烏鷺鳩(うろく)

切手・鉱物・文学。好きな事楽しい事についてのブログ

郵政博物館:「THE STEAMPUNK -螺子巻奇譚-」

2019-03-12 | 切手


春の足音が近づきつつある、3月のとある日。芽吹きを促すような雨が降る中、郵政博物館に行ってきた。



「明治改元150年企画展『THE STEAMPUNK -螺子巻奇譚-』」が開催されていたのだ。「スチームパンク」という言葉に惹かれて興味を持ったのである。と言っても、私は根っからのスチームパンカーではないのだが。せいぜいジュール・ヴェルヌの小説を好み、歯車とか真空管とか、エジソンランプなんかにノスタルジーと魅力を感じる程度の愛好家である。
それに、郵政博物館へは一度も行ったことがないので、良い機会と思って訪ねた次第である。「東京スカイツリータウン・ソラマチ」の9階である。


さてさて、まずは常設展。



入り口には「俵谷式ポスト」(複製)がお出迎え。まずは郵便の歴史を学ぶコーナーである。
明治37年に俵谷高七により考案された「自動郵便切手葉書売下機」なるものまであった。こちらは実用には至らなかったとあったが、100年以上も昔に切手の自動販売機があったなんて驚きである。私は中学生位の時に自動販売機で売る「コイル切手」の存在を知り、わざわざ販売機から切手を買いに、街の大きな郵便局まで出かけた思い出がある。時代は全然違うけれど、なんだか懐かしい思い出を喚起された。

郵便に関する様々な資料が展示されている中、衝撃的な物が!



「郵便保護銃」である。明治6年とある。
「郵便物を守るために交付されたものです。当時の記録には、『郵便逓送脚夫護身用短銃(ゆうびんていそうきゃくふごしんようたんじゅう)』と記されており、6連発式のピストルでした。」
勉強不足なのだが、当時の郵便物は、強奪される危険性が高いものだったのだろうか。郵便屋さんが銃携帯である。大変興味深い。



投函口を回して開けるタイプのポストがあった。



「大賀式自動押印機」(手動)。大正13年には実用化されていた。こちら、葉書だけでなく封書にも対応可能で、1分間で葉書を500枚処理できたというのだ。
電気式ではなく、こういった手動の「自動機械」って、「どういう仕組みになっているのだろう」という興味が尽きない。なんというか、「こいつはすごいものだぞ」という感じが、どういうわけだか電子機器よりも強い気がするのだ。




続いてスチームパンクの世界へ。歯車のかみ合う音、モールス信号の音が鳴る中、企画展のコーナーへと入る。



電信機の数々が並ぶ!!例えば、ジュール・ヴェルヌの「ノーチラス号」なんかにこういった機械が装備されていそうだ!!





やっぱり逆説的だけど、スマートフォンよりなんだか「すごいじゃないか!」という気がしてくるから不思議である。
きっと、こういう機械の方が(知ろうと思えば)仕組みが分かる分、魅力的なんだろうか。ちょっと説明しがたいのだが、現代においては身近でありふれた素材で作り出せるのだが、その分、そのアイデアのすばらしさ、思いつきの鋭さが際だつというか。こういう発明の積み重ねに現代の技術が成り立っているのだなあ、と感心してしまうのだ。



こんな素敵な帽子が展示されている。これをかぶって「スチームパンク風」コスプレができるコーナーまで用意されている。



こちらは日本が開発した世界初の「TYK式無線電話機」である。もう完全にノーチラス号の世界だ。

木材と金属でできた機械の数々。かすかに木と金属の匂いが漂っているような気がした。


さて、お楽しみのミュージアムショップである。
外国の使用済み切手、FDC(初日印カバー)や使用済み封筒などがわんさか!!じっくり座って物色する。
なかなか恐竜切手が出てこない。と、恐竜ではないが「首長竜」のFDCを発見!!しかも素敵なデザインだ。マキシマムカードっぽくもあり、これは興味深い物をみつけた。
中央には、日本のちょっと古めの切手がシートごと山になっている!!しかも額面販売だったりするからお得である!!
小型シートから、「沖縄国際海洋博覧会」の小型シートと、2017年のお年玉切手シートを選んだ!



今回の漁獲はこちら!!それぞれ面白い切手なので、こちらも小出しにご紹介できればと思っている。

ちなみに、3月1日で郵政博物館は5周年を迎えたので、葉書をプレゼントされた!



左は今回の企画展のポストカードである。部屋の壁にでも飾ろうかと思っている。


じっくりたっぷり、郵政博物館を堪能したので、ちょっと休憩。ソラマチの1階にチョコレート専門店のカフェがあるのだ。「マックス・ブレナー・チョコレート・バー」である。
おすすめのホットチョコレート。ミルク味にした。



かわいらしいカップに入ってやってくる。「ハグマグ」というのだそうだ。両手で包み込むようにして、細くなっているところに口を付けて頂く。美味しい!疲れた体に染み渡る甘さである。思ったより甘めだったので、今度はビター味にしようと思う。



この魅力には抗えない!!マシュマロとチョコレートのピザである。こちらは期間限定で「アフマド・ティー」とコラボした、ミルクティーのホワイトチョコ味のピザである。
紅茶の茶葉が良い香り。ベリー類やきれいな花びらが添えられている。ぺろりといけるちょうど良い大きさだ。幸せである。


こうして、スチームパンクに切手とチョコという魅惑のひとときを過ごし、スカイツリーは見上げるだけにして、その場を後にしたのである。



あ、バスのナンバーも「634(ムサシ)」だ・・・。

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