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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

毎日新聞の「記者の目」特集「衰退止まらぬ共産党 指導部刷新の時機では」を日本共産党執行部はどう受け止めるのか。共産党は一般党員の民意を聴き、志位・小池執行部から田村智子・山添拓体制に一新したらいい。

2023年06月22日 | 日本の政治

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 今日は日本共産党に関して毎日新聞が特集した「記者の目」をご紹介します。

 この記事の存在を知ったのは、公私共にお世話になっているほぼ同年代の弁護士の公開投稿を見たからです。

 彼はたぶん共産党員で、少なくとも合同系(共産党系)の法律事務所の古株です。

 このA弁護士いわく

『今朝の毎日新聞。
 
[衰退止まらぬ共産党]「指導部刷新の時機では」
 
「一部の幹部がいつまでも威張り続けているのが何よりも問題だ」という「党職員」の言葉が紹介されているが、まさに最近、そうした場面に直面した。
 
この記事に対しても「支配勢力による反共攻撃」「反共は戦争の前夜」とぶち上げるんだろうか?
頼むからやめてくれ。』
 
志位委員長は朝日新聞の社説に激怒して、記者会見で

『日本共産党の自主的・自律的な決定に対する外部からの攻撃です。』

『そういう問題について、「朝日」社説に指図されるいわれはないんです。また、そういう指図をする権利もないんです。』

と言った。

 

 

 

 A弁護士はこの記事にさらにコメントをつけて

『記事の残した部分読めばわかりますが、共産党に対する期待に基づく善意の記事ですよね。

 これを「攻撃」だと馬鹿なことを言うから期待を寄せてくれていた人が引いていくんですよ。』

とも書いています。

 そうか、共産党の中の良心的な人たちは、みんなこんな悲痛な思いをしているのだなと思いました。

 まだSNSで「中の人」がこうやって公然と執行部批判ができるのは素晴らしいのですが、松竹氏除名問題以来、kojitakenさんがずっと警鐘を鳴らしてこられた、リベラルが共産党執行部の権威主義と各地方でのパワハラ問題に沈黙しているのはリベラルの名折れだというような話が、ようやく実感と実証を持ってわかりました。

参考記事 kojitakenの日記さんより

共産党の大阪街宣で前衆議院議員の清水忠史氏が松竹伸幸氏批判を始めたら、聴衆から「松竹は正しいことを言ってるよ!」とのヤジが飛んだらしい

 

「”立憲共産党”なら喜んで入党する」人々は意外に多いのではないかとのツイートがあった

 

 

 毎日新聞の「記者の目」はこういいます。

『統一選の敗因は何か。

 党員の高齢化による活動量の低下が大きな理由として考えられるが、選挙前にベテラン党員の松竹伸幸氏と鈴木元氏を除名処分にしたことも有権者へのイメージダウンにつながったと私はみている。

 両氏は1月、党首公選制の導入など党改革を訴える著書をそれぞれ出版。松竹氏は、党首公選制が導入されれば自身も立候補する考えを明かし、各メディアが取り上げ、大きな話題を呼んだ。

 しかし、党は「党内に派閥・分派はつくらない」などとする規約に反すると認定。2月に松竹氏を、3月に鈴木氏を立て続けに規約上最も重い除名処分にした。

 毎日新聞や朝日新聞などは社説で、処分について「時代にそぐわぬ異論封じ」などと批判したが、共産側は一連の報道を「反共キャンペーン」と位置づけ、幹部らが記者会見や赤旗上で反論。志位和夫委員長は「朝日(新聞)に指図されるいわれはない」と怒りをあらわにした。松竹氏のインタビュー記事を掲載した地方紙には抗議という手段をとった(抗議は後に撤回)。』

 この共産党の反応については私も批判しました。

松竹 伸幸  | 2023/1/19
 

日本共産党の党首公選制騒動。一番の問題は志位和夫委員長と田村智子副委員長が自らの言葉で丁寧に説明しようとせず、「赤旗の論文にすべて書いてある」としか言おうとしない風通しの悪い体質だ。

 

 

 「記者の目」は続けて

『党方針と異なる意見を主張しただけで党員を除名処分にし、言論活動を萎縮させかねない行動をもいとわない共産の対応は明らかにやり過ぎで、党の「異質性」を印象づける結果になったように思われる。

