ファーウェイ製スマホとして価格は最も高い水準になる(同社のSNSより)
【広州=藤野逸郎】
中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は10日、三つ折りの折り畳み型スマートフォン「Mate XT」を発売すると発表した。
画面をすべて広げると10.2インチとタブレット端末並みの大画面になる。1万9999元(約40万円)からで、米アップルの新型スマホ「iPhone16」と同じ20日に中国で発売する。
同日の発表会で余承東・上級取締役は「世界で最も画面が大きく、最も薄い折り畳み型スマホだ。
業界の歴史を書き換え、新時代をリードする」と語った。画面をすべて広げた際の厚さは3.6ミリメートルになる。
画面をすべて開くとタブレット並みになる(ファーウェイのSNSより)
画面の右側で生成AI(人工知能)への質問とそれに対する回答のやりとりを表示し、残りの画面に回答の根拠となった資料を表示するなどの使い方ができる。
屛風のように折り畳め、最も小さく折り畳んだ状態だと通常のスマホと同じような画面の大きさで使える。一部だけ開いて二つ折りスマホと同じ使い方もできる。
搭載する電池の薄型化に加え、画面を折り畳む際に外側に伸びる力が加わる部分と内側に折れ曲がる圧力がかかる部分があり、開発が困難だったという。コストがかさむため、価格は同社製スマホとしては最も高い。
三つ折りスマホは中国の伝音控股(トランシオン)や韓国サムスン電子などもコンセプトモデルを発表しているものの、量産を始めるのはファーウェイが初とされる。
反響は大きく、ファーウェイの公式サイトで7日午後0時8分から予約の受け付けを始め、10日午後4時までで390万人を超える予約が入った。一部の実店舗も予約を受け付け、広東省深圳市の旗艦店では「開始2時間で上限に達した」(担当者)。
ファーウェイは24年10〜12月に新開発の基本ソフト(OS)を搭載した旗艦モデル「Mate70」を発売する。中国のスマホ市場では同社のシェアがさらに拡大する可能性が大きい。
日経記事2024.09.10より引用