしていた「さくら日本切手カタログ」を購入。4月20日、発売日に購入である。日本で最初に発行された切手から、2018年4月20日に発行される切手までが掲載されている。価格の参考になると共に、眺めていて実に楽しい。



このカタログは毎年郵政記念日が発売日だ。何度も言うようだが、こいつは春から縁起が良い。郵政記念日は、郵趣家にとって誕生日の次に大事な記念日である。多分。


ある程度4階を満喫したところで、5階へと向かう。なんと32もの切手屋さんが全国から集まるのである。鼻息が上がっても致し方ないだろう。
しかしながら開場は至って落ち着いているかのように見える。各ブースの前にもうけられた机の上には、たくさんの切手が納められたファイルがずらっと並ぶ。椅子に腰をおろして物色である。どのようにして切手を購入するのかというと、ビニール袋に入った切手が貼り付けられたページがファイリングされているので、そこから欲しいものをページごと抜き取る。ストックブックに入っているものは、ピンセットで欲しい切手と値札を一緒に抜き取るのだ。
皆さん、静かに、だが熱心にファイルをご覧になっていらっしゃる。こういうシーンを写真に納めておけば面白いのだろうけれども、色々失礼になるかもしれないので撮影は控えた。あしからず。


ところで、スタンプショウに来ていらっしゃる方々をみると、平日という事もあるかもしれないが、かなり年齢層が高いようにお見受けした。要は、おじ様ばっかりなのである。熱心だけど、落ち着いた雰囲気である。ブースとブースの間も広くもうけられているので、それほど込み入った感じもなく、じっくり切手を選ぶ事ができる。
その中に、こぎれいな「切手女子」達がちらほら。「かわいい切手」ファイルがそこかしこに見かけられ、そういったファイルを熱心にご覧になっている。素敵だ。しかも彼女らは何か手作りの品にそういった「かわいい切手」を活用なさるとも聞いた。そういう使い方ができるなんて良いじゃないか。
その一方、そうしたファイルに目もくれず、ひたすら目をこらして「恐竜」、「古生物」、「先史時代の生物」ファイルを探していたのが何を隠そう、この私だ。
もうほんと、この日は「恐竜祭」である。大収穫だった。かねてより欲しかったクラシックな切手がどかどか出てきた。
最近、コレクションの方向性をもうちょっと大人びたものにしたいものだと思うようになった。それでちょっと古めで、発行に意味合いのあるものだったり、図鑑などに紹介されているようなものも探す事にしているのだ。
もちろん、見た事のないおもしろい恐竜切手も外せない。



恐竜関係の漁獲である。これは今後小出しに紹介していこうと思っているのでお楽しみに。


そんな中でこの日一番のおもしろ恐竜切手があったのでご紹介しよう。今回の恐竜切手漁獲のうち、まさに白眉とも言える一品である。それがこちらのスティラコサウルスの切手である。2002年にモザンビークで発行された切手である。



かわいい!どうだろう、このポーズ!襟飾りの裏側辺りがちょっとかいーので、後ろ足でカシカシと掻いたところの図案だ、と思う。犬やなんかが耳の後ろを掻く時にやる、あの仕草である。
ここで、「いや、これはきっと御不浄の直後だ」と思った方もいらっしゃるであろう。
私も最初、ファイルをめくっていて「なぜにこのポーズ?」と固まったのである。後ろに木が描かれているところといい、「ちょっといいの?この格好?!」と思ったのだ。まさかと思ってファイルから抜いたのである。「はばかり」ポーズなのか?いやいや、絶対「かいーのでカシカシ」の方に違いない。その方がかわいいのでそういう事にしておこう。



というわけで、この先はまだまだ続くので、次回へ。