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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

【革命的!】裁判所がヘイトスピーチデモ禁止の仮処分決定!市役所が公園使用不許可処分!【対策法効果】

2016年06月03日 | 外国人の人権・人種差別反対・嫌中嫌韓反対

 

 これぞ、ヘイトスピーチ対策法効果!

 2016年5月24日に成立したばかりのこの法律自体にはヘイトスピーチを禁止したり、罰則を加えたりする条文は一切ありませんが、この法案の成立が地方自治体を後押しし始めました。

 

 

 全国の先駆けとなったのは、多くの在日韓国人・朝鮮人の方々が居住する神奈川県川崎市。

 まず、動いたのは市役所でした。

 福田紀彦市長は5月30日付で、6月5日に計画されていたヘイトスピーチのデモについて、デモの起点となる公園の使用を不許可にしました。もちろん、自治体が差別的な言動を理由に使用を不許可にしたのは全国初!




 
 川崎市は、この規制法成立で
 
「国の意思が明確に示された」
 
「過去において、成立した法で定める言動等を行ってきた事実に鑑み、今回も同様の言動等が行われる蓋然性が極めて高いものと判断し、不当な差別的言動から市民の安全と尊厳を守る」
 
と、不許可理由を述べています。
 
 
 



 このデモの主催者は、あの在特会系の「行動する保守運動」のメンバーなのですが、ネットの掲示板に「川崎発!日本浄化デモ第三弾!」と題してデモを告知していました。
 

 


 そして、川崎市は在日コリアンが多く住む川崎市川崎区桜本地区周辺でのデモや集会での言動を調べたところ

「桜本は日本だ。デモをやって当たり前だ。終わらせてやる。一人残らず日本から出ていくまで、じわじわと真綿で首を絞めてやる」

などと主催者らの発言していたというのですから、今回も差別的言動がなされる可能性が高いと判断したのは当然です。
 



 

 さらにさらに画期的なことが!

 横浜地裁川崎支部(橋本英史裁判長)は2016年6月2日、同じ桜本地区にある社会福祉法人「青丘社」(重度(ペチュンド)理事長)という川崎市内の社会福祉法人から半径500メートル以内でのデモを禁止する仮処分決定を出しました。

 ヘイトスピーチ対策法が5月24日に成立して以来わずか一週間。同法を踏まえた司法判断はもちろん初めてで、弁護団は

「決定に期間の定めはなく、将来にわたってずっと効果が続いていく。新法を規範とした点で画期的な判断だ」

と評価しており、同様の申し立てが全国に広がり、ヘイトスピーチに痛撃が加わることは間違いありません。

喜ぶ訴訟団。

 

 

 それにしても、同区内で6月5日にデモが予定されているため、同福祉法人は5月27日に仮処分を申し立て、6月2日に仮処分決定というまさに民事保全法の趣旨にかなった迅速な決定でした。

 法律の施行が3日からなのに、その前に法の趣旨をくみ取る決定が出るなんて、ほんとに凄いです。

 

2016年1月に行われた行動右翼とやらの川崎ヘイトデモの様子。

 

 

 さて、この仮処分決定では、2015年11月と2016年1月のデモで、団体の主催者らが

「朝鮮人をたたき出せ」「半島に帰れ」

などと発言したことについて、新法が定めた「差別的言動」に当たる不法行為だと位置づけました。

 そして、ここが大事なところですが、憲法が保障する集会や表現の自由に照らしても、彼らの差別的言動は在日コリアンの名誉を傷つけ、侮辱するものだとして、

「集会や表現の自由の保障の範囲外であることは明らかだ」

と述べています。

 そのうえで、同団体のヘイトスピーチによって、法人が近隣で運営する保育所や児童館、介護施設などに

「著しい損害が生じる現実的な危険性がある」

と指摘し、このヘイトスピーチを事前に差し止める必要性が極めて高いと結論づけました。

 本当に素晴らしい司法判断です。

 

 

追記

 ヘイトスピーチをめぐっては、京都地裁が2013年に、朝鮮学校の半径200メートルでの街宣活動の禁止と損害賠償を命じる判決を出し、2014年に最高裁で確定した例があります。

