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地域のために、利用者さまのために

REHA planning(リハビリ訪問看護ステーション東大阪)での日々の業務や、勉強会等の様子をお伝えしていきます。

腰痛について ~3~

2013-12-18 | 自主練習、姿勢調整

こんにちは、作業療法士の加藤です。

かなり寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?今回は久しぶりに「腰痛について」第3弾です

前回は、姿勢の悪化などにより、脊柱の適切な弯曲が保てなくなることで、脊柱にかかる負荷が1点に集中しやすくなる。そして、特に腰部に負荷が集中しやすいということをお話しさせてもらいました。

今回はその続きで、どのような場面で腰への負担が増悪するかをまとめたいと思います。

 腰痛に関する全国調査報告書によると、腰痛になったきっかけとして多い場面は、下のグラフのようになっているようです。

 腰痛になったきっかけ場面

一番多いものとして、「中腰の作業」・「重いものや人を持ち上げる」場面があげられています。

 

 中腰の姿勢では、特に腰が反っているように見えなくても、上の図の下矢印のように、腰骨のあたりが反ってしまうような力が働きます。この状態から、体幹を起こしていくと、腰を反らせようとする方向に働く力はさらに強まるため、腰痛を起こしやすい危険な動作になっています。

同様な機序で、高いところのものを取ろうとするときなどに、肩より上に手を伸ばす時も注意が必要です

次に、「同じ姿勢の作業」という場面があります。例えばデスクワークなどでずっと座りっぱなしでも腰痛は起こります。

 

座っていると、先ほどとは逆に、腰は丸くなるような姿勢になる人は多いと思いますが、この姿勢もずっと続くことで、青い矢印の方向に腰椎部の周囲の靭帯や軟部組織が、徐々に引き伸ばされていきます。一見、反るのと比べて負担が少なそうに見えますが、過剰に引き伸ばされること(オーバーストレッチ)で、腰周囲の靭帯は疲労し、ダメージを受け、腰痛へとつながっていくようです。

また、「運動直後」も腰痛は起こりやすいとあります。これは、休憩中に悪い姿勢で座ったりしていることにより痛くなることが多いようです。運動直後は、全身的に関節は緩みますので、その分ゆがみも生じやすく、悪い姿勢の影響を受けやすいためとされています。とはいえ、適度な運動は腰痛予防に大事ですので、その後のクールダウンも忘れないようにしましょう

と、不十分かもしれませんが、今回は腰痛発生の主な場面について、少し具体的にまとめさせてもらいましたやや長くなってしまいましたので、そろそろ終わりたいと思います。最近は寒いので、身体をじっと固めて寒さに耐えている人も多いと思います。しかし、同じ姿勢でずっと固まっていますと、腰痛の危険がありますので、意識的に姿勢を変えるなどして、腰痛を防ぎましょう次回は、もう少し具体的に、日常場面での腰痛予防策についてまとめられたらと思います


もたれてシンク腰楽クッションを使ってみました(^^)/

2013-11-21 | 自主練習、姿勢調整

こんにちは、作業療法士の加藤です

今日は、片麻痺のリハビリで、当事業所を利用されている方に対して、台所での立ち仕事が少しでも楽になるようにと、

この、腰楽クッションを使ってもらうことを提案させていただいたところ、非常に良かったので紹介させていただきます

◎使用前

 

◎使用後

使用前に比べて、使用後の方が、麻痺側(左側)での足の支えが行いやすい姿勢を保つことができるようになりました

それによって、体幹の右側を曲げてバランスを取らなくて済むようになっているため、身体がまっすぐになっています

本当はもう少し、左の肘も伸びやすくなることを期待していたのですが、その点に関しては、またリハビリメニューを検討していきたいと思っています

ちなみに、クッションはある程度のシンクの縁の幅に対応できるように、縁にかます部分が太めに作られています。そのため、シンクとクッションの間には隙間があって不安定でしたので、この方には、下の写真のように隙間を埋めて提供させていただきました

台所仕事がだいぶ楽になったと言ってくださっています

腰痛の方はもちろん、長時間の立位保持が難しい方におすすめです


高さ調整枕(ニトリ)のご紹介(^o^)/

2013-08-27 | 自主練習、姿勢調整

こんにちは、作業療法士の加藤です。

先週終わりからの大雨で、猛暑も一休みという感じですね。この週初めは、久しぶりにあまり寝苦しくない夜だったように思いますみなさんは、ぐっすり眠れましたか?

