バイカーに別れを告げ、朝一番で出発。
そして海岸で食べる朝食。
ただのコーヒー牛乳とパンがブレックファーストになる瞬間。
天気も快晴。絶好のツーリング日和。
昨日海岸線を走ったので今日は山にしよう。
そんな軽い気持ちで日焼け止めクリームを塗りたくり
一路日本三大秘境の一つである「祖谷峡」へ。
途中何故かダチョウを発見。
ダチョウは人懐こいらしく近づくと寄ってくる。
ダッチョさんだ。
そして二時間ほど走るとどんどんと山道に入っていく。
そして眼前に広がる
山!
山!!
山!!
ヒャッハァァーー!!
川!
川!!
川!!!
YeahーーHahーー!!
谷!
谷!!
谷!!!
URYYYYYーーー!!
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空はPカン、景色は絶景。
極限まで高まった小宇宙(コスモ)はついにビッグバンを引き起こし、
私の脳が逝ってはいけないゾーンを超えてしまいました。
日焼け止めクリームを何故かサンオイルに塗り替え、
どうせなら満遍なく日焼けしようと
上半身裸でバイクをころがすド変態ライダーの誕生です。
暑くなったら川で水浴び、そしてまた走り出すという
もうコレこそ旅でしょう。
また、旅といえば温泉も視野に入れていかなければなりません。
野宿ですから、風呂は温泉でないと入れないわけです。
今回立ち寄った温泉は「天空風呂」と呼ばれ、
トロッコで上まで行って高いところからの景色を楽しみながら
風呂に入れるというなんとも私の心を掻き立てる温泉。
そして私の心を掻き立てるものはそれだけではなく、
混浴。
この露天風呂には混浴があったのです。
一人旅のさなか、偶然立ち寄った温泉に混浴が。
そりゃもうね、
攻めるでしょ?
景色が売りの温泉ですからね、男湯からの景色だけでなく
混浴からの景色も当然押えておくべきです。
それでなくても混浴ですから。
あわよくば若い娘が恥らいながら湯船に浸かってるかもしれませんし、
旅の恥はかきすてと言う言葉通り、男女が仲良く語らいながら
温泉を満喫してる画ズラを想像するわけです。
故に勢い勇んで混浴風呂ののれんをくぐる私、
しかしそこには私の期待を裏切り、
マッパのカップルが一組。
入った瞬間思わず声に出して「えぇ・・・」って言ってしまいました。
普通混浴に入る時ってタオルかなにかを体に巻いて入るものでしょ?
何で君たちマッパなの?
そして何で並んで体洗ってるの?
面食らうとはこのことです。
私、不覚にも一度その場を離れてしまいました。
その場を離れおとなしく足湯につかってしまった私。
しかし冷静になればなるほど沸々とこみ上げてくる怒り。
何故私が外に出なければならん?
そこは混浴なわけで、当然誰もが入っていい場所なはず。
それをカップルで独占していいはずがない。
カップルにはそれ用の貸切風呂があるんだ。
お前らはむしろそっちにいかなければならんのじゃないか?
それを入れるもんなら入って見やがれ的な空気出しやがって。
他に入りたい人たちを完全にナメきってやがる。
いいだろうやってやろうじゃないか。
そして再び、居酒屋に入るときの勢いのごとくのれんをくぐり、
戦場に降り立った私。
そのカップルは当然まだいる。
相変わらずなに食わぬ顔をして湯船に浸かっている。
しかし腹をくくってしまった私に怖いものなどない。
今度はなんの躊躇もなく服を脱ぎ捨て、浴場に入場。
これ見よがしに体を洗う私。
後ろから突きささる視線に対して
どうだ?俺の筋肉は?
思わず目がいってしまうだろう?
と思える余裕さえありました。
そしておびえるカップルを尻目に
絶景眺めながら、神をも恐れぬ仁王立ち。
カップルが浸かっている湯船に入るなり、
見知らぬカップルと見知らぬ男が
半径2~3Mという限られた空間で同じ湯船に浸かるという
地獄絵図の完成です。
かくして私の面子は保たれました。
後に休憩室で、
混浴風呂にカップルがいたという話をしてる人がいましたが、
その人は空気を読んで入れなかったといっていました。
それを聞いた時、俺はやってやったぞ。と、
ひそかに勝ち誇ってしまったあたり
私は人より頭が弱いんだなと実感しましたとさ。