 この時は、ヘイトスピーチが違法であることの根拠として、国連の人種差別撤廃条約が禁じる「人種差別」があがっていましたが、今回の決定は、ヘイトスピーチ対策法で初めて定義された「差別的言動」を引用し、スピーチする側の「表現の自由」を検討したうえで不法行為に当たるとはっきり認めたことに、画期的、いや革命的な意味があります。

 ただ、判決や仮処分の決定は、あくまで当事者の周辺での差し止めに限られます。京都地裁も2010年に差し止めの仮処分決定を出したのですが、これを無視して街宣行動は行われました。

 そして、この団体が6月5日に予定しているデモをめぐっては、主催者が申請した同市川崎区の公園の使用許可について、川崎市が不許可を出したので、主催者は1日、同市中原区に場所を変えて実施するため、神奈川県警に道路使用許可を申請しました。

 道路交通法上、神奈川県警は5日の使用予定時間の24時間以上前には許可不許可を決めなければなりませんが、こうなるといかにも許可は出しにくいでしょう。

 

どっちを守ってんだかわからない警察。

 

関連記事

【祝】ヘイトスピーチ規制法案 参院法務委員会を全会一致で可決!今国会で成立予定に!!

ヘイトスピーチ規制法案が成立予定となったのを歓迎する。ただし、「適法居住要件」は削除すべき。

在特会の徳島教組襲撃事件。高裁が支援者日本人への攻撃でも人種差別と認定、地裁の倍額の賠償命令。

安倍自民党政権がヘイトスピーチ社会を作っている。安倍・麻生・伊吹・下村・高市・新藤・稲田・萩生田。

 

ヘイト・スピーチとは何か (岩波新書)
岩波書店

差別と侮辱、排除の言葉をマイノリティに向けて路上やネット上で撒き散らす―ヘイト・スピーチとは差別煽動である。差別も「表現の自由」として、当事者の 深刻な苦しみを放置するのか。民主主義社会をも破壊する「言葉の暴力」と向き合う国際社会の経験と制度を紹介し、法規制濫用の危険性も考えながら、共に生きる社会の方途を探る。

 

ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力 (文春新書)
文藝春秋

ネットの中で醸成された右翼的言動、いわゆる「ネトウヨ」が、街頭デモにまで進出してきたのは何故なのか? その代表格とされる「在特会」とは一体、どんな組織なのか? デモに参加するのはどんな人たちなのか?
こうした幾つもの疑問に答えるのが、本書。在特会問題を取材しつづけ、2012年には『ネットと愛国』で講談社ノンフィクション賞を受賞した実力派ジャーナリストによる、「ヘイトスピーチ」問題の決定版!

 

ヘイト・スピーチの法的研究
金 尚均 (著, 編集), 森千香子 (著), 安田浩一 (著), 中村一成 (著), 遠藤比呂通 (著)
法律文化社

「差別的表現」と「ヘイト・スピーチ」は同列に扱ってよいのか。ジャーナリズム、社会学の知見を前提に、憲法学と刑法学の双方からその法的規制の是非を問う。有害性の内実を読み解く試み。


 

今回の仮処分決定は、在日の方が多く住む地域でのヘイトデモのヘイトスピーチによって、法人が近隣で運営する保育所や児童館、介護施設などに「著しい損害が生じる現実的な危険性がある」から禁止すると結論したものですから、普通の場所でも同じ判断が出るとは限りません。

実際、表現の自由との関係でいうと、ヘイトスピーチと言えども日本中のあらゆる道路から締め出していいと言えるかは非常に難しい問題だと思います。人種差別撤廃条約からはむしろそれが当然なのですが。

しかし、国・地方公共団体の施設でこういう人種差別団体の集会をやらせることは、もはや許されなくなっていくでしょう。

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事務所付近でのヘイトデモ禁じる仮処分 決定要旨

 【認定事実】

 債権者(申し立てた側)は、1973年に社会福祉法人の認可を受けた。その目的として、人種・国籍・宗教のいかんを問わず、福祉サービスを必要とする者が心身ともに健やかに育成され、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられることを目指し、個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会で営むことができるよう支援し、共生社会を実現することを掲げている。

