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ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

見知らぬ人の祈り

2021-03-09 | アメリカ事情

Photo: GregAdaline グレッグ・アダライン氏ウォルマートのトラック運転手さん。

 

 

 

2021年1月21日にFacebookで見かけた投稿は、パンデミック禍に喘ぎつつ、見えないトンネルの出口を探し続ける日々に少なくとも小さな灯りを心に灯してくれた。自粛や自宅待機や家籠りが続き、荒み始める心をまるでギレアドの軟膏*のように鎮めてくれた。

 

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「ウォルマートでさっさと手早く必要ないくつかの品を手にしていました。

店はそれほど混んでいませんでした。

その忙しい買い物中、いくつかミルクのカートンを店の後ろ側の冷蔵庫から掴み、チェックアウトに向かって歩き始めました。

ホステス・ケーキのディスプレイの近くに立っている男性が、買い物客が棚を一掃するように物をカゴに入れているのを見ているのに気づきました。

彼は洗濯糊のよく効いた青いユニフォームと帽子をかぶっていました。彼の手は荒れていて、日々の力仕事を相当しているように見えました。

彼は笑顔を浮かべていました。

客が棚に群がっている様を見て、「ちょっとクレイジーじゃないですか?」 と私はすでに空になりつつある棚に言及して言いました。

「それは…」彼は笑いながら言いました。 「私はこのような様を見たことがありませんよ。」

私は彼のユニフォームにパッチがあることに気づきましたが、安全な「社会的距離」からそれを読むことができませんでした。

"どんなお仕事をしていらっしゃいますか?"私は尋ねました。

「私はウォルマートのトラック運転手です。」

 

どういうわけか説明できませんが、それを聞いて、私は胸がいっぱいになり、感極まりました。

「あなたはヒーローです…」と私は言いました。

「いや、そんなことはないですよ、本当に。私は自分の仕事をしているだけです。私たちはこれを乗り切れますよ。」

運送中路上の長い日々を過ごすことについての会話を私たちはしました。彼の仕事が今現在この国で私たちの現在の窮状にどれほど重要であるか...そして彼がトラック一杯の食料と物資を店に運ぶとき、彼が今如何に歓迎され、一般市民に受け入れられているか...人々は今、彼の仕事に完璧に新しい感謝を持っています。

ここ最近は彼の仕事は仕事以上のものです。それは使命です。

彼が運搬中、彼の妻は彼のために祈っていると私に言いました。そして、そうした祈りが彼を安全に保つことを深く知っていると彼は言いました。

それを聞いて私は、「あなたのために今祈ってもいいですか?」と聞かざるを得ないと感じました。

彼は喜んで同意しました。

私は声に出して祈りました:

「親愛なる主よ、この方に感謝致します…そしてこの危機の間に彼が助けてくれている重要な仕事にも感謝致します。彼を安全で健康にお保ちください。彼と彼の奥様を祝福してください。私たちの国が直面しているこの状況が、あなたの助けによってじきに過ぎ去ることを祈ります。イエスの名において、アーメン。」

彼は私にも祈りを捧げてくれました。

そしてそれから私はチェックアウトに向かったのです。

この出会いは、私たちがこの国が確かに彼のような良い人々によって存続することを思い起こさせました…このような人たちのおかげなのです。

私たち全員に利益をもたらすために、ファンファーレなしで信じられないほどの仕事をしているのです。

 

*ギレアドの軟膏: 旧約聖書エレミヤ書8:22 "ギレアデに乳香があるではないか。その所に医者がいるではないか。それにどうしてわが民の娘はいやされることがないのか。”から。ギレアドの軟膏は、三賢者がキリスト誕生に贈ったフランキンセンス(乳香)同様に癒しを意味する。パレスチナ山地のギレアドに自生するカンラン科ギレアドバルサム常緑小高木の樹液から作られ、傷病に効能を発揮することから、癒しの意味でイエスキリストを意味する。

