塩田武士 著
京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。それは日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を追い始め―。圧倒的リアリティで衝撃の「真実」を捉えた傑作。
昭和の未解決事件「グリコ・森永事件」を題材にしたこの小説、圧倒的な取材力と筆力、ハッキリ言って凄いです!
正にこの事件の真実がここに描かれているのではないかと錯覚するほどのストーリー展開は読者を強く惹き付けるのではないでしょうか。
そしてこの事件に関わらず、事件を起こした身勝手な人間の回りには、そのせいで人生を狂わされている人間が居るのだと、当たり前の様な話が強い怒りと悲しみで上手く描写されています。
中々骨太な一冊、読み応えは十分じゃないでしょうか。
ちなみにもうすぐ映画化されるらしいです。
読むのが面倒な方は映画で鑑賞するのもいいかもしれませんね。
もちろん私は観ていないので面白いかどうかは分かりませんが。