 川崎市臨海部は、在日コリアンと呼ばれる在日韓国・朝鮮人が多数居住する地域で、特に債権者の事務所がある桜本地区はその集住地域として知られている。債権者は民族を理由に入園を断られた子どもを受け入れる保育園を設立するなど、民族差別解消・撤廃に向けて取り組み、社会福祉事業を行ってきた。債権者の理事長は韓国籍で、施設利用者のうち在日韓国・朝鮮人の占める割合は、ほかの同市の地域に比較して多い。

 債務者(申し立てられた側)は「行動する保守運動」と称する団体に参画する活動家で、2013年5月12日から16年1月31日にかけて12回にわたり、JR川崎駅前の繁華街を中心に、市内で在日韓国・朝鮮人の排斥を訴える内容のデモを主催し、または中心メンバーとして参加した。

 中でも15年11月8日と16年1月31日に行われたデモで、債務者や参加者は、「在日は大うそつき」などと記載したプラカードを掲げ、「朝鮮人をたたき出せ」などの文言を発した。デモは拡声機を用いるなどして、騒々しくされた。

 債務者は運動体のホームページで、6月5日に実施予定のデモへの参加を呼びかけている。

 

 【差別的な言動の差し止めを求める権利があるか】

 国外の国や地域の出身者で適法に居住する人が、国外の出身であることを理由に差別されたり、地域社会から排除されたりすることのない権利は、憲法13条に由来する人格権を持つ前提になるものとして、強く保護されるべきだ。人種差別撤廃条約の規定や、憲法14条が人種差別を禁止していること、さらに近年の社会情勢の必要に応じて差別的言動解消法(ヘイトスピーチ対策法)が制定され、施行を迎えることに鑑みると、その保護はきわめて重要だ。

 国外出身者が抱く民族や出身国に対する感情や信念は、個人の尊厳の最も根源的なもので、ほかの者もこれを違法に侵害してはならず、相互に尊重すべきだ。

 ログイン前の続き差別的言動解消法2条に当たる差別的な言動は、平穏に生活する人格権に対する違法な侵害行為として、不法行為にあたる。

 そして、住居の近隣でデモをし、街宣車やスピーカーを使用して大声を張り上げるという、平穏に生活する人格権を侵害する程度が顕著な場合には、言動の差し止めを求める権利を持つと言える。

 もっとも、憲法21条が定める集会や表現の自由との調整を配慮する必要があるから、事前に差し止めるためには、侵害行為の状況や程度との関係で違法性の程度を検討するべきだ。

 差別的言動はもっぱら差別的意識を助長、誘発する目的で、公然と生命や財産に危害を加えると告知することなどを考慮すれば、違法性は顕著で、もはや集会や表現の自由の保障の範囲外であることは明らかだ。この人格権の侵害への事後的な権利回復が著しく困難であることを考慮すると、事前の差し止めは許容される。法人も、事業所で平穏に事業を行う権利、名誉や信用を保有する権利は、人格権として強く保護される。法人も個人と同様に、差別的言動の事前差し止めの権利を持つものと言える。

 

 【権利保全の必要性】

 債権者は、民族差別解消・撤廃のために実績を積み上げ、社会的な評価としての名誉・信用を得てきた。6月5日に予定されている債務者が主催するデモで、差別的言動を行う可能性は高く、債権者の理念や活動内容を真っ向から否定するものと言える。

 在日韓国・朝鮮人への差別的言動が行われれば、個人の尊厳をないがしろにし、耐えがたい苦痛を与え、施設の利用者が利用を避けたりためらったりすると容易に推測できる。

 債権者が、平穏に社会福祉事業を行う人格権が侵害されることで著しい損害が生じる現実的な危険性が認められ、また債務者の差別的言動の看過できない悪質性からみても、債権者の事務所の入り口から500メートル以内で、差別的言動を事前に差し止める必要性はきわめて高い。

 

 

川崎市の男性などが計画しているデモについて、横浜地方裁判所川崎支部は民族差別的な言動を繰り返すヘイトスピーチが行われる可能性が高いとして、市内にある在日韓国人の男性が理事長を務める団体の施設周辺でデモを行うなどの行為を、禁止する仮処分の決定を出しました。

申し立てをしていたのは在日韓国人の男性が理事長を務め、介護施設などを運営する川崎市川崎区の団体です。

団体の弁護士によりますと、「市内に住む男性らは、多くの在日韓国人や在日朝鮮人が生活する団体がある地区で、民族差別的な言動を繰り返していて、今月5日にもデモを計画しヘイトスピーチを行う可能性があり、業務を妨害されるおそれがある」として、団体の周辺でデモを行うことを禁止することを求めた仮処分を裁判所に申し立てしていました。

