【ワシントン=中村亮】バイデン米政権は13日、北朝鮮が軍事装備品や弾薬を詰めた1000個以上のコンテナをロシアに送ったとの分析を明らかにした。見返りとして北朝鮮が戦闘機や地対空ミサイルの提供を求めていると指摘した。
米ホワイトハウスによると、北朝鮮は9月7日にコンテナの輸送を始めた。コンテナは船舶と鉄道を使って10月1日にロシア南西部に到着した。ホワイトハウスは証拠とする衛星写真を公開した。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は記者団に対し、ロシアが装備品や弾薬をウクライナ侵攻で使う可能性があると懸念を示した。ロシアは米欧の制裁を受けており、弾薬確保が急務になっている。
北朝鮮はロシアから戦闘機や地対空ミサイル、装甲車などの調達を目指しているという。カービー氏は詳細に触れなかったが、ロシアから北朝鮮への軍事物資の提供が始まった可能性があるとの分析に言及した。
カービー氏は「ロシアから北朝鮮への技術移転を含めて両国の軍事協力の拡大は地域の安定などを傷つける」と非難した。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は9月、ロシア極東を訪れてプーチン大統領と会談した。バイデン政権は両国が軍事協力を強化するとみて警戒を強めてきた。
日経記事 2023.10.14より引用