【ロサンゼルス=中藤玲】米大リーグのドジャースに所属する大谷翔平選手は25日(日本時間26日)、通訳をしていた水原一平氏の違法賭博関与について初めて記者会見を開いた。
声明を読み上げ「借金返済や送金に同意したことはない。自分の口座に勝手にアクセスされ、お金が盗まれていた」と説明した。
米ロサンゼルスにある本拠地ドジャースタジアムの記者会見室に、試合前に姿を見せた。記者からの質疑は受け付けなかった。
ほとんどが立ち見の約100人の報道陣を前に、大谷選手はまず「信頼していた方の過ちが悲しく、ショックを受けている。
チームの関係者やファンの皆さまにとっても厳しい1週間だった。現在進行中の捜査もあるので話せることに限りもあるが、経緯を説明したい」と切り出した。
水原氏の賭博や借金について、机上のメモを読み上げる形で「自分が借金などについて知ったのは韓国での初戦の後のミーティング。
水原氏の『大谷が肩代わりしていた』という説明は全て噓で、自分がスポーツ賭博をしたり送金をしたりした事実はない」と関与への疑惑を否定した。
大谷選手の説明によると、メディアから同選手の代理人に「大谷がブックメーカー(賭け屋)に関与しているのではないか」と問い合わせがあった。
水原氏は当初、「友人の借金の代理として支払った」と代理人に答えていたが、翌日の聞き取り調査では、水原氏自身がつくった借金だと認めた。
その際に水原氏は「借金は大谷選手が肩代わりした。彼ともコミュニケーションを取っている」と代理人に伝えていたが、大谷選手によると「これらは全くの噓だった。自分は取材依頼があったことも知らなかった」という。
20日の韓国・ソウルでの開幕戦の夜にミーティングが開かれ、水原氏からチームに説明があった。
英語での内容だったため大谷選手は「完全には理解できておらず、おそらくは理解できたが違和感があった」。その後にホテルで水原氏と話し、巨額の借金があったことを知ったと説明した。
「その時に口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金したということを伝えられた」「弁護士は『これは窃盗と詐欺なので警察に引き渡す』と言った。
当局の捜査に全て協力する」。大谷選手はそう述べた一方で、水原氏がどのように口座にアクセスできたのかは明言を避けた。
大谷選手は会見を「正直ショックという言葉が正しいと思わないし、それ以上の言葉では表せない感覚で1週間を過ごしてきた。
気持ちを切り替えるのは難しいが、話せる機会をもうけてうれしい」と締めくくった。
スポーツ専門局ESPNなどによると、水原氏は違法ブックメーカーに借金があり、大谷選手の口座から少なくとも450万ドル(約6億8千万円)が送金された。
税務を所管する内国歳入庁(IRS)や大リーグ機構(MLB)も調べを進めている。
ESPNの取材に対し、水原氏は大谷選手が賭博に関与していないと強調している。当初は大谷選手が借金を肩代わりして送金したという趣旨の証言をしていたが、後に撤回した。
大谷選手の弁護士は「大規模な窃盗被害に遭った」と主張しており、同選手が違法賭博や胴元への送金という認識があったかどうかが焦点になっている。
ドジャースは24〜26日にエンゼルスとオープン戦3連戦を実施している。28日から公式戦が始まるのを前に、大谷選手や球団に説明を求める声も高まっていた。
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日経記事2024.03.26より引用
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ゴメン、誰も信じていない。 おそらく、ドジャースが雇っている優秀な弁護士からこう言いなさいと命令されたのでしょう。