銀のつぶ

■石の上にも三年目。

おかめ伝説 EPISODEⅢ

2007年07月20日 | 真・銀つぶ
日々別次元への進化を遂げ、

馬鹿に磨きをかけ続けている「おかめ」


そんなおかめを語る上ではずせない出来事がある。

この事件が彼を伝説の男にまで昇華させたといっても過言ではない。

そんな出来事。


私、学生時代は一人暮らしをさせてもらっていました。

学校の近くで一人暮らしです。

そりゃもう友達の溜まり場ですよ。

ご多分にもれず、おかめもやはり頻繁に家に遊びに来てました。


その日は確か家で麻雀をやっていたんだと思います。

白熱のバトルは夜遅くまで続き、

皆、自宅からの通いだったため私の家に泊まっていくとこになりました。


当時、車での通学だったおかめは自分の車を

もう一人、一人暮らししている別の友達の家の近くにとめてありました。


おかめは何をとち狂ったのか

「車で寝ようかな」といっていましたが、

せっかく私の家があるのにわざわざ車で寝る理由がわかりません。


買ったばかりの車だからってなにも車内で寝ることはないだろうと、

説得し、私の家に泊めることにしました。


と、ここまではいいんです。

良くある学生生活の一面ですよ。

ところが翌朝、おかめが車を止めた場所の近くにすむ友達からの

電話で伝説が幕を開けました。


朝一、友達からの電話で目を覚ましたおかめ。

その話をしてるさまを眠気まなこで見ていた私ですが、

どうでしょう、おかめの顔がみるみるマジ顔になっていくではありませんか。

普段の気持ち悪いにやけ顔がとたんに青ざめていきます。


その友達からの電話は

「お前の車すごいことになってるぞ」と言う内容のものでした。


朝早くの出来事です。

出来れば寝ていたかったのですが、おかめの尋常でない慌てぶりに

みな異常事態だということを察知し、

おかめが車を止めていた場所までみんなで様子を見に行きました。


いやぁ~その光景今でも忘れられません。

そこにあったおかめの車。






運転手もいないのに
事故ってました。






酒に飲まれた和田アキ子ですらそこまで壊れないんじゃないか?

と言うぐらいの見事な壊れっぷり。


もう絵に描いたような事故現場が完成されてました。


先日、車で寝ようかと言っていたおかめですが

それを実行していたら確実に逝ってました。


どうやら、止めてあったおかめの車に、

別の車がつっこんだらしいのです。


フロントガラスから運転席までが見事にえぐられ、

ドアなんぞまるでワンタンのようにふにゃふにゃになってました。


粉々に飛び散ったガラスは

今はなき、ココ山岡のダイアモンドのごとく

永遠の輝きを放ちながら、漆黒のアスファルトをキレイに


それはもう本当にキレイに飾っていました。



しかしそれとは裏腹に

確実に輝きを失っている男がいました。



おかめです。



それはそうでしょう、彼の車、当時乗っていた車「LIFE」

ほぼ新車でした。

泊まる家があるにもかかわらず車で寝ようとするほどの愛車ぶりです。


それが一夜明け、目の前で廃車になってるんです。

くっちゃくちゃですよ。


その悲しみいかばかりか。


そんな、二十代とは思えぬ哀愁を放つおかめを見て、

あろうことか私達友達一同。




全員大爆笑です。





野次馬もたくさんいましたが

人目もはばからず大笑いです。


いやこれは人間として最低だって事はわかってます。

思わぬ不幸が降りかかった友達を見て大爆笑してるわけですから。


しかし笑うしかなかったんです。

唯一「笑っちゃかわいそうだろ」と言ったヤツですら

顔は半笑いです。


おかめの車が廃車になってると言う時点ですでに笑い話の何者でもありませんでした。

そしてこれは冗談でもなんでもなく、車を止めてあった場所っていうのが

歯医者の前だったんですね。


歯医者で廃車をリアルでやってのけた男、


笑いの神と貧乏神を同時に降臨させ、

自らを伝説にまで昇華させた瞬間でした。


それ以来、おかめの乗っていた車「LIFE」は

クサレライフ、おかめライフと呼ばれるようになり

町を通るLIFEを見るたびに

黒猫が目の前を横切るのと同じような扱いを受けるようになったのでした。



     ~Fin~