 


マントのないヒーローに

2021-03-07 | アメリカ事情

DC Super Hero "Wonder Woman"

 

 

 

日常のヒーローは、思いがけない時に思いがけない所にいる。空を飛ばず、マントさえ翻さないが、確実にヒーローなのだ。それは時に疎ましいとか、面倒だとかそんな思いを抱いてしまいがちな人々の中に潜んでいる。そして一番ヒーローが必要な時に、現れて、無言で静かに助けてくれるのだ。このパンデミックで一つ学んだことは、そうした方々が実に多く世の中にはいらして、無私で日夜人類の平和や安寧に地道に取り組んでいらっしゃることだ。


「これは私の義母シャロンです。

彼女は私に、人を見るとき、あなたが期待している人としてではなく、その人自身の姿を受け入れることが重要だと教えてくれました。

最初に義母に会ったとき、私は彼女の厚い南バージニアのアクセントを理解するのに苦労しました。そして、その南部の受動的でありながら、威張った風にも聞こえる話法から、彼女が少し偉そうに見えました。しかし、彼女が私の愛する妻にとって重要であることを知っていたので、少なからず人々がするように、お仕着せのように自分の人生に加わる家族を強制されたときに私は不承不承受け入れたのでした。

5年経っても、私はまだ彼女のことを本当に知りませんでした。

すると私の妻が30歳で白血病に罹ったのです。私たちの世界が粉々になり、永遠に変わってしまったとき、シャロンは非常に静かにそして非常にしっかりと、彼女がその役割のために生まれてきたかのように、降って湧いたような役割に足を踏み入れました。彼女のベトナム帰還兵である夫と共に私たちの家に移り住み、ミッシェルの看護人になりました。

過去2年間で、彼女はほとんどの食料品を購入し、ほぼすべての食事を調理し、全ての洗濯と掃除を行い、彼女の夫と娘(私の妻)の二人のために、300回以上の医師の予約のほぼすべてに車を運転して連れて行き、数万個の錠剤を分類し、毎日時間通り二人が摂取することを確かめてきました。

そしてこうしたことを彼女は6ヶ月前に自分自身が癌と診断されたときでもしました。彼女が乳房切除術を受けたときも、化学療法を受けているときも。

彼女は働くときにハミングします。彼女は聞く人がいないときに独り言を言い、謙虚さと優雅さを持って毎日忙しく歩き回っています。

今朝仕事へ出かける前にこの写真を撮りました。彼女は私がそこにいることを知りませんでした。

みなさん、これは偉大なる人が静寂な朝にどのように見えるかです。娘が病気になってから300回目のオートミールの出来上がりを待っているところです。

 

 

誰もが自分たちの生活の中で現実世界のスーパーヒーローを持つことができるわけではありません。

だからこそ私は毎日感謝の気持ちでいっぱいです。」

ー1月21日付けのスコット・マン氏のFacebookから。

 

 

 


ライトの話

2021-03-05 | アメリカ事情

 

 

ついこのあいだ、2月27日、コロラド州の女性は、雪降りしきる中、自宅の裏の畑でライトセーバーの戦いをしている2人の見知らぬ人を撮影した。

「バルコニーに立って、雪が降っている華氏30度(摂氏−1度)という日に、ライトセーバーで戦っている二人の男性を見ることができるのはコロラドだけでしょう」とアンジェリーエリザベスさんはFacebookで述べている。

 

 

ライトセーバーは、ご存知スターワーズの大事な「刀」であり、下のお借りした図でご覧のように、たくさん種類がある。緑、青、赤、紫、白のライトがあり、つまり、余程スターワーズに詳しい方以外は、悪い人は、赤色ライトで、良い人は緑で、アナキン・スカイウォーカーの幼少時代は青なのね、程度の知識で十分やっていける。

 

https://hitokoto-mania.com/lightsaber/ ヒトコトマニア様のウェッブペイジから拝借

 