 松竹、鈴木両氏の地元・京都では、統一選の府議選で3議席、京都市議選で4議席減らした。

 松竹氏らが唱える党首公選制の是非はともかく、これだけ選挙で敗北が続き、党員が減少する中、指導部刷新の機運が高まらないことこそが最も深刻だと思う。

 志位氏の在任が20年を超えているのはあまりに長すぎるし、党最高指導部の「常任幹部会」に、不破哲三前議長(93)や浜野忠夫(91)、市田忠義(80)両副委員長ら「超重鎮」が居並ぶ。ある党職員は「一部の幹部がいつまでも威張り続けていることが何よりも問題だ」と語った。

 選挙に負け続けているのに誰も責任を取らない体質は、党員に強い不信感を生んでいるのではないか。』

と書いているのですが、ここにA弁護士が引用した党職員の

「一部の幹部がいつまでも威張り続けていることが何よりも問題だ」

が出てきて、その実例として80~93歳の超重鎮がまだ常任幹部会にいて、しかも91歳と80歳の人が田村智子氏と同じ副委員長?!というのにはあ然としました。

2017年当時の不破氏。

 

2020年に共産党大会で14年ぶりに発言したという不破氏。

日本共産党が、党首公選制を主張して本を出し記者会見をした松竹伸幸氏を党に対する敵対行為をしたとして除名処分。こんなに狭量で党員の自由な表現を圧殺する「民主」集中制では市民の支持は得られない。

 

 

 日本共産党の人事というのを始めて見たのですが、確かに常任幹部会にはその面々が入っています。

 不破氏はてっきり前議長として隠然たる影響力を持ってはいるが、第一線を退いたと思っていたのに、まさかの常任幹部だったとは。

  他方、田村智子氏も入っているし、山添拓氏や吉良佳子氏のようなフレッシュなメンバーも入ってはいます。

 しかし、田村智子氏が小池晃氏からパワハラを受けて被害者なのに思わず謝罪していた例の一件を思い起こすと、あの伝説的な存在の不破哲三氏らがいたら、山添氏や吉良氏らがとても国会でのように自由に溌溂と発言している姿は思い浮かびません。

日本共産党の小池晃書記局長にパワハラで警告処分。地方議員の名前の呼び間違えで、それを正した田村智子政策委員長を逆に𠮟責。謝罪までに8日かかったことも大問題だ。

日本共産党の小池晃書記局長によるパワハラ問題で、被害者のはずの田村智子副委員長が「パワハラを受けたという認識は全く持っていなかった」と記者会見で述べること自体がこの組織の問題を表している。

 

 

 この記事に対して共産党がどのような反応を示すのか。

 私の友人ですから共産党内部でも大して偉くないだろう(笑)A弁護士が危惧するように、この記事に対しても

「支配勢力による反共攻撃」「反共は戦争の前夜」とぶち上げるんだろうか?。』

となるのかどうか、注目したいと思います。

頼むからやめてくれ」。

志位和夫書記局長(左)。中央は宮本顕治議長、右は不破哲三委員長=静岡県熱海市同党伊豆学習会館で1990年7月13日撮影

 

 

 
 
有田 芳生森田 成也 | 2022/11/28

 

かつて、尊敬する被ばく医師故肥田舜太郎先生が私に個人的に、直接会ったこともあるという宮本顕治氏を批判して、そして不破哲三は共産党最高の知性だと教えてくださったのはもう25年前。

その賢いはずの不破氏がまさか身を引いていなかったとは驚き。

 

 

本来、政党組織の人事は何も知らない外部の人間が口を出すことではないでしょう。

また、高齢だからと言って能力が低いとはなりません。

しかし、こんなにも戦前生まれの半世紀前からの幹部が滞留していたら、それは風通しのいい組織になるわけがありません。

自民党は麻生太郎氏(82)がまだ副総裁、二階俊博元幹事長(84)が派閥の長、森喜朗元首相(85)が安倍派に大きな影響力を持っているわけですが、共産党ではその同年代かさらにその上の人が常任幹部。

中央委員会の中の幹部会の上?の常任幹部会という、最高意思決定機関的な公職に、それほどの超ベテランがいたらこれは駄目ですよ。

私企業ではありえないし、私企業でやったら潰れます。だから、長期衰退傾向なのだと言われても、これは反論できないでしょう。

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記者の目

衰退止まらぬ共産党 指導部刷新の時機では=古川宗(政治部)

記者会見する共産党の志位和夫委員長=国会内で2023年2月9日、竹内幹撮影

 共産党の衰退が止まらない。一昨年の衆院選と昨年の参院選で議席を減らし、今年4月の統一地方選では、全国で135議席を失う大敗を喫した。私は4月まで共産党を約2年間取材してきたが、党指導部の刷新など抜本的な改革をせず、このままの状態が続けば共産党は消滅の危機に直面するのではないかと深く憂慮している。