これについて、横浜地方裁判所川崎支部の橋本英史裁判長は「男性らの発言から計画されているデモでヘイトスピーチが行われる可能性が高い。新たに成立したヘイトスピーチを解消するための法律をみても、在日韓国人や在日朝鮮人などの平穏な生活は強く保護されるべきだ」と指摘し、団体施設の入り口から半径500メートル以内でデモを行うことや、大声を張り上げて差別的な意識を助長する行為を禁止する仮処分の決定を出しました。

デモを計画している男性を巡っては、川崎市は市が管理する2つの公園でこの男性が企画している集会について、民族差別的な言動を繰り返すヘイトスピーチが行われる可能性が高いとして、公園の使用を認めないことを決める異例の措置をとっています。

仮処分を申し立てた社会福祉法人、青丘社の三浦知人事務局長は「デモは私たちの住宅街、商店街に深い傷を残してきました。この決定をきっかけに、ヘイトスピーチに悩まされている全国の地域からこの異常事態がなくなってほしいです」と話していました。

また、同じ法人の施設で働く崔江以子さんは「この決定で地域の子どもたちがヘイトスピーチに怖がることはなくなります。新しい法律ができても、助けてもらえないのではないとか、繰り返されるならみずから命を絶ちたいと言っていた地域の在日コリアンのおばあちゃんもいたので、早く帰って報告したい」と話していました。

団体の代理人を務める神原元弁護士は「決定は、成立したばかりのヘイトスピーチを解消する法律を引用して出された初めてのもので、弁護団としては、今回の判断は、画期的、歴史的なものだと評価している。新しい法律は実効性について疑問があったが、決定を通じて今後裁判所の規範となることを確信したほか、この法律を作るために努力した人たちの成果だと感じている」と話しています。

 

 

デモ禁止仮処分 支援団体事務所、半径500メートル以内 地裁川崎支部

 橋本英史裁判長は、5月に成立したばかりのヘイトスピーチ対策法に言及し、ヘイトデモを「人格権に対する違法な侵害行為に当たる」と認定。さらに、その違法性が顕著であれば「憲法が定める集会や表現の自由の保障の範囲外」とも指摘した。法人側の神原元弁護士は「ヘイトスピーチ法を根拠に違法とした画期的かつ歴史的な判断」と評価した。

 ヘイトスピーチを行う個人や団体に行為の禁止を認める仮処分決定は、京都地裁が「在日特権を許さない市民の会」(在特会)などに対し、京都朝鮮第一初級学校(京都市)近くでの演説禁止などを命じた決定(2010年)に続き、2例目とみられる。

 仮処分を申し立てていた社会福祉法人は、川崎市内の在日コリアンらの支援団体。男性は過去にも多くの在日コリアンが暮らす同法人事務所の周辺でデモを行っており、今月5日にも市内で実施するとインターネット上で予告したことから、仮処分を申し立てた。

 決定は、過去の男性の差別的言動を「法人の活動内容を真っ向から否定するもので、存立基盤を揺るがす」と認定し、ヘイトスピーチの程度が顕著な場合は事前の差し止めも認められるとした。その上で、街宣車やスピーカーの使用だけでなく、大声を張り上げる行為や第三者に行わせることも禁じた。期限は区切らなかった。

 男性は5日の集会に向けて、市内2カ所の公園利用を市に申請していたが、市は5月末に不許可とした。神奈川県警などによると、男性は1日、当初の予定とは別の場所で警察署に道路使用許可を申請した。10〜50人が参加見込みで、集会は行わないという。

 決定後、法人職員で在日コリアン3世の崔江以子(チェカンイジャ)さん(42)は記者会見し「ヘイトスピーチは根絶できることを地元の子供たちに示せたのがうれしい」と語った。【太田圭介】

    ◇

 ヘイトスピーチ対策法は3日、施行されることになった。岩城光英法相は2日の閣議後記者会見で「法の趣旨に沿った取り組みをしっかりと推進していく」と述べた。【鈴木一生】

 

 

 