我が家には5本のライトセーバーがあり、いつ宇宙戦争が起きても備えはできている、と孫息子たちは信じている。中には効果音付きのもあり、それは6歳と5歳の孫たちに人気が高い。持ち心地が良さげで強そうな技術がなくとも十分戦えそうなヨーダのセーバーを私は好むが、孫息子たちはカイロレンだのダースベイダーのが魅力的で、一応悪ぶりたいらしい。

1977年の最初のスターワーズを学生町の映画館で学生仲間と観に行ったが、この映画は柔道着のような服装、宇宙での未来社会なのに、刀で決着をつけることや、登場人物の名前など、やたらに日本的で面白かっただけで、とても仲間のように興奮して次の作品に期待したい、とは思わなかった。

それからもう44年経って、変則的な時系列順で作品が発表されるために、一体全部で何作あるのか私は混迷をきたしている。先のマンダロリアンに至っては、6歳の孫息子に解説を乞うている始末。そのマンダロリアンは、小さなヨーダを抱いているから、まるで70年代に流行った子連れ狼のようである。つまり私のスターワーズの知識は非常に乏しく、格好の良いライトセーバーしか知らないわけである。

今、人類は、スターワーズではないが、得体の知れないCovid-19ウィルスと日夜戦っている。そしてその殺菌除菌に効果があるのは、紫のUVライトで、それを使用して病院や会社や学校などで消毒が行われている。これはまさに現代のライトセーバーであり、ライフセイバーである。

1971年頃にスターワーズの構想を練ったジョージ・ルーカスはその50年後、こうしたライトがライトセイバーのようにライフセーバーとして実際に除菌・殺菌という点で活用されるとは思いもしなかったことだろう。


パンデミックの詩

2021-03-01 | アメリカ事情

 

 

 

 

夫と私は、2月27日ライトエイド薬局で、モデルナ社のCovid-19ワクチン接種#1を受けた。エッセンシャルワーカーリストに私の職も入っており、オフィスのスタッフも接種を受け始めている。痛むのかなと思ったら、あっという間に終わり、痛みは帯状疱疹予防接種の方がよほど痛かった。このワクチン接種が始まったと同時に、感染者入院が減少し始めているのは、朗報であり、やがてこのパンデミックも収まる気配がある。同時にこの古い詩を忘れてはならないだろう。ワクチン接種後だから、とハメを外す理由は一切なく、十分に気を配り、注意していかねばならないから、この詩を持って戒めとしたい。

この詩は1869年にKathleenO’Maraによって書かれ、1918年のパンデミック中に再版された。

 

そして人々は家にいた
そして本を読んで、聞いて、そして彼らは休んで、そして運動した
そして芸術を作り、遊び、そして新しい生き方を学び、立ち止まって耳を傾け、もっと深く、誰かは瞑想し、誰かは祈り、誰かは自分の影に出会った
そして人々は違った考え方をし始め、そして人々は癒された
そして、危険で、無意味で、無情で、無知な生き方をする人々はいなかった、
地球も癒し始めた、そして危険が終わったとき
人々は自分自身を見つけた、彼らは死者のために悲しみ、
そして新しい選択をし、そして新しいビジョンを夢見た
そして新しい生き方を創造し、そして地球を完全に癒した
彼らが癒されたように。

 

1918ー1920のスペイン風邪によるパンデミック禍中の写真

 

やがてこの奇禍は、やって来たように去る。これから100年経っても、人々は再びこの詩を思い出す事を希望している。

 

 

 


火の滝

2021-02-25 | アメリカ事情
 
 
 
 
 
 
 
 

我が家に近いヨセミテ国立公園は、毎年2月中旬から数日間世界中から何千人もの人々が訪れ、歓声を上げたり、カメラでその瞬間を捉えようとする。Covid-19禍中でも、それは起こる。

その現象は、馬の尻尾と呼ばれる滝で起こり、日光、滝の水量によって起こらないこともある。晴れた澄んだ空気も必要である。旱魃が発生しやすいシェラネヴァダ山脈でこの「火の落下」を目にすることは毎年とは限らない。だから目にすることができると、歓声を揚げずにはいられない。

「火の落下」は、2月中旬の日没時に約10分間、条件が揃えば、エルキャピタン岩の東斜面に、見られる。

今年2月16日は、多くの観客を失望させた。人々はエルキャピタン東側にカメラを設置し、今か今かとシャッターチャンスを狙っていた。ところが日没時寸前という土壇場で、雲が出始め、人々は落胆のどよめきを発した。オレンジと赤の入り混じった日没の太陽光が滝を火のように燃え立たせ、まるで溶岩が岸壁を滑り落ちるように見えるはずだったのだ。それまでの豊富な日光と温暖な空気は雲が遮断してしまった。

遠くからやって来た人々の中には、この一年在宅勤務をこなし、この機会にシエラに命の洗濯をしに来たという人も少なくない。二回のワクチン接種を終え、長距離旅行もそう不安ではなくなった自然愛好家も多い。

Covid-19による各種の制限規制で、ヨセミテ公園への入場も毎日通常のごく一部に制限されている。そのため、入場者は入場できたことを感謝し、普段に増してより身近に自然の懐を感じ、さらに規制された人数のために、風光明媚な景色をより楽しめたと喜んでいる。「まるでディズニーランドを自分だけのものにしているような気分」と言う人もいる。

2月16日にファイアフォール(火の落下)現象を目にすることができずとも、公園への入場者はほぼ満足していたようだ。

この現象が知れ渡ったのは、実はごく最近のことで、州外者はほとんど知らなかったことである。それが10年も経たないうちに、「ファイヤーフォール」イベントはあまり知られていない奇妙な現象から、ウイルスのように伝播して行った。このユニークな光景を捉えたドラマチックな写真を一目見れば、その魅力が爆発的に人気を博している理由は簡単にわかる。しかし、新たな注目は、マイナスなことも生じさせる。

ここ数年ファイアフォールを見にくる観光客は、国立公園の自然よりも、まるで遊園地の催し物かのように勘違いし、よって公園の植生は荒らされ、メルセッド川沿いの侵食を起こし、川岸は混み捨て場や公衆手洗いと化し、衛生面は勿論、在来の野生生物・植物に害を及ぼす可能性が大きくなっている。

国立公園管理人たちは、駐車場をヨセミテ滝に限定し、入園するための車線を少なくしたり、ファイアフォール観光客は$35の日帰り予約を確保するように指導し、加えて指定されたエリアまでは1.5マイルのハイキングをする必要性を決めた。

幸いなことに、各予約は、一週間有効で、ヨセミテ公園当局は、最近の雪と降雨のおかげで、今年は2月12日から24日まで見ることができるはずだと言う。つまり、観客は「ファイアフォール」を見るチャンスが7回あると言うことである。

ほとんどの予約チケットは2月の初日に売り切れたが、入場の2日前の午前8時からいくつかのチケットが入手可能である。人気パフォーマーのコンサートチケット同様に、国立公園入場予約は、通常数分で売り切れるので、訪問したい人は迅速に行動しなければならない。

たまたま2月の中旬に入園し、たまたまファイアフォールを目撃したとしても、そうでない日が「ついていない」日であるとは決して言えない。頻繁に入園するカメラマンによれば、「ヨセミテでは決して悪い日はない」。

このとても人気のある国立公園は、カリフォルニア州セントラルヴァレーの住民にとって、大きな庭であり、誇りでもある。エルキャピタンとて、ファイアフォール以外にもその美しさは誰もが感動させられる。そして公園を自然に保ち、管理しているレインジャーに感謝することしきりである。

それでは約3分のヨセミテ国立公園のファイア・フォールをご覧あれ。