 6月10日付の機関紙「しんぶん赤旗」に、党の財務・業務委員会責任者による悲痛な「訴え」が掲載された。「財政の現状打開のために緊急に訴えます」と題されたその文章は、「最大の財政基盤である党費と(赤旗などの)紙誌代収入の選挙後の大きな減収のなかで危機的な事態になっています。このまま推移すれば、運用資金が底をつきかねず、党の機構も『赤旗』も守れなくなる事態に直面している」と危機感を表明。その上で「大きな資金が必要な選挙費用と供託金は募金をお願いしなければならない」と金銭的な協力を呼びかけた。

統一選での大敗、異論封じ一因か

 財政危機は党勢衰退と深く結びついている。2021年衆院選では議席数を公示前の12から10に減らし、22年参院選では比例代表の議席が5から3へと後退。得票数も19年の約448万票から約361万票に大きく減少した。とりわけ打撃となったのが4月の統一選だ。前半戦の道府県議選と政令市議選はそれぞれ22議席減、後半戦の市区町村議選も91議席減となり、合計で135議席も失った。全国の県議会を見ると議席ゼロの空白県も拡大し、党内では「歴史的な大敗だ」と波紋が広がった。

 統一選の敗因は何か。党員の高齢化による活動量の低下が大きな理由として考えられるが、選挙前にベテラン党員の松竹伸幸氏と鈴木元氏を除名処分にしたことも有権者へのイメージダウンにつながったと私はみている。両氏は1月、党首公選制の導入など党改革を訴える著書をそれぞれ出版。松竹氏は、党首公選制が導入されれば自身も立候補する考えを明かし、各メディアが取り上げ、大きな話題を呼んだ。しかし、党は「党内に派閥・分派はつくらない」などとする規約に反すると認定。2月に松竹氏を、3月に鈴木氏を立て続けに規約上最も重い除名処分にした。

 毎日新聞や朝日新聞などは社説で、処分について「時代にそぐわぬ異論封じ」などと批判したが、共産側は一連の報道を「反共キャンペーン」と位置づけ、幹部らが記者会見や赤旗上で反論。志位和夫委員長は「朝日(新聞)に指図されるいわれはない」と怒りをあらわにした。松竹氏のインタビュー記事を掲載した地方紙には抗議という手段をとった(抗議は後に撤回)。

 党方針と異なる意見を主張しただけで党員を除名処分にし、言論活動を萎縮させかねない行動をもいとわない共産の対応は明らかにやり過ぎで、党の「異質性」を印象づける結果になったように思われる。松竹、鈴木両氏の地元・京都では、統一選の府議選で3議席、京都市議選で4議席減らした。

 松竹氏らが唱える党首公選制の是非はともかく、これだけ選挙で敗北が続き、党員が減少する中、指導部刷新の機運が高まらないことこそが最も深刻だと思う。志位氏の在任が20年を超えているのはあまりに長すぎるし、党最高指導部の「常任幹部会」に、不破哲三前議長(93)や浜野忠夫(91)、市田忠義(80)両副委員長ら「超重鎮」が居並ぶ。ある党職員は「一部の幹部がいつまでも威張り続けていることが何よりも問題だ」と語った。選挙に負け続けているのに誰も責任を取らない体質は、党員に強い不信感を生んでいるのではないか。

政権へのチェック機能低下を危惧

 共産党の調査能力の高さや議員の質問の質の高さは、野党はもちろん与党内でも定評がある。特に赤旗の調査報道とそれと連動した国会での追及は数多くの政権の不正を明るみに出してきた。安倍晋三元首相の「桜を見る会」の問題はその最たる例だと思う。それだけに共産党がこのまま衰退し、政権へのチェック機能が損なわれてしまうことを私は危惧する。

  共産は来年1月に4年ぶりの党大会を開く予定だ。党大会は、指導部の人事などが決まる最高の意思決定機関である。ここは思い切って後進に道を譲り、指導部を刷新してみてはどうだろうか。共産には、田村智子政策委員長や山添拓参院議員など女性や若手で有望な人材が控えており、組織の硬直性を打破するにはそのくらいインパクトのある改革が必要だと思う。創立100年を超えた日本最古の老舗政党が生まれ変わる瞬間を見てみたいと感じているのは私だけではないだろう。

 

 