川崎市は、市が管理する2つの公園で計画されている集会について、民族差別的な言動を繰り返すヘイトスピーチが行われる可能性が高いとして、公園の使用を認めないことを決め主催者の男性に通知しました。川崎市は、ヘイトスピーチを解消するための法律が成立したことなどを踏まえた措置だとしています。

民族差別的な言動を繰り返すヘイトスピーチを巡っては、自治体が解消に向けて、地域の実情に応じた施策を実施するよう努めることなどを定めた法律が今月24日に成立しています。

こうしたなか、川崎市は、市内の男性が来月5日に市が管理する2つの公園で計画している集会について、ヘイトスピーチが行われる可能性が高いとして、公園の使用を認めないことを決め男性に通知しました。

川崎市によりますとこの男性は、去年11月とことし1月の2回、市内でヘイトスピーチを伴うデモを主導的に行ったことが確認されているということです。

川崎市は、ヘイトスピーチを解消する法律が成立したことに加え、市民団体などからヘイトスピーチの根絶を求める要望があったことを踏まえて、今回の判断を行ったとしています。

川崎市建設緑政局の山田彰彦緑政部長は「表現の自由は憲法で保障されているが、この男性はこれまでもヘイトスピーチを行っており、市長の判断で公園の使用を認めないことにした」と話しています。

主催者の男性について川崎市は、個人情報だとして詳細を明らかにしていません。

市民団体 ヘイトスピーチの根絶求める

川崎市内でのヘイトスピーチを巡っては、これまでも市民団体や市議会から市に対して対応を求める動きが出ていました。今月12日には、ヘイトスピーチの根絶を求める市民団体が3万人分の署名を福田市長に提出しました。さらに、30日は、川崎市議会の石田康博議長が、今回の集会を企画した主催者はこれまでにヘイトスピーチを伴うデモを市内で繰り返しているとして、断固たる措置を求める要望書を提出していました。

川崎市長「不当な差別的言動から市民を守る」

川崎市の福田紀彦市長は「川崎市は多文化共生の街であり、これまで市内でヘイトスピーチが行われてきたことは大変残念なことだ。ヘイトスピーチを解消する法律が成立し、国の意思が明確に示されたことを受け、市として検討を重ねた結果、不当な差別的言動から市民の安全と尊厳を守るという観点から、公園の使用を認めない判断に至った」というコメントを出しました。

 

 

ヘイトスピーチのデモ、川崎市が全国初の「不許可」判断 今後は道路使用許可が焦点に


川崎市で6月5日に計画されていたヘイトスピーチ(差別扇動)のデモについて、福田紀彦市長は5月30日付で、デモの起点となる公園の使用を不許可にした。
「不当な差別的言動は許されない」と定義した「ヘイトスピーチ解消法」が5月24日に成立して以降、自治体が差別的な言動を理由に使用を不許可にしたのは全国初となる。

市が発表したコメントによると、法成立で「国の意思が明確に示された」として、申請者が「過去において、成立した法で定める言動等を行ってきた事実に鑑み、今回も同様の言動等が行われる蓋然性が極めて高いものと判断し、不当な差別的言動から市民の安全と尊厳を守る」と、その理由を述べている。

主催者はネットの掲示板に「川崎発!日本浄化デモ第三弾!」と題してデモを告知していた。カナロコによると、市は在日コリアンが多く住む川崎市桜本地区周辺でのデモや集会での言動を調べ「桜本は日本だ。デモをやって当たり前だ。終わらせてやる。一人残らず日本から出ていくまで、じわじわと真綿で首を絞めてやる」などの発言から、今回も差別的言動がなされる可能性が高いと判断したという。

30日には川崎市議会が議員60人全員の連名で、市長に対し公園使用許可を出さないよう求めていた。今後は、神奈川県警がデモのコースとなる道路の使用許可を出すかの判断が焦点になる。

カナロコは、申請者の男性が6月1日、道路使用許可を神奈川県警中原署に申請したと報じた。神奈川県警警備課は1日、ハフポスト日本版の取材に対し、デモの際の道路使用許可にあたって、起点となる公園や公共施設の許可取得を義務づけた明文規定はないが「施設管理者の許可を要するものであれば、許可を得るよう指導している」と説明した。「一般論として、許可要件を満たしていれば許可しなければならないが、今回については申請を受理し、検討を始めたところであり、県公安条例の規定に基づき(デモの)24時間前までに申請者に通知することになる」と回答した。

