ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

新しい年に

2024-01-17 | わたしの思い

人生に大きな変化の風が吹いて、吹き飛ばされそうになったとき...目を閉じて、しっかりと耐えて、信じる。




最後の投稿から早半年も経て、ようやく記事を書くことになった。 
夫の葬儀・埋葬の翌日から私の化学療法が始まり、3ヶ月余りで終了後、すぐに放射線療法が始まり、11月の感謝祭の週に終了した。夫が私の半身を持って行ったかのような自己喪失感は変わらないが、師走に末娘一家4人が越してきて、自分の声のエコーを聞かずに済んでいる。5寝室、書斎、フロントルーム、居間、食堂、キッチンダイニングというかつて7人家族が賑やかに住んでいた家は、私一人が住まうのには、あまりにも無駄で、用心も悪いからである。

拙宅の後と横の庭にはストーンフルーツ類(核果ー硬い種のある桃、チェリー、杏、ネクタリン)や柑橘類一揃い、それにイチジクの果樹があり、前庭には大きな葉のプラタナスや花無し梨とやはり花のない桜系の樹木もあって、秋の落ち葉集めさえも私一人では手に負えない。夫が今までしてきた果樹の手入れや庭仕事には、私一人ではヤードケアを雇わねばならない。なにせ芝生の手入れさえままならない。ほぼ毎週末に眼科外科医として開業しているニューポートビーチからやってくる長男は、庭仕事をこまめに見てくれてはいるが、その手指を傷つけたりしては手術や治療に差し障ると私は杞憂に過ぎないとは言えず、心配していた。

すると娘夫婦はそれならば、娘一家が一緒に暮らせば、家の世話や私の話相手になれる、と提案してきた。長女家族も近くに住まいを構えているが、気に入った家を買ってまだ10年ほどで、その点末娘夫婦は家を探していた矢先だった。末娘の夫は地元の弁護士事務所の一員となり、なにか必要とあれば、すぐ週末はもちろん、週日でさえ即座に力になれるし、娘の夫の法学校での学生ローンを早く返済するために、賃貸料なしのここで住めば、孫たちが、この地域の優秀学区で就学できるのも魅力である。

夫の亡くなるひと月前には、夫とこの件について話し合い、夫は心から歓迎していた。私一人ここに残していくことを大変に気にかけていた夫だったが、人生の卒業は誰にでもあり、できるなら残される私が不安なく暮らせることを常に願っていた。おかげで、確かに義理息子は週日でも私のさまざまな税金関係書類やなにかの手続きなどすぐに相談に乗ってくれる。ついでに電気配線関係のあれこれにも通じ、日曜大工もお手のもので、実に役立つ「婿殿」だ。特に夜間、私一人が暗い家の一室で怯えずに済む安心を提供してくれている。

二人の孫息子たちは4歳と7ヶ月。兄はプリスクールへ行き、弟は、愛嬌のある乳児である。孫たちのそれぞれの部屋は若い両親らしいアイデアにあふれ、皆すっかりこの家に馴染んでいる。この兄は、たった4歳ではあるが、夫が息を引き取った数時間前に訪問していて、夫の右手を握りしめ、明日また来るね、と話しかけ、夫は、その子の瞳を見つめながら何度も何度も”I love you, I love you..."と囁いてていたのが最後の会話だった。夫は末娘の次男、私たちの10番目の孫の誕生を5月に迎え、とても喜んで会えたことを感謝していた。

夫が「卒業」してから、とても不思議なことがいくつか起こり、夫のいる霊界は、実はヴェール一枚ほどの隔のあちら側だという感覚がある。なにがあったのかは追々書くことにしよう。

*******

私の忌引や治療中、拙ブログを訪問してくださり、温かいコメントもいただき、感謝に絶えません。ご存知のように、忌引、服喪は、きちんと線引きされた終了があるものではなく、あるいは終了があるのかさえ、個人個人異なりますが、少なくとも半年経って、日々泣き濡れて世を儚む、ということは落ち着いてきていて、それよりも再会の時を希望を持って待っている心境です。それでも日々の細々とした事柄に、津々夫を思い出すことはたくさんあり、そうして思い出に感謝しています。夫は親切で、忍耐強く、まず私や家族のことを常に先行させ、また助けの必要な方々には手を差し伸べ、キリスト者として試しの世を果敢に生きてきた人として、良き模範を示してくれました。学生時代からのお付き合いで培った歴史や思い出は、今は生きていく上での糧となっています。

家族は永遠

故意にぼかしています。

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3 コメント

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お待ちしていました (ムベ)
2024-01-18 08:02:37
すべてに主の備えと祝福を見せていただけることは、クリスチャンの励ましとなります。主は本当に家族を通して、慰めと励ましをくださいますね。
子供たちは主のたまもの!ご主人が遺してくださったプレゼントですね。

私は家終いをしまして、次男が建てた家に呼ばれ喜んで新しい地に来ました。
一人暮らしの緊張から解かれて、初めての地でのんびりさせてもらっています。
イエスさまの備えはいつも完璧です。感謝ですね。
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Unknown (aromadeyui)
2024-01-18 09:14:28
こんにちわ
家族のつながりは尊いですね^_^

友人が家族だった犬がなくなり喪失感の中で、毎日供える線香の白檀の香りに癒された、と言っていました。

線香の香りは、彼岸の霊に届けるだけでなく、こちらの岸に立つ者の魂を癒してくれます。
白檀(サンダルウッド)、シダーウッド、
お役に立てれば幸いです。

どうぞお元気で。
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おかえりなさい (ハブグレジュンタのマミー)
2024-01-19 12:44:28
びっくりと言うか嬉しいと言うか。
兎に角、おかえりなさい。
待ってましたよ。私のブログと違って思慮深いままちゃんのブログを。
末娘さん一家が越してきてよかったですね。一人じゃ寂しもの。思いやりのあるお子さん義理さんお孫さんたちに囲まれて幸せです。
私のところは孫はまだ一人ですよ。
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