ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

ふとした事

2024-01-21 | わたしの思い

私たちが後に残すものよりも、はるかにはるかに良いものがこの先にある。

C.S. ルイス

 

末娘一家4人は新年早々から風邪引きで、しかも私を含めて喘息持ちだから、ネビュライザー使用とインヘイラー2種使用で忙しいこと。治りは遅々としているが、先週よりはましになった。娘はいわば病み上がりの私の「世話」をするのも同居の目的と一人で決めていたが、実際は逆で、私が一家の世話をする方が多くて、申し訳ないと言う。

勤めていた大学院を引いた私は、それが今の仕事だと思うし、幼子2人を抱える娘の手助けをするのは一向に構わない。かつては5人の子供たちが全員水疱瘡にかかったことも経験している。一応今のところ、キャンサーフリーの状態なのは、ありがたく、再発すればすれで、夫が早く迎えにきてくれれば、などと構えている平和さ。



私の喘息も多少落ち着いてきた金曜日は、Whole Foodsというオーガニック・健康志向者向けの食糧品やアロマオイル中心のグローサリーストアへ出かけることにした。気に入っているサワードウのパン2種を仕入れたかったし、ここのオリーブ・バーで、オリーブオイルに浸かったピクルスマッシュルームとオリーブを備えてある容器に入れて買うことも。そして青果売り場では、オーガニック栽培のサツマイモを選んだ。その他の必要な品をカートに入れ、最後にベイカリーで焼き立てのブーレと呼ばれる丸いサワードウのパンを選んだ。レジに並ぶ前に生花コーナーで小ぶりのバラの花束を一つ。今月で半年経った夫の墓前に供えようと思ったのだ。

この店は、Amazonと提携して、携帯電話で店内コードを使うと、割引になる。キャッシャーがすぐスキャンしやすいように、コードの画面を取り出しながら、レジの列に並び、支払う時、私の後に並んでいた紳士に、「グローサリーショッピングに、花束を加えるのは、なんと素敵なことでしょう。」と声をかけられた。

「夫の墓前にお供えしようと思いまして。」と返すと、彼はレジ台の上にあるバラ売りのキャラメルの一つを私に差し出し、「これはとても美味しいですよ、あなたに差し上げます。」と言い、キャッシャーに代金を渡した。

普段ならば、丁重に断る私だが、その時、この紳士は私の返事に心をつかれたのかもしれなかったと感じ、咄嗟に「まあ、ありがとうございます。いただきましょう。」と一粒50セントほどのキャラメルを受け取るのが礼儀に叶うのではないかと思った。

そんなふとした見ず知らずの方との短い交流は、私に笑みを浮かべさせた。アメリカの詩人で作家のJack Kerouac(ジャック・ケロウアック1922〜1969)を好むような、それでいてその作家の深酒癖とは隔たった人生を歩いていらした方と、その瞬間感じた私は、車に戻りながら、「それにしても、キャラメル貰っちゃうなんて。。。」と苦笑い。生きていることは面白い。


笑みの元

 



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