29日には名古屋市内でヘイトデモがあったが、名古屋市は出発点となった久屋大通公園の許可を取り消さなかった。朝日新聞デジタルによると、愛知県の大村秀章知事は30日、記者会見で「公共団体の施設は使用を許可しないのがあるべき姿だ」と、今後は県施設の使用を許可しない考えを示した。一方で名古屋市の河村たかし市長は「よういっぺん考えてみます。外国を侮辱することはよくないが、私は基本的には自由論者。だが、何をやっても良いわけではない」と判断を留保した。

【UPDATE】2016/06/02 0:33 神奈川県警からの回答を追記しました。

 

 

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11 コメント

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なんか、日本終了っぽい (バードストライク)
2016-06-03 06:04:26
http://go2senkyo.com/articles/2016/06/02/19153.html

またコピー機能が不調に・・・

要するに、改憲勢力で3分の2を超える見込み・・・

レイさんの努力も虚しく。
私たちも、コメント欄で遊んでいただけか。

シラけるわ。
返信する
すぐあきらめちゃダメ! (ray miyatake)
2016-06-03 07:33:27
最後まで力を抜かない人が勝つんです。

「努力した者が全て報われるとは限らん。
 しかし! 成功した者は皆すべからく努力しておる!!」
(少年マガジン はじめの一歩より)

認証番号3000番!
返信する
「盲学校女教師(戦前の教師)が語った釈尊の大慈悲の教え」 (ほうがくしょうげん拝)
2016-06-03 11:59:53
久昌通信223号から転載します。

www.tamano.or.jp/usr/kyushoji/tushin/223.html


久昌通信223号(平成28年6月号)
 

本物の『5』

そろそろ梅雨の走りかと思わせるような天気が続いています。以前は「体調をととのえるのが難しい時期です」などと言っても、はんぶん人ごとのように思っていたのですが、そうでもなくなってきた今日この頃です。


 5月下旬に、岡山の曹源寺でおこなわれた住職研修会で、岡山盲学校の元教頭先生・竹内昌彦(たけうちまさひこ)氏の講演を聴きました。竹内氏は小学校高学年の時、完全に失明、その後の様々な困難も、本人の負けん気とご両親はじめいろんな人達のおかげでそれらを克服、努力を重ねて教職に就かれたのです。素晴らしいご講演でした。


ご紹介したいことばかりなのですが、字数制限もあり一つだけにします。私に一番印象深かったのが、竹内氏が盲学校の中学一年生の時、先生から「あなたの5は本物の5ではない」と言われた、というお話です。


 中学生になってから、勉強が面白くなってきてよく努力するようになった竹内氏は、一学年の終わりに成績優良児で表彰されました。


もらった通知簿を自分で見ることはできませんから(目が見えないので)、担任の女性の先生に読んでもらう事になりました。「竹内君、よう頑張ったなあ。全部『5』がついとるよ。学校中でオール5はあなた一人だけよ。私も鼻が高い、ようやったわ」と、ここまでは賞賛の言葉であったのが、そのあとに厳しい言葉が続きました。「でもなあ、私から見ると、あなたの『5』は、ひとつも本物じゃないなあ。」


「あなたは、自分の成績だけよかったらそれでいいと思っとるじゃろ?あなたを見よったらそれがようわかる。勉強がわからん友達を放っとるじゃろ。今年は自分のことだけで精一杯だったと思うけど、来年は勉強がようわからんで困っとる友達に親切に丁寧に教えてあげなさい。それができたとき、あなたの『5』は本物になるんよ」