不破哲三氏が共産党大会で14年ぶり発言 党綱領改定案で見解

第28回日本共産党大会であいさつする不破哲三氏=日本共産党のホームページから

 共産党の不破哲三前議長は15日、静岡県熱海市で開かれている第28回党大会で、16年ぶりに提出された党綱領改定案についての自身の見解を述べた。不破氏が党大会で発言するのは、議長を退任した2006年の第24回大会以来、14年ぶり。不破氏が登壇し、あいさつすると、会場から拍手が起こった。

 不破氏は現在、党の常任幹部会委員などを務めるが、89歳と高齢なことから、今大会を機に党の主要な役職から退き、「引退」する可能性が取りざたされている。

 不破氏は、改定案に賛成の立場を表明した上で、「発達した資本主義国での社会変革は、社会主義、共産主義への大道である」と、改定案の一節を紹介。「共産党が最終的にどんな社会を目指しているのか多くの人々の理解を得ることは、大変重要な、不可欠とも言うべき課題だ」と訴えた。【浜中慎哉】

 

 

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もはや共産も風前の灯火? (the hang man)
2023-06-22 19:01:39
一時、野党共闘で存在感を示した共産党。
現在、全く存在感なくなっちゃいましたね。

田村、山添の両議員、応援してるんですけど、党がこれでは…。

立憲も応援している議員が何人かいるんですけど、また小沢一郎なんかが、余計な事でしゃしゃり出てきて、おかしくなってる。

残念ながら、社民はもう、党として体をなしてないし、ある程度議席と支持のある共産と立憲に一刻も早く再生してもらわないと、自国維公の連中の思う壺ですよ。
返信する
Unknown (暗黒大将軍)
2023-06-23 21:33:29
小泉や安倍をヨイショする歴史作家の塩野七生が、以前月刊文芸春秋で田村智子を褒めてたことがありましたよね
元財務省で今はワイドショー評論家の山口真由が小池晃を褒めてたこともありました

あそこにも個人としてなら保守派にさえ認められる人間がいたりするんですが、いかんせん組織が民主集中制がどうたら、と神学論争に耽り象牙の塔に籠るエリートどもに擁護されてるんでどうしようもないですね

正直、松竹伸幸みたいなのを「粛清」したところで後に藤岡信勝みたいなのがのうのうと居座り続けるなら、そっちのほうがよっぽど有害でしょう
執行部批判さえしなきゃ内職でネトウヨやっててもノー・プロブレムなんだから(笑)

もう松竹、藤岡、篠原常一郎みたいなタイプはわんさかいる、という前提に立って、党規約を守ろうが守るまいが「不良党員は飼い殺し」ぐらいの融通無碍さを身につけなさいよ

親戚の90近い爺さんが赤旗配りやってるんでたまに手伝ってやりますが、爺さんが生きてる間に国会議席ゼロ、なんてことがないようにしてほしい

もっとも、名前の似てる産経同様、「ずっと落ち目だけど決してくたばらない」のが共産のアイデンティティだが
返信する
Unknown (raymiyatake)
2023-06-23 21:43:46
うわぁ、びっくりした
あの新しい歴史教科書を作る会の藤岡信勝氏がまだ日本共産党員のままなのかと思いました

30年以上前に辞めてるじゃないですかー笑笑
http://group1984.blog119.fc2.com/blog-entry-9.html

そんなんならナベツネから故西部邁からなんぼでもおります
返信する
するってえと (時々拝見)
2023-06-24 14:32:10
田中角栄氏の政務秘書早坂氏は日本共産党員のまま、総理大臣の秘書をやっていたことになったり・・日本共産党すげえってことに。
返信する
Unknown (暗黒大将軍)
2023-06-24 21:16:49
藤岡が党を辞めたのは本人の言うとおり1991年でいいと思います
その後作る会や保守の仲間割れで敵対者が「あいつは2001年まで党員だった、会長の時も隠れ共産党員だった」ってな与太が振り撒かれましたね

まぁ皆知ってることだろうと思って「保守の隠れ共産党員」設定の藤岡の例を出してみましたが、書き方がまずかったですかね

「お前まだ〇〇が党員だと思ってんの」という突っ込みレスが続かないように一応書き足しときます
返信する
Unknown (かつ)
2023-06-24 23:17:40
共産党の議員さんは優秀で真面目な人が多いので絶対に必要な人々ですが、いかんせん組織自体が過去の前衛論から逃れていないためにどうしようもありませんし、私もシンパですが政権を取るほどに大きくはなって欲しくありません。エリート意識ほど腐った人間性はありませんからね。不破さんってまだ引退してなかったんだ?それにもビックリですね。あかんやろ。
返信する

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