山口恵以子 著
昭和17年、財閥令嬢にして人気画家の多江子は、中日文化協会から上海に招かれた。ところが協会に潜入中だった憲兵の槇に、政府転覆を企んでいる中国人実業家・夏に接近するよう強要される。断れば、多江子が絡んだスキャンダルの真相を公表するという。謀略に巻き込まれた多江子の運命は…。
松本清張賞受賞。
女性作家らしい、お洒落な一冊といった感じでしょうか。
主人公の女性の服装などは非常に細かく描写されている辺りは流石の目の付け所だなと思いました。
ただちょっと丁寧過ぎるというか、面白い男性達が沢山出てくるのに綺麗に仕上げすぎではないかと思うのは私だけかな?
確かに最後の方では屈辱的なシーンなども描写されていましたが、途中経過のストーリーにしてはまだまだ物足りない感じがしましたね。
とてもいい作品だけにもう一つ二つ欲しかったかな。
まだこれから期待できそうな作家さんなのでこの先を見守りたいと思います。
コメンテーターとして時々テレビで見かける彼女は結構面白いけどね。