・・・この教えが、その後、自分の為だけでなく、人を喜ばせるために様々な努力をなさる竹内昌彦氏の基礎となったに違いありません。


転載終わり

___________________________


竹内昌彦氏は教師だけでなく鍼灸師の資格も持っておられますから、ご存じの方も多いでしょう。

haikei-takeuchi.jp/profile/

氏が盲学校中学1年のときの女教師担任先生のこの教えこそが、釈尊が説かれ給うた大慈悲の教えそのものであると思います。

澄明住職に先ほど電話してそう申したら住職も全くそのとおりだと教えて下さいました。



戦前に先生になった人はみな先祖代々正法仏教徒なのであるなあ、といたく感じ入りましたので、竹箒塵取和顔愛日本語CCへ投稿いたした次第です。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

mail to 豊岳正彦 masa-ho@sky.icn-tv.ne.jp
「竹箒塵取和顔愛日本語フルオープンCC」

四正勤

これから起ころうとする悪は、起こらない先に防ぐ。
「悪を予防するFluワクチン皮内接種」

すでに起こった悪は、断ち切る。
「悪を断ちきる断捨離NHK解体廃棄」

これから起ころうとする善は、起こるようにしむける。
「竹箒塵取和顔愛日本語フルオープンCCネット口コミ三宝帰依活動」

すでに起こった善は、いよいよ大きくなるように育てる。
「三宝帰依仏心仏法日本国憲法を地球憲法にしましょう」


拈華微笑 不二院顧心正顔居士ほうがくしょうげん拝

・・・・・

以上、阿修羅へ投稿しました。
http://www.asyura2.com/16/senkyo206/msg/473.html#c53


以後HN通りがけは実名の戒名読みほうがくしょうげん拝となります。
返信する
一投について (バードストライク)
2016-06-03 12:27:19
スレ違い、お詫び申し上げます。
ray 様の力が入った記事だったのにね・・・
返信する
私は素直に喜べない (AS)
2016-06-03 14:05:10
決定文が憲法第21条(言論・表現の自由保障)に言及しているからです。
その前に、権利行使と自由享受は常に公共の福祉に適わなければならないと、憲法第12条後段に明記されてるだろうが!
自由は放埓無法の言い訳じゃない! どこ見てんだ、裁判所!

(ちなみに前段には、権利と自由は国民自ら保持維持し続けなければならないと定められており、私も肝に銘じています)
返信する
なるほどね。 (K)
2016-06-03 14:30:07
国が法律を制定することで、地方自治体の後押しをすることができるってことですか。
rayさんもわかっていたなら、前回の記事でそう書いておいてくれたら良かったのに。

特に良かったと思うのは、「ヘイトスピーチを規制するために国家による言論弾圧を容認するか」、「言論弾圧を防ぐためにヘイトスピーチを容認するか」の二元論に終止符を打つことができることですね。
言論の自由を守りつつ、ヘイトスピーチを封殺する地方自治体の頑張りを強く支持します。
返信する
Unknown (とら猫イーチ)
2016-06-03 15:15:19
 川崎市が出来ることなら、全国の地方自治体が続けば良いのです。

 地方自治体が管理している公共施設は、相当な種類と数があります。

 道路、公園から、各種文化施設、体育施設、等から、小規模な市民向の集会が可能な会館等です。

 それらを一切、使用許可しなければ、事実上、集会、デモ等は不可能になる訳です。 
 
 更に、屋外広告物法に依って、公共施設等に無断で貼付されたり、設置されたポスターや、立て看板等を権限に基づいて撤去すれば、良いのです。 

 屋外広告物法に定められた刑事罰は、無断貼付等の実行行為者を現場で現行犯逮捕等しなければ適用が困難ですが、法に基づき貼付等が禁止されているポスター等は、即、撤去可能ですので、遠慮は要りません。 

 これで、ヘイトデモを窒息させる道筋が見えましたね。 
 
返信する
私も同じです…。 (リベラ・メ(本物の))
2016-06-03 22:02:51
私もAS様と全くの同意見です。対象を限定しているので、対象から外れた人々に向けられるヘイトが、処罰や取締りの網を逃れ暴走する可能性があるからです。
返信する
  (AS)
2016-06-04 13:05:41
リベラ・メさん
その萌芽は既に見えています。
カルデロンのり子さんとその御両親に、行動する保守とやらが何をしたかは御記憶かと思います。
返信する
疑問 (はな)
2016-06-09 12:08:55
川崎デモはデモ側のHPなどを
散見するに
共産党や民進党へのデモです
現地でのデモ側の主張もそうです
しかし左翼側は反コリアンのヘイトデモと
していますが、なぜでしょうか?
マスコミ報道もデモ側の幟には
ことごとくボカシが入ってまして
読めませんでした
幟には共産党の文字がありましたが・・
しっかりとした説明が必要だと思う
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