ちぎれ雲

熊野取材中民俗写真家/田舎医者 栂嶺レイのフォトエッセイや医療への思いなど

「玄関先までお願いします」はカモを見分けるうまい手

2013-03-10 | 心理
本文と全然関係ないけど、今年の支笏湖氷濤まつりの花火。きれいでしたよ♪


 最近面白かったことの一つを。

 先日セールスがやってきて、インターホンでエコキュートの宣伝だと言うのでいらないと即答すると、
「ご挨拶をしたいので、玄関先までお願いします。」
 なんじゃそりゃ。玄関先まで来いと命令するか。
 挨拶もいりませんと断っても、それでも
「玄関先までお願いします」と譲らない。
 しまいには、「ご主人はいらっしゃいますか。ご主人に玄関先までお願いします。」
 心細~い蚊の鳴くような声で、噛み噛みしながら、いかにも入社したての新人といったお兄ちゃんが言うんだ。

 私は「どこの会社だ。新人に何と言う教育をしているんだ。『ご挨拶をしたい』と言うならせめて『お顔を拝見させていただけないでしょうか』だろうが。新人教育がなっとらん(怒)」と、お兄ちゃんが帰った後も、会社を検索して電話してやろうかというくらいの勢いで怒ってたんですが、間もなく「玄関先までお願いします」の真意に気づいて、笑い出してしまいました。
 いや~、見事に合理的なやり方なのですよ。うまい新人教育をしてますね(笑)

 「玄関先までお願いします」と言われて、『なんでやねん』とひっかかりながらも断れずに玄関まで行って開けてしまう人は、その後も『なんでやねん』とひっかかりながらも断れずに買わされてしまう確率が高いでしょう。

 「馬鹿言うな」とはっきり断れる人は、最初から玄関先までなんか行かないし、万一セールストークを聞くはめになってもはっきり断るでしょう。

 それを、最初のインターホンの会話で実にうまく選別しているわけです。
 わざと相手の気持ちを逆なでする言い方をすることで、「腹が立ってもオカシイと思っても(もしくは、オカシイとさえ思わずに)、それでも相手に従ってしまう人」を、見事に選り分けているのだ。
 その後のセールストークに無駄骨を折らなくて済むからとっても合理的。

 うまいぜ、セールス会社。
 って感心してる場合じゃないんですけどね。
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