ということで、今回は枕の話題です

私が担当させていただいている方で、猫背の強い、高齢の男性の方がいます。その方が、2か月ほど前に体調を崩し、入院されることがありました。幸い大事には至らず、無事に帰ってきましたので、訪問リハビリを再開させていただきました。しかし、それ以来、首のだるさがとれずに、夜もなかなかぐっすり眠れないという状況が続きました。

私としては、徒手療法にて対応させてもらっていたのですが、その時は、多少肩が軽くなっても、すぐに元に戻ってしまう状態が続きました。今思えば、もう少し早く気付くべきであったのですが、その方の使用している枕を見ると、非常に薄っぺらくなっており、上向きに寝ても、横向きに寝ても、首をまっすぐに保てていない状態でした。

そのため、徒手療法と合わせて、枕の調整も行おうと考えました。その矢先に、「ニトリ」で非常に便利そうな枕を見つけましたので、試してみました

低反発高さ調整枕:中のウレタンシートが3枚に分かれており、3段階に高さ調整が可能です。価格は1400円。

3枚全部使うと、かなり高さのある設定となりますが、この方にはちょうどよく、導入の翌週には首の重だるさがかなり軽減しているとのことでした

猫背が軽減してくるような感じだったら、中のウレタンシートを減らして調整できたりもするかなぁとも思っています高さ調整枕、便利に使わせていただきました

 


自家製 プールサイドシートの紹介ヽ(^o^)丿

2013-07-17 | 自主練習、姿勢調整

ブログ掲載に際し、情報の使用についてはご家族様の了承をいただいております

こんにちは、作業療法士の加藤です

暑い日が続いていますねこう暑いと、やはりプールなどで体を冷やすのが、楽しみの一つになります。

私が、担当させてもらっているお子さんも学校でプールが始まり、楽しんでいるようです

その際に活躍しているのが、このプールサイドシートです

身体が、不自由な分、介助も多く必要なため、ずっとプールに入っておくことはできないため、プールサイドで他の子たちが泳いでいるのを見学する際や、着替えの時に使用しているようです。

土台の椅子は、ホームセンターで購入したレジャー用のもので、その上にバスマットを敷き、濡れても大丈夫なようになっていますまた、レジャー用の椅子はたわみすぎるため、坐位姿勢のバランスが不安定になりますが、バスマットを敷くことで、その点の問題も解消されています。ベルトはレジャーシートにも穴をあけて通していますので、バスマットもずれません

このように、濡れても大丈夫で、ベルトのしっかりした広い椅子というのは、探してもなかなかないのでないでしょうか

ここまで紹介しておいて、非常に言いづらいのですが、この作品…私が作ったものではありません以前紹介させていただいた、牛乳パックで箱椅子を作ったお母さんの作品です

バスマットをくりぬいて作ったお尻のスペースや、胸ベルトの高さ、背もたれの角度など、このお子さんがリラックスするための工夫が、本当にさりげなくシンプルに施されています。今回も勉強させていただきました


腰痛について ~2~

2013-06-13 | 自主練習、姿勢調整

 作業療法士の加藤です。だいぶ、間があいてしまいましたが、「腰痛について」の続きです腰痛改善のために、どのようなことに、気をつけるべきなのか、どのような体操をするべきなのかを、考えたいのですが、その前に、腰痛の原因について、もう少しまとめたいと思います

以前のブログには、腰痛の内、約8割が原因がよくわかっていないとされていることを紹介させていただきました。

 そして、原因を特定できない腰痛には、背景として「姿勢の悪化」が潜んでいるのではないかということを書きました。なんとなく、イメージがつくような気もしますが、もう少し詳しくまとめてみたいと思います

 姿勢が悪化する際には、「脊柱の並び方の変形」ということが、同時に起こっているのですが、この脊柱の並びが崩れてしまうことで、脊柱周辺の筋肉や靭帯にひずみが生じ、痛みが出ているのではないかということです。

              

正常な脊柱のS字カーブ      脊柱のS字カーブの破たん例

 脊柱は、上の図のように、適度なS字カーブ状に、脊椎が配列して構成されています。このS字カーブは、人間が直立歩行を獲得していく過程で、形成されたもので、

  ①重力によって受ける脊柱への負荷を分散させるためのサスペンションの役割

  ②頭部の重さを支えるための筋肉の負担を軽減する役割

があります。

 よって、このもともとのS字カーブが崩れてしまうと、脊柱にかかる分散がうまくいかずに、1点に負荷が集中しやすくなったり、その周辺の筋肉も疲労しやすくなります。筋肉の疲労は、筋肉自体の痛みにつながります。また、筋力によるサポートが弱ることで、関節周囲の靭帯なども、負荷が強くなり、傷んでしまうことも考えられます

 特に、腰の部分は、身体の重心位置に近いということもあり、正常の脊柱であっても、静止立位時には、体重の60パーセントの負荷がかかるとも言われています。なので、S字カーブが崩れた脊柱の腰部には、もっと強い負荷がかかりやすくなります。以上が、姿勢の悪化と腰痛発生の因果関係だと思います。

 よって、腰痛を予防するためには、当たり前の話ですが、腰への負担をとにかく減らすことが大事です。ちょっと長くなってしまいました…。次回の腰の回では、どのような状況が、腰への負担を増悪させるのか…ということをまとめて、そこから、どのようにして予防していくかということも考えてみたいと思います