銀のつぶ

■石の上にも三年目。

旅3

2006年09月29日 | 真・銀つぶ


バイカーに別れを告げ、朝一番で出発。

そして海岸で食べる朝食。

ただのコーヒー牛乳とパンがブレックファーストになる瞬間。


天気も快晴。絶好のツーリング日和。

昨日海岸線を走ったので今日は山にしよう。


そんな軽い気持ちで日焼け止めクリームを塗りたくり

一路日本三大秘境の一つである「祖谷峡」へ。





途中何故かダチョウを発見。

ダチョウは人懐こいらしく近づくと寄ってくる。

ダッチョさんだ。



そして二時間ほど走るとどんどんと山道に入っていく。

そして眼前に広がる






山!







山!!








山!!











ャッァァーー!!















川!








川!!







川!!!







YeahーーHahーー!!














谷!









谷!!










谷!!!










URYYYYYーーー!!
<









空はPカン、景色は絶景。

極限まで高まった小宇宙(コスモ)はついにビッグバンを引き起こし、

私の脳が逝ってはいけないゾーンを超えてしまいました。



日焼け止めクリームを何故かサンオイルに塗り替え、

どうせなら満遍なく日焼けしようと

上半身裸でバイクをころがすド変態ライダーの誕生です。



暑くなったら川で水浴び、そしてまた走り出すという

もうコレこそ旅でしょう。



また、旅といえば温泉も視野に入れていかなければなりません。

野宿ですから、風呂は温泉でないと入れないわけです。



今回立ち寄った温泉は「天空風呂」と呼ばれ、

トロッコで上まで行って高いところからの景色を楽しみながら

風呂に入れるというなんとも私の心を掻き立てる温泉。






そして私の心を掻き立てるものはそれだけではなく、


混浴。



この露天風呂には混浴があったのです。


一人旅のさなか、偶然立ち寄った温泉に混浴が。

そりゃもうね、



攻めるでしょ?



景色が売りの温泉ですからね、男湯からの景色だけでなく

混浴からの景色も当然押えておくべきです。


それでなくても混浴ですから。

あわよくば若い娘が恥らいながら湯船に浸かってるかもしれませんし、

旅の恥はかきすてと言う言葉通り、男女が仲良く語らいながら

温泉を満喫してる画ズラを想像するわけです。


故に勢い勇んで混浴風呂ののれんをくぐる私、

しかしそこには私の期待を裏切り、





マッパのカップルが一組。





入った瞬間思わず声に出して「えぇ・・・」って言ってしまいました。



普通混浴に入る時ってタオルかなにかを体に巻いて入るものでしょ?


何で君たちマッパなの?


そして何で並んで体洗ってるの?




面食らうとはこのことです。

私、不覚にも一度その場を離れてしまいました。

その場を離れおとなしく足湯につかってしまった私。



しかし冷静になればなるほど沸々とこみ上げてくる怒り。



何故私が外に出なければならん?

そこは混浴なわけで、当然誰もが入っていい場所なはず。

それをカップルで独占していいはずがない。


カップルにはそれ用の貸切風呂があるんだ。

お前らはむしろそっちにいかなければならんのじゃないか?


それを入れるもんなら入って見やがれ的な空気出しやがって。

他に入りたい人たちを完全にナメきってやがる。




いいだろうやってやろうじゃないか。




そして再び、居酒屋に入るときの勢いのごとくのれんをくぐり、

戦場に降り立った私。


そのカップルは当然まだいる。

相変わらずなに食わぬ顔をして湯船に浸かっている。


しかし腹をくくってしまった私に怖いものなどない。

今度はなんの躊躇もなく服を脱ぎ捨て、浴場に入場。

これ見よがしに体を洗う私。



後ろから突きささる視線に対して



どうだ?俺の筋肉は?

思わず目がいってしまうだろう?




と思える余裕さえありました。



そしておびえるカップルを尻目に

絶景眺めながら、神をも恐れぬ仁王立ち。


カップルが浸かっている湯船に入るなり、

見知らぬカップルと見知らぬ男が

半径2~3Mという限られた空間で同じ湯船に浸かるという

地獄絵図の完成です。





かくして私の面子は保たれました。



後に休憩室で、

混浴風呂にカップルがいたという話をしてる人がいましたが、

その人は空気を読んで入れなかったといっていました。



それを聞いた時、俺はやってやったぞ。と、

ひそかに勝ち誇ってしまったあたり

私は人より頭が弱いんだなと実感しましたとさ。










旅2

2006年09月19日 | 真・銀つぶ
二日目、朝実妹の家を出発し、

和歌山にあるフェリー乗り場に到着した私。



そこからフェリーに乗って四国上陸を目論見ます。


あれ?瀬戸大橋は?明石海峡は?

と思う方もいるでしょう。


否。



実はこれらの橋の通行料は意外と高く、

交通手段がバイク、車の場合はフェリーが一番安いのです。

なにより運転しなくて良いというメリットがデカイ。

覚えておきましょう。



というわけで徳島に上陸。



しかし四国に行くと勢いよく家を飛び出したはいいが

特に目的を考えてなかったアウトローな私は

いきなり行き先を失う。



とりあえず景色のいい道をひた走りたいということで

海岸線の続く高知方面へバイクを走らせること小一時間。




眼前に広がる





海!








海!!










海!!!










ーーヤッハァァーー!!








芸術は爆発だという言葉がありますが、

感動のあまり走りながら奇声を発してしまうことってあるんですね。



それぐらいの絶景がずーーっと続くんです。


もとより海好きな私。

この道のチョイスは大正解といっていいでしょう。


しかし、一つだけ、唯一惜しむことがあるとすれば

今回何故私は釣竿を持ってこなかったのか?

という一言に尽きます。



当然と言うべきかこの地方は海産物がおいしいそうで

特に、ここ室戸周辺であがる金目鯛は全国的にも有名です。



そして旅に出たらその土地の産物を食べねばなりませんね。



今回のように土地の産物が魚介系だった場合、


私は、料理屋に行くのではなくその土地のスーパーに行きます。


そして鮮魚コーナーでその土地の漁港で揚がったという表示のある


刺身を買い、外で風に吹かれながら食べるのです。



私自身、コレが一番安くそして地元の人が食べる


一般的な味を楽しむ方法だと思っています。



その土地の魚を潮風に吹かれながら外で食べるというのが


またたまらない調味料になるんですね。



一度お試しあれ。



また、地元の人しか知らないような隠れた名物というのは


往々にして存在するもので、そういった情報は


自らの手で手に入れなければなりません。



今回、私は地元の人も利用する無料足湯が体験できる施設に立ち寄り


そこで珍しいものを食べさせてくれる店の情報をゲット。



見ず知らずの人に話しかけ、コミュニケーションをとる。


そこから話を膨らめ、自分の必要な情報を聞き出していく。


そして自らのトークスキルに酔いしれる。


意外な情報が得られることが多々あります。


コレこそが旅の醍醐味でもあるのです。







今回食べた隠れ名物は

ウツボのから揚げとマンボウの味噌炒め。


ゲテモノがゲテモノ食ってどうするんだ?

共食いか?

といわれそうですが、コレがとてもおいしい。


特にマンボウは焼肉でよく食べるミノを

やわらかくしたような感じでとてもおいしいです。




そしてあまりに貧相な格好をした私に同情したのか

店の店主が一品サービスしてくれました。


「さえずり」といって鯨の舌べろらしいです。


捕鯨で有名な和歌山に近い大阪の人ですらたべられないほど

痛み易く、さらに鮮度が良くなければ食べられないという幻の逸品。


サービスにするには貴重すぎやしないか?


と思いましたがありがたくいただきました。


北海道と四国の人はとても旅人に優しいです。

特に四国は四国全土に点在する48箇所の寺を巡礼するという風習があるせいか

旅人に対してとても親切にしてくれます。


今までも、


家に泊めてくれたり、ジュースをおごってもらったり、

アンパンをもらったり、ラーメンを半額にしてもらったり、

ありえない金額で寿司を食べさせてもらったり、

定休日なのにわざわざうどんを打ってくれて食べさせてくれたり、

トコブシ1キロ、ウニ1キロ、伊勢海老3匹を三千円でゆずってもらったり


と、四国での人情エピソードは数知れずです。




こうした人の温もりに触れ合えるのもまた旅の醍醐味なのです。



その晩はキャンプ場みたいなところで野宿。

偶然居合わせた旅人と意気投合し、

遅くまで語り明かし、就寝しました。






続く












旅1

2006年09月14日 | 真・銀つぶ
風に秋を感じられるようになり、

ようやく夏の疲れもとれはじめた今日この頃。

皆さんいかがお過ごしでしょうか?


私はといいますと、

休みの日にむしろ疲れを貯め、

平日に疲れを取るという生活でした。


中でもお盆休みに久しぶりに行ったはかなりハードでした。



バイクで四国に行ってきました。


総走行距離1400Km







こんな感じのルートで

8月の13日の午後七時に出発し、

17日の昼に帰ってくるという五日間の旅。



私、景色が見れなく、途中下車が出来ない高速道路でのドライブは嫌いです。

遅くとも自由の利く下道を使うのがポリシー。故に、

すべて下道の旅。


そして宿にかける金があるのなら食材を豪華にしたいという

ポリシーから滅多に宿に泊りません。なので

野宿の旅。



結果、自分の体力のみを頼りにしたかなり攻撃的な旅になったのでした。


夏になると何故かソワソワし、じっとしてイラレナイ私は、

この季節のみ変態的なバイタリティーを発揮するのです。




というわけで実妹の住む奈良に向かって意気揚々と出発。


名古屋、三重あたりまではホントに軽快に、そして順調に走っていました。



ところがです。




皆さん、国道25号線には気をつけましょう。


バイクでの旅にもかかわらず何故か

地図を持たずに出発したお茶目な私は

途中のコンビニで地図を確認。


国道25号線をひた走れば奈良に着くと頭に入れ、ひた走っていました。

そして峠を越えるため、だんだんと山道に入っていきます。



昼間走ればキレイな山道なんでしょうが、

夜走る山道はさすがに不気味。


まぁしばらく行けばすぐ市街地に出るだろうと

気にせず走り続けました。



しかし地図ではかなり大きい道路だったにもかかわらず

どんどんと車幅がせまくなってきます。


おかしいと感じながらも

後には引き返せない私はさらに突き進むも、


進めば進むほど人気がなくなり、光が消え、

漆黒の闇が支配する世界に突入。


車幅も車一台ぎりぎり通れるというオドロキの狭さに。


気がつけば街灯以前に、光が存在しない、

民家云々以前に、山しか存在しない、


アウターゾーンに入り込んでいました。



終いにゃ


アスファルトまで無くなる始末。



砂利にタイヤがとられ転倒事故を起こしそうになるほど。



おかしい、こんな悪路の国道があるはずがない。



と思うものの、途中に国道25号線の青看板が。

なのでココが国道であることに疑いの余地はない。



しかし


まだ奈良に入ってないのに天然の鹿に出会ってしまった

そこのところを考えるとココは普通の道ではないということは明らか。



ものすごい孤独感、不安感と戦いながら

何とか実妹の家に到着。


一日目を無事終了。



後から聞いた話によると私が通った道は国道ではなく

旧国だったらしいです。